高知県は地勢の特性から台風の来襲は宿命であり、災害との戦いを避けて通ることはできません。
昭和四十五年の十号台風では下知地区をはじめ市内各地が浸水し、暴風雨による家屋の損壊も多数に上りました。その後、昭和五十年の台風五号、翌五十一年の台風十七号と、百年に一度といわれるほど大型の台風が二年連続で来襲し、市内はまさに水没、大災害となりました。
特に、台風十七号では鏡川の堤防が決壊の危機にさらされ、当時の坂本市長が非常事態宣言を発表し、全市民に避難を勧告したほど深刻な状況となりました。
以後、市では雨水をできるだけ早く排除するための都市下水路の整備と併せて市内各地に排水ポンプ場を整備し、浸水対策の強化に努めてきました。
昭和五十年代と比べ台風災害に対応する機能は随分強化されましたが、最近では、遊水地帯の役割も果たしてきた田や畑の区域が急速に市街化されたり、一部の地域にゲリラ的に集中豪雨があったりして、'98豪雨のようにあっという間に水が来て被害が出るというのが実感です。
また、水路周辺のごみが雨で大量に流され水路をふさぎ、水があふれて浸水する被害も近年増えています。災害を未然に防ぐためにも、普段からごみのポイ捨てをしないことが大切です。
災害対策に油断は禁物です。早め早めの対応が重要であり、さらに、地域の皆さんの相互の協力が不可欠です。ご近所同士の助け合いがいざというときに多くの人命を救います。
災害の被害を防ぐためにも、普段から地域の連携を強めていただくことを心からお願いしたいと思います。
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