TURNS 自分に合った高知をみつけよう! ~こうち二段階移住~

「TURNS」自分にあった高知をみつけよう! 高知が提案する新しい移住の形「二段階移住」。 「二段階移住」とは、いきなり田舎暮らしを始めるのではなく、まずは高知市内に移住・滞在し、そこを拠点に県内をめぐり、自分に合った場所を見つけたのち、安心して最終的な移住を決めていただく、というしくみです。


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マルシェに出かけては、高知の食の豊かさを再認識したという。移住で見つけた、大好きな場所へふたたび引っ越し。県内のあちこちに出かけるうちに、夫妻には大好きな場所ができた。それが、雰囲気がよく、明るく感じたという香美市だ。3年暮らした高知市を離れ、「最高の場所」に一軒家を建てた。都市部との何よりの違いは、人間関係のつながりの濃さだった。「〝田舎〟では玄関に野菜が置かれると聞いていたのですが、本当にあるんですよ(笑)。時の流れも、ゆったりしています」香奈美さんは、高知市のころから、子育ての支援サークルを立ち上げたり、抱っことおんぶを教える「ベビーウェアリングコンシェルジュ」として講座を開いたりと、自分の仕事と役割を生み出してきた。香美市では、さらに地域活動もこなす。「子育て世帯が移住してきやすいような環境づくりなど、この地域のために自分ができることを考えていきたいです」。そう語る香奈美さんの表情は、このまちの雰囲気のようにまぶしく映った。1.300年以上の歴史を持つ高知市の日曜市は、いろんなグルメや地元の特産物が並び、香奈美さんのお気に入り。「食べものは何もかもおいしいです。授乳が終わってから10キロも太っちゃいました」と香奈美さん。2.新築した自宅は、浩二さんの工房も兼ねる。浩二さんは2019年、食肉加工の免許を取得。高知市の店舗名と同じ「松原ミート」の屋号で、手作りのシャルキュトリ(パテなどフランス伝統の食肉加工品)の製造から販売までを手がける。3.自宅玄関から見える景色。六本木のレストランをたたみ、食の豊かな地域へ。松原香奈美さんの、ここへたどりつくまでの道のりは、今の姿から容易に想像できない。アメリカの高校、短大に通った香奈美さんは語学を活かし、名古屋市の商社に勤務。30歳を目前に、ワーキングホリデーでフランスへ渡る。そこで、フレンチのシェフ、浩二さんと出会った。結婚と同時に、東京へ。六本木ヒルズの目の前にレストランを構え、夫婦で営んだ。取材依頼が殺到する注目店だったが、ウェブ上の評価で客の入りが左右されることに悩み、さらに、子どもができたことで、自分たちが口にする食べものに意識が向いていった。「働き方を変えることができる、豊かな食材のまちに暮らしたくなりました。一度、高知へ旅行したとき、食べもののおいしさやまちのおもしろさに惹かれ、いろんな地域と比べても『高知がいい』、という結論になりましたね」2016年、高知市へ移住。浩二さんは新店舗をオープンする一方、香奈美さんは子育てに専念。子連れで、産直市やオーガニック13225


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