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文化財情報 有形文化財 森山八幡宮御正体と懸仏
指定
高知市指定 有形文化財 指定年月日 昭和 54年 5月 26日
名称
森山八幡宮御正体と懸仏
所在地・所有者
春野町森山・八幡宮
写真
伝日野資朝像
解説
御正体(みしょうたい)(鏡像)と懸仏(かけぼとけ)は、神像や仏像を表現した円板形品で、神社や寺院に奉納するものです。本来は神鏡に本地仏が浮かび上がる状況をあらわしたもので、神仏習合の思想によりつくられたものと考えられます。森山八幡宮には御正体が一面と、懸仏が七面あります。
御正体は白銅製で直径20cm、外周にはカマボコ形の縁をめぐらせています。中央やや上部に8cmの間隔で懸吊(けんちょう)のための鈕(ちゅう)が2個鋳出され、尊号、年月日、施主を陽鋳しています。その銘文は次のとおりです。
嘉吉三癸亥
六月十五日
八 幡 大 神
神主施主尾張守
若太夫
敬白
懸仏のうち、一面は直径19cmでヒノキの板上に薄金銅板を張って鏡板とし、周辺には覆輪を施し、覆輪上には笠鋲をうっています。また、内外区に分けるカマボコ形の圏線をめぐらせています。一面は直径14cmで、同じくヒノキ板上に薄金銅板を張って鏡板とし、周辺には覆輪を施しています。両者ともかつては中央に尊像をすえ、その頭上には天蓋を、左右には花瓶(けびょう)を、左右肩上には環座をそれぞれ留めていたはずですが、現在ではすべて失われ、その痕跡だけが残っています。残りの五面はこの二面より小さく、いずれも直径10から12cmで、薄金銅板の鏡板のみとなっています。この五面にも尊像、天蓋、花瓶を留めていた穴が残っています。