このページは,高知市広報紙「あかるいまち」に掲載されている「Mayor's Column 内和外順」のコーナーを再掲したものです。 |
災害進化論(2007年6月号) |
去る四月二十六日午前九時三分、小さな振動から始まり「おや、地震かな」と思った瞬間にぐらっときました。 えらく予震が短いと思ったら、高知ではあまり体験したことのない直下型地震。震源地は愛媛県東予地方で本市の震度は「4」でした。 多くの県民が「ついに来たかあ」と思った瞬間だったと思います。 来る南海大地震のエネルギーは、この地震の数万倍だという高知大学の岡村眞教授のコメントにあらためて肝を冷やしたところです。 神戸の震災発生時に、現地におられた高知県人も多くいますが、ほとんどの方が「あまりのすさまじい揺れに火を消しに行くなんてとても無理。その場から一歩も動けず、ともかく身近な何かにすがっているしかなかった」と言っています。 郷土の偉人寺田寅彦博士の論文に「文明が進むほど、災害も激烈さを増す」という災害進化論があります。 昭和二十一年十二月二十一日に発生した南海大地震後の市内東部や南部では海水に浸(つ)かり、なかなか水が引かなかったようです。当時は田畑が多く家屋が少なかった地域にも、今は多くの住宅が建っており、寺田博士が今から七十年以上前に警告してくれた言葉に不安が募ります。 神戸での災害直後、被災された多くの人々の命を救ったのは、ご近所の底力でした。 災害時には地域の力が欠かせません。まずはわが家の身近なところから災害に対する備えをお願いします。 |
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