昨年の3月11日に、突如発生した東日本大震災の甚大な被害を受けて東海・東南海・南海地震の最大級の被災シミュレーションの検討が本格化しています。国の中央防災会議では、巨大地震の発生確率は低いものの、万一、巨大地震が発生した場合は、西日本の広範囲で相当の被害が発生する可能性があることを警告しています。
高知県内では震度7という激震が起こった後に、津波の発生が懸念されています。いくつかのシミュレーションが発表されつつあり、ことしの秋までにかけて、国や県から順次被害想定が発表される予定ですので、正確に情報を分析していくことが大切です。
防災関連の用語に「水平避難」「垂直避難」という言葉があります。これは災害時の避難方法で、火災の場合は水平に避難し、津波の場合は垂直に、できるだけ高く逃げると被害は軽減できます。
地震が発生した場合は、まず速やかに高台や高い建物に避難することが重要です。できるだけ高くという点が大事です。地域によっては高台がなかったり、高い建物が少なかったりという地域があり、さまざまな不安もあることと思います。
堤防の強化や防波堤の整備などで、津波の力を減じて、逃げる時間を稼ぐ必要があります。また、避難タワーや避難ビルの確保などに加えて、県が提案しているシェルター施設などいろいろな物を組み合わせた多重防護の仕組みを本格的に検討してまいります。