

移住レポート
report

時間にゆとりが持てる制度は
初の場所にはありがたい
原田 翼考さん
新潟県出身
仙台の大学を経て、東京の建設系企業に就職。東京から北海道・札幌に転勤となり、厳しい寒さに暖かい場所で暮らしたいとの想いが募る。そんな折に、様々なタイミングが重なり高知に移住。

移住のきっかけ
前職は転勤が多い会社で、東京勤務から札幌に転勤となりました。4年半を北海道で暮らしていたのですが、しばれる寒さが苦手でした。 仕事は楽しかったのですが、戸建てを構えても毎朝の雪かき、暖房代の高さ、ずっとここで暮らすのか…という考えが頭をよぎるようになり、ゆくゆくは西の方に行きたい、暖かいところに住みたいという思いが強くなりました。
会社に勤めながら異動で西日本勤務になったとしても、また転勤があるかもしれない。そう悩んでいる時に、まだ結婚する前に妻と行った四国旅行を思い出しました。淡路島から徳島?愛媛?高知を周り、海や山が近い環境に惹かれました。実家が山を持っており農業や林業もやっており、子どもの頃に遊びで枝打ちをやったりしていた思い出も懐かしくなり。そして、実家に帰った時に父親が「自分の土地を明確にしたい」といっしょに測量しに行った時に、ふと「親父に代わって山の面倒を見る存在が必要じゃないか」と思い、林業を学ぼうと考えるようになりました。

二段階移住を利用した理由
林業学校を調べていたところ、高知県に林業について多岐に渡って学ぶことができる林業大学校があることを知りました。四国旅行で森林が豊かでいい場所だなと思っていたこともあり、2024年の9月に高知に移住しました。
まず高知に移住する。そのためには、手続きや情報収集などでまず高知市内が良いだろう。そして、林業を学んだりいずれ職とするなら、山のほうに行くことにもなるだろう。どこに住むのがいいのだろうか。そんな考えを巡らせているときに、高知県のオンライン移住説明会で二段階移住のことを知りました。雪が降るまでには札幌を出たいなと思っていたので、いったん高知に居を構えていろいろと足を運びながら考えようと二段階移住を利用しました。

最初の拠点高知市での暮らし
現在は、高知市の大津に住んでいます。林業大学校には願書も出しましたが「林業学校に通うだけじゃ現場が学べないぞ」という思いもあり、現在は専門的な技術や資格について学べる林業大学校の短期講習を受けつつ、その他地域の林業体験や講習会に参加して学びを深めています。チェーンソーや狩猟の資格は既に取得しました。
そんな中で、本山町の林業体験ツアーに参加した際に知り合った方が本山町で製材所を営んでおり、そこでアルバイトをしています。製材所にはレーザー加工機もあり、木製コースターなどの基になる木材製品を整える仕事をしています。また、梼原の地元の方とのご縁で、ジビエの解体所「ジビエの里」でもアルバイトをしています。梼原町は林業に従事する地域おこし協力隊も募集しているので、林業大学校に進学するか、協力隊になるかで現在は悩んでいます。
※2025年4月から、梼原町の地域おこし協力隊が決定

二段階移住に取り組む中で
まず、補助金が出ることで、最初の拠点の高知市で腰を据えて考える時間にゆとりをもつことができたと思っています。すぐに仕事を探すとかで時間が必要になると、いろんな場所を見て回る時間が削られてしまうと思いますので。その時間を活用して林業体験ツアーなどに参加する中で、新たな出会いや想定外の動きが生まれたことがいちばんのメリットだと感じています。
梼原は、子供たちに森林ある必要性やすばらしさを伝え、次世代につなげる活動などを行っている。 そういうノウハウを学んで、地域をおこす/地域に来てもらうアイデアを生み出すスキルを磨きたい。あとは趣味が革細工なので、いつか伐倒した木と鞣した革を使った事業を立ち上げたいなと思っています。


アドバイス
- これから移住を考えている方に、伝えたいことはありますか?
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自分がどんなライフスタイルを送りたいか。その時に移住が自分のためになりそうだと感じたら、迷わずにやってみるといろんな発見があると思います。高知は本当に暖かいのがいいですよ。登山や素潜りも趣味なので、夏の海や山が体験できるのも楽しみにしています。
ただ、ひとつだけ悩ましいのが「住むところが少ないこと」です。田舎暮らしに憧れている方は、移住先の住居環境だけは事前に調べてみるといいと思います。移住希望先に足を運びやすくなるといった点でも、二段階移住制度は魅力的ですよね。

