高校時代に「知識と知恵」というテーマの授業を受けたことがあります。
授業の内容は、「これから君たちは多くのことを学び、知識を得ていくでしょう。知識を多く持つことは大切ですが、知識だけでは難しい局面を乗り切ることはできません。大切なのは知識だけに頼らない知恵を出せるかどうかです」というものでした。
約三十五年前のことになりますが、今でも鮮明に記憶に残っています。
学校では知識は教えてくれても、知恵の出し方までは教えてくれません。知恵というのは、小さいときの日常の遊びの中などで自然に学んでいくものかもしれません。
社会に出ると、多くの職場ではチームで仕事をします。問題や課題が起きたときは仲間と相談し、一つずつ問題を解決しながら仕事を進める必要があります。
ある大企業の副社長は、部下の課長から「それはできません」と言われたとき、「君には多くの部下がいるではないか。人間は本気になれば多くの知恵が出る。部下たちの知恵を無視してできませんとは何事だ」と烈火のごとく怒ったそうです。
難問に直面したとき、みんなが真剣に考え、正面から課題に取り組めば、本当に多くの知恵が出ます。そのことによって問題の解決に一歩ずつ近づくことができるのです。人の知恵は無限にあると感じます。
まちづくりを考える上でも、皆さま方からいただく知恵はとても大切です。今後も市民の皆さまから多くのお知恵をいただきながら、住んで良かったといわれるまちづくりを進めたいと思います。
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