桜が咲く春は、人との別れの季節でもあります。卒業生はたくさんの期待と少しの不安を抱きながら、学舎を巣立っていきました。
その卒業生を温かく見送る人々の中には、多くの教え子たちから慕われ惜しまれながらこの春退任された先生方の感慨深い姿もありました。
長い間さまざまな個性と感性を持つ子どもたちを送り出してきた先生方にとって、自分の教え子がいろいろな分野で活躍することが一番の宝物ではないかと思います。
子どもたちだけでなく人々には数多くの能力と可能性が潜んでいます。この可能性を本人に気付かせてくれるのが、恩師です。学生の時にはそれほどに意識していなくとも、大人になって、いろいろな経験や悩みを重ねる中で恩師の言葉がふと頭の中によみがえってきます。そのことが大切なヒントとなって困難な道を切り開くことができるときもあります。
県内の大学でも、ご縁があってこの高知に赴任され、土佐の風土とお酒を愛し、地域に多くのご貢献をいただいた先生方が退任されました。行政や環境、医療、福祉、芸術など幅広い分野においてそれぞれ個性ある業績を残されるとともに、有能な人材を育て世に送り出していただきましたことを心から感謝します。
退任後、ふるさとへお帰りになられる先生方、また転勤で高知を離れられる多くの企業の皆さんも、この土佐にまた遊びに来られることを心からお待ちしています。再び帰ってこられるときは多くの仲間たちが温かくお迎えします。
桜舞う中で、皆さま方の前途に幸多かれとお祈りいたします。
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