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このページは、高知市広報「あかるいまち」に掲載されている「Mayor's Column 内和外順」のコーナーを再掲したものです。
内和外順高知市広報「あかるいまち」より
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抱樸(ほうぼく)
高知市広報「あかるいまち」2018年6月号より
 ホームレスの人々を支援し続けている、北九州市のNPO法人「抱樸」の理事長・奥田知志(ともし)さんの職業は牧師です。
 
 18歳の大学生時代に、大阪釜ヶ崎の深刻な状況と出会い、25 歳のとき、牧師になります。

 そして、北九州市で、ホームレスの人々への支援をスタートさせ、以来30年にわたり、社会的弱者といわれる人々に対して、「徹底して共に歩む」伴走型の支援を続けています。

 この30年の間、抱樸が支援し、自立したホームレスの延べ人数は3千人におよび、現在、NPO法人の正規職員は、70人に拡充されています。

 「抱樸」とは、老子の言葉で、「荒れた原木のままで抱きとめる」ことだそうです。NPO法人「抱樸」は、荒々(あらあら)しい原木には、力強い生命力があることを信じ続けています。

 奥田さんは、路上で寝ているホームレスの一人一人に声を掛け、何度も説得して、自分の家に連れ帰り、風呂に入れ、着替えをさせることから、まず始めます。

 奥様もずっとホームレスの方々のお世話を家庭で続けており、本当に頭が下がります。

 この30年間で相談員の数は増えてきましたが、大事なことは「人は弱いという前提に立って、共にいることができる社会づくりだ」と熱弁を振るっています。

 日本の社会が、もう少しおおらかに、「貧しいけれど、人々に出会える社会、生きていれば、いつか笑える日が来る」ことを強く信じて、奥田さんは仲間とともに、今日もホームレスの人々に声を掛け続けています。本当に、すごい人がいるものですね。
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