市長という職業柄、時々「書」を依頼されることがあります。油絵をかくことは好きなのですが、きれいな字が書けないので書道は大の苦手です。
書の先生方は「きれいに書こうとする必要は無いよ」と簡単に言いますが、素人としては少しでもきれいに見せたいと悪戦苦闘します。
「書」はその人の個性そのもので、同じ字を臨書しても百人百通りの書ができます。「その人となりがそのまま出ますから自然に書いたほうがいいですよ」と言われると、「人格が出るのか…。う〜ん」とまたまた悩んでしまいます。
書くのは苦手ですが、見るのは好きなので、時間があればいろいろな展覧会に出掛けています。
展覧会でさまざまな書を拝見すると、書き手から多くの元気な「気」をいただきます。特に、高齢者の方々の書からは「まだまだ人生を楽しむぞ」という気持ちが伝わってくることが多く、見ているわたしも力がみなぎってきます。
手先を使う書道や絵画、折り紙、ちぎり絵などをされている方々はご長寿な方が多いと思います。最近は和裁をされる方は減ってきていると思いますが、家族のためにさまざまな着物や日用品を縫っていたおばあちゃんたちもご長寿でした。
指先と脳とはつながっているとよくいわれますが、手先を使うこのような作業は、当然集中力が必要ですので、自然に脳神経をいい意味で刺激しているのではないかと思います。
書道は一例ですが、楽しみながら健康で過ごすことができるものを一つ見つけられるといいですね。
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