少しずつ知られつつありますが、土佐沖の南海トラフ海底には、「燃える氷」とも呼ばれているメタンハイドレートが大量に眠っています。
メタンハイドレートとは、天然ガスのようなメタンガスが海底下の地層の中に、高圧でシャーベット状の氷の状態で分布しているものです。
土佐沖に眠っているメタンハイドレートの量はかなりの量があると推測されています。仮に地層から取り出すことが可能になれば、国内の天然ガス消費量の、なんと100年分が賄えると言われています。
現在の日本では、そのエネルギーのほとんどを海外からの石油や石炭の輸入に頼っていますが、メタンハイドレートを安全に取り出すことができれば、日本は逆にエネルギーの輸出国になれます。
国も本格的にこの調査に乗り出しており、2001年に開始した南海トラフをはじめとする地域の分布調査を、2008年には完了し、昨年7月、その分布図を公表しました。
ことしからは、いよいよ海洋産出に向けた調査が始まっています。
メタンハイドレートをガス化して燃焼させた場合、排出されるCO2量が石油や石炭に比べて少ないと言われています。ただし、海底の地層から大量に取り出した場合、地球環境にどのような影響があるか分からないため、慎重な環境予測調査が必要です。
土佐沖に眠る豊富なエネルギー資源・メタンハイドレートの、今後の調査に注目しています。