TURNS 自分に合った高知をみつけよう! ~こうち二段階移住~

「TURNS」自分にあった高知をみつけよう! 高知が提案する新しい移住の形「二段階移住」。 「二段階移住」とは、いきなり田舎暮らしを始めるのではなく、まずは高知市内に移住・滞在し、そこを拠点に県内をめぐり、自分に合った場所を見つけたのち、安心して最終的な移住を決めていただく、というしくみです。


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四国の真ん中、山々と渓流が織りなす美しい大自然に囲まれた高知県、嶺北地域。ここは全国的にも人気の高い移住先進地域として注目を集め、年間40組近い移住者がやってくる。この地でいち早く移住支援活動に力を入れてきたのが「NPO法人れいほく田舎暮らしネットワーク」。その会長を務める川村幸司さんは、たくさんの移住者と地域をつなげ、嶺北の移住促進を支えているキーパーソンだ。「自然と共存できる恵まれた環境はもちろん、嶺北の1番の良さは人。優しい方が多く、人との関わりにあたたかさを感じます」自身も土佐町へのUターン移住者。深い地元愛を原動力に、移住コーディネーターの活動を通して嶺北の魅力を発信している。「ここは高知市や高速道路へのアクセスがしやすいためか、山奥ですが人の行き来があって閉塞感がありません。一方で、農業や食、昔ながらの文化が残り、その普遍的な価値に魅力を感じて定住される方も増えています。地域と移住者が歩み寄り、お互いを受け入れ、協力しあえる雰囲気があります」と川村さん。移住相談や不動産情報の提供、移住後のケアやコミュニティづくりに至るまで、多岐に渡るサポートを行う川村さん。移住希望者にとって「れいほく田舎暮らしネットワーク」の存在は大きい。「移住者にどう暮らしたいかを細かく聞き、実際に来て体験してもらったうえで、適したエリアを案内します」嶺北地域は土佐町・本山町・大豊町・大川村の4町村で構成され、それぞれ強みが異なる。農業をするなら大豊町、教育優先なら土佐町と、求める暮らしに合わせて場所を選択しやすい。川村さんは、移住者と移住地が合わないと思えば別の地域を紹介することも。「田舎と言っても、人によって捉え方が違います。話を聞く中で、この方の言う2007年に設立し、嶺北地域の移住者の支援・サポートを行うNPO法人。宿泊施設を完備した農村交流施設「おこぜハウス」を拠点とし、土佐町、本山町、大豊町、大川村の4町村と連携し、移住・定住の相談や体験ツアー、空き家の案内、地域に住む先輩移住者の紹介など、移住に向けた準備をサポートしている。その他、移住後も地域間とのフォローや交流会といったコミュニティの場を設けるなど、幅広い取り組みを実践。移り住む人と地域に寄りそう、頼もしい存在だ。こうしたサポートの他に、独立開業を目指す移住者を応援し、低コストで店舗運営のチャンスを提供する「チャレンジショップICO」を展開。出店者は土佐町の中心部にある複合施設の店舗を利用し、1年間のお試し営業ができる。嶺北地域は美しい森林と渓流、里山の景観に魅了されてやってくる人が多い。山地気候を活かした農業も盛んなまち。(上)スタッフの佐藤さんも川村さんにお世話になった移住者の1人。(左下)この日は外国人の相談者が来訪。(右下)チャレンジショップICOを利用し、さまざまな業種のお店がお試しで開業している。NPO法人れいほく田舎暮らしネットワーク人と人が、あたたかくつながるまち田舎って高知市の規模なんだと気づくことも。ただ移住してほしいからと一辺倒に地元を勧めたりはしません。本当に合う場所で、満足して暮らせるのが最優先ですから」希望を抱いて移住したものの、思い描いた暮らしとのギャップや、都会と田舎の感覚の違いに戸惑うという声も少なからずある、と川村さん。移住先にマイナスを感じないためには何が必要なのだろう。「どの地域にも言えますが、人とのつながりは生活において重要なポイントです。たとえば、溝掃除や草むしり、祭事といった地域活動や近所づきあいなど、田舎であるほど人間関係は親密になります。持ちつ持たれつの精神が息づく田舎の良さでもありますが、こうした土地への理解を深めつつ、自分なりの距離感のラインを持つこと。まずはまちの中心部の生活からはじめてみるのも1つの選択肢ですし、短期のお試し移住などで生活体験するのもいいと思います」あこがれの古民家暮らしも、家の管理には労力がともなうもの。「豊かに暮らすための取捨選択をして、トータルでプラスになれば、幸せな移住につながる」と川村さんはいう。「嶺北に来た人たちが幸せに生活できれば、地域はもっと面白くなる。その相乗効果が理想的。それを支えていくのが自分の役割です」高知県土佐郡土佐町田井16670887-72-9303http://reihoku.in/13


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