6月号で紹介した群馬大学の片田敏孝教授から、直接お話をお聞きする機会がありましたので、今回は続編を紹介します。
片田教授は、釜石市の小中学生たちと、8年間にわたり、非常に実践的な防災教育と避難訓練を続けられ、3月11日の大震災でその成果が見事に生かされました。
地震直後、まず中学生たちが即座に避難を開始し、それを見た小学生たちがすぐに合流しました。すでに学校から離れた場所にいた子どもたちも、普段訓練してきたとおりに、自ら考え、自らが率先して避難しています。結果的に、釜石の小学生1927人、中学生999人、合計2926人のうち、2921人の子どもたちが助かりました。
この8年間の取り組みの中で、地域の子どもたちは自らが企画した「こども津波ひなんの家」というアイデアまで生み出しています。
子どもたちは自主的に逃げますが、それぞれ高台に向かう途中の指定された民家に立ち寄ります。
一見すると、単に「大人のところへ駆け込むんだな」と思えますが、それは違います。住民を避難させるために立ち寄るのです。地震の後も「ここは大丈夫だろう」と避難しない方も多くいますが、子どもたちに「一緒に逃げよう」と言われると、住民の方々も逃げざるを得ません。
釜石の子どもたちは、そこまで考えています。高知でもこの教育を見習わなければならないと思っています。