このページは,高知市広報紙「あかるいまち」に掲載されている「Mayor's Column 内和外順」のコーナーを再掲したものです。 |
春うらら(2004年3月号) |
毎年,三月に入るといい陽気になり,外に出掛けてのんびりしたくなります。 わたしは少し絵をかきますが,鏡川の上流に出掛けて,春の日だまりの中で一日のんびりと風景の写生をしていると,本当に幸福感に満ちてきます。市長になってからあまり休みが取れないため,その暇もないのが残念です。 わたしの絵の印象は,日本画っぽい油絵という一風変わったものです。本当は日本画をやりたいのですが,日本画は顔料やら,膠やら,下絵やら大層面倒なので,時間が無いわたしにはとても無理です。 そこで,油絵ということになるのですが,わたしの場合,面相筆という一番小さい筆を使ってかくので,どこか異端なんでしょう,日本画風の油絵になってしまいます。でも絵にとって一番大切なのは個性ですから,黄土色を基本とした自分自身の絵は結構気に入ってます。 よく自分の絵に満足するといい絵はかけないといわれます。より先をめざす場合は,きっと満足したりすると前へ進む絵はかけないんでしょう。 ピカソの絵は,創造と破壊の繰り返しで,一つの世界を完成させると,もうその世界を壊し始めている。そこがピカソの天才たるゆえんでしょうか。 そういう意味でも,ことし県立美術館で開催される,愛妻ジャクリーヌを日常的に描いた今回のピカソ展は「本当に高知で見られるの!?」という感嘆を込めて,開催が待ち遠しいところです。 恐らく,ハルウララへ武豊さんが騎乗するのと同じように,四国内はもちろん全国から美術ファンが駆け付けてくるものと楽しみにしています。 |
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