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このページは、高知市広報「あかるいまち」に掲載されている「Mayor's Column 内和外順」のコーナーを再掲したものです。
内和外順高知市広報「あかるいまち」より
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人と川との共生
高知市広報「あかるいまち」2018年7月号より
内和外順
 河川と、その流域には素晴らしい自然が育まれ、多くの人々が暮らしています。

 東京大学名誉教授に、河川工学で国際的にも著名な高橋裕(ゆたか)先生がいます。

 高橋先生は、1927年生まれで、日本の河川工学の第一人者であった安藝皎一(あきこういち)博士に師事し、河川の現場を徹底的に歩いています。

 当時は、まだ日本の河川堤防は脆弱(ぜいじゃく)で、度々大災害が発生しています。

 1947年のカスリーン台風では、一級河川の利根川の堤防が千葉で決壊し、その後、5日間かけて激流が東京に押し寄せ、東京東部が水没する大惨事となりました。

 1959年の有名な伊勢湾台風では、名古屋の広大なゼロメートル地帯が被害に遭い、名古屋市では死者・行方不明者合わせて1851人に上る大災害となっています。

 高橋先生は、こうした災害現場を徹底的に歩き、どうすれば洪水の被害を減らすことができるか、多くの人々とともに知恵を絞り、1970年代から、単なる河川管理だけではなく、流域全体の自然保護や、人と川との共生の大切さを世界に訴え、河川堤防のみで治水を行うのではなく、その流域に遊水池や調整池等をできるだけ配置し、流域全体で治水を行う「総合治水」の考え方を初めて確立しました。

 そのことが高く評価され、2015年には全世界の科学技術者を対象とした「日本国際賞」を受賞されていることを見ても、先生の実践活動がいかに地域に貢献しているかが分かります。
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