移住レポート
report
ゲストハウスをしながら海とサーフィンを楽しむ暮らし
河合 英治さん
徳島県出身。妻の出身が高知県土佐市で、自身も海が好きなこともあり、2019年に東京都より移住。現在はゲストハウスを運営。
人との出会い、
タイミングで人生は大きく変わる
移住のきっかけは、出身が徳島県だったこと、妻の出身が高知県土佐市だったこと、そしてサーフィンと海が大好きだったことが前提にあります。
東京に30年近く住んで、そろそろ四国に戻りたいなあと、5年ぐらい前から本気で考えるようになりました。若い頃は、東京は私にとって刺激的で、何でもあって、便利でとても楽しい場所でありました。
しかし歳を重ねていくうちに、古い価値観のままでライフスタイルをつくっていくと、幸せではなくなってしまうのではないかと、中身が豊かでないと意味がないと思い始めたのです。でも東京での生活を変えるとなると、ものすごいエネルギーが必要で、ビジネス的なことをいろいろ考えると、どうしても踏み出せませんでした。多くの都会で暮らしている人が同じようなことを考え、様々な理由であきらめていると思います。
そんな時に数年前からとても仲良くさせていただいているNAKIさん(プロサーファー、写真家、文筆家、プロデューサー、アーティスト)が高知でのビジネスのいろんなアイデアを出してくれました。一気に視野が広がり未来への道が見えた感じでした。何事もそうですが、人との出会い、タイミングで人生は大きく変わります。今回、私はそこに気がついて、少し勇気を出して移住を実行しました。
仕事と遊びの
垣根をなくして楽しむ
室戸に来た当初は、誰も頼れる人がいなくて、何を誰にお願いできるのかが全く分かりませんでした。しかも、今まで経験のない旅館業を立ち上げることは、0からのスタートでした。分からないものは分からないと開きなおって、いろんなところに積極的に顔を出し、多くの人に聞きました。プライドが高い人には無理でしょうが、分からないので教えてくださいと聞くと必ずみんなどうにかしてくれようとしました。東京では軽くあしらわれるようなことも室戸では違います。これから移住される方は、ぜひ多くの人と知り合いになって、知ったかぶりをしないことをお勧めします。
また、ビジネス(起業)としては、室戸は過疎化が進み、年間を通して多くの観光客が訪れる状況ではないので、大規模なものではなく小規模なビジネスに限定されると思います。私も基本的には一人で全てを管理実行しています。そうすると会社組織であれば、一日二日でできることも一人では数週間かかることがざらにあります。これを楽しむコツとしては、仕事と遊びの垣根をなくして楽しむことだと思います。これができるビジネスを予め考えることも大事ではないでしょうか。そして、室戸を反映した小規模な事業がたくさんできると、また魅力的な場所となって観光客、移住者の人たちを引きつけると思います。「スカイ アンド シー・ムロト」がそのような起点の一つになるように頑張りたいです。
ジオパークの海を
ライフスタイルの一部に
2019年の9月に室戸へ移住してきて、4ヶ月間はゲストハウスの内装の改修、各種許認可の手続きをしていました。その合間に楽しみながら人脈作りをしていました。ゲストハウスをオープンさせてからは、お客さんの予約次第で予定を立てています。
時間を作って、時々サーフィンをしていますが、ジオパークの海をライフスタイルの一部にすることはとても贅沢なことだと思います。都会では味わえない豊かな生活にとても感謝しています。
アドバイス
- これから移住を考えている方に、伝えたいことはありますか?
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高知県でゲストハウスを立ち上げようと考えた時、高知県の魅力である大自然、歴史・文化、食がコンパクトに揃っているところを条件に検討しました。室戸はこの条件を満たす数少ないところだと思います。交通の便、遠方からのアクセスの問題もありますが、それを差し引いても、価値のある場所だと思います。そして多くの魅力的な方々が室戸を盛り上げてくれています。都会の生活で満たされない多くの人にとって、室戸の自然のなかでのんびりし、歴史・文化に触れ、おいしい食を味わうことはプライスレスな幸せを感じられると思います。
ゲストハウス「スカイ アンド シー・ムロト」についてはこちらをご覧ください。