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■お寄せいただいたご意見と高知市の考え方 |
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お寄せいただいたご意見 | 高知市の考え方 | 意見数 |
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仁井田地区は海に面していますが、海抜12m〜の地域もあり高知市内の平地では珍しいのではないでしょうか? 近年土地の値が高騰しているので、市内でマイホームを検討されている方や移住者に知ってもらえると地域の人口増加に繋がるのではないでしょうか。ただ、海抜が高いからと地震の際に津波が来ないとは言い切れません。 高い建物は必要になってくるので、災害時にも避難ビルとして利用でき、通常時には商業、観光に使えるような大型ショッピングセンター、四国初の外資系のIKEAやコストコなど誘致してはどうでしょうか。 |
仁井田地区は,海岸や丘陵地に囲まれ,比較的標高の高い平地部が広がっていることから,高知市立地適正化計画において,一部居住誘導区域に設定されるなど,緩やかな居住誘導を進めているエリアです。 津波被害のリスクに対しましては,自然高台や高い建物などの避難場所まで距離があるエリアについては,これまでに津波避難タワーを整備するなどの対策も講じているところです。 ご意見の大型商業施設誘致につきましては,事業者側の出店条件(市場マーケットやアクセス等)や,本市の既存産業への影響等も考慮する必要があるため,関係部署にも情報共有し,参考とさせていただきます。 |
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1. 総括的な意見 「事前復興まちづり計画」は,既往の「総合計画」や「防災計画」など,行政主導で作成する施策上必要な計画文書とは異なる性格を有する,地域住民との「協働」による「震災後のまちの再生案」に値するものと理解しています。 その観点からすると,現案は,高知市に限らず,どの自治体でも適用可能な「総花」的で高知市の独自性が少ない内容と感じます。基本方針(案)のレベルであっても,高知市が直面している課題に照らした「独自性」を打ち出した具体的な施策案をもう少し盛り込むことが望ましいと考えます。 国・県が主に担う事業と,地域住民に密着している基礎自治体が担う事業を明確に区分し,高知市が受け持つ内容についてより具体的な記述にするなど,計画案の記述にメリハリを付けることが,地域住民に対する計画内容の理解に資すると考えます。 |
事前復興まちづくり計画案は,過去の東日本大震災の事例のほか,まちづくりや産業,福祉,文化,防災など各分野の有識者等で構成する検討会での意見等を踏まえて作成しており,高知らしい独自の施策として,例えば,人口減少や高齢化が進む中でのコミュニティ維持という観点の重要性を踏まえ「地域共生社会の実現」等を盛り込んでいます。 具体的な施策案につきましては,現在,策定を進めている地区別事前復興まちづくり計画において,地域で開催するワークショップでの意見等も参考にしながら,各地域での課題等に対する有効な施策案等を計画に盛り込んでいきたいと考えています。 それに合わせて,国や県,市が担う事業等の区分についても,できるだけ明確にするなど,地域住民の理解に資するものとなるよう努めていきます。 |
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2. 個別箇所に対する意見 ・P.2 「将来の効果・将来像」の記述について →復興計画は,行政と地域住民の合意に基づく「目標」設定であって,これを「策定」しさえすれば「早期かつ円滑」にまちの復旧・復興をすすめられるような記述は,やや短絡的ではないでしょうか。 →「被災前より災害につよいまちを目指す等,まちの水準が被災前以上に向上することや人口流出の抑制にもつなげることができます」とありますが,本来,発災しなくても,「災害につよいまちを目指す」ことは行政として優先すべき事項であり,災害を契機に,まちの水準を向上させるのは本末転倒ではないでしょうか。また,人口流出の抑制は災害とは別にすべき施策で,事前復興計画の実施による「将来の効果」にあげるのは違和感があります。 |
事前復興まちづくり計画は,復興のための目標設定だけではなく,対象区域においてどのような復興を目指すのかなど,街の将来を地域の方々とともに想像しながら意見を交換し,発災後に策定する復興計画の基礎とするものです。 ご指摘のとおり,策定しさえすれば復旧・復興が進むものではなく,平時からの人口流出や防災対策については事前復興計画の策定に関わらず推進するべきものであり,現在,様々な対策に取り組んでいるところです。 本計画の意義としては,事前に計画案を策定しておくことで,少しでも早く復興を進められる可能性が高まるほか,地域の方々と事前にまちの将来像を共有することで,発災後におけるまちの復興の可能性や方向性を示すことができるものと考えています。 また,「災害につよいまちを目指す」は,被災前よりも,更に災害に強いまちを目指すという思いを込めたものであり,「将来の効果」については,住み続けられる街の将来を地域の皆様と想像・共有する作業等を通して,復興期間の短縮により,人口流出を抑制することを目指し記載しています。 |
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・P.5 「本計画の対象期間」について →復興期間までの目標として約8年が提示されています。具体的な数字ですが,その根拠についてもう少し記載していただければ理解が深まります。 |
ご意見を踏まえ,対象期間について分かりやすくするため,P.5に以下を追記します。 ※国が策定した「東日本大震災からの復興の基本方針」においては,復興期間を10年と定めています。「高知県事前復興まちづくり計画策定指針」では,事前に策定していればその期間短縮が見込まれるため,復興期間を約8年と定めており,本市においても目標として同様に設定しています。 |
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・P.11 「事前復興まちづくり計画の位置付け」について →図示されているとおり,当該計画は,国や県,高知市関係部局で作成された各種地震防災計画と深い関係にあることは理解できます。図示では,各種の「防災計画」と横並びの関係であり,各種防災計画のなかの「ひとつ」という位置付けを想起させます。個人的な意見ですが,当該計画は,これら既往計画の理解のうえに,それらを「統合」かつ「実践」に向けて,地域住民と「協働」で作成した「戦略的計画」の位置付けにあると考えます。よって,p.11に「地域住民」を明記するなど,各種計画を「統合」するイメージを提示することが望ましいと考えます。 |
事前復興まちづくり計画は,街の復興方針や土地利用など,幅広い分野にわたって各計画との連携や整合性が必要となりますので, P11では相関イメージとして図示しています。 本計画は,地域防災計画の一部であり,各種計画を統合するものではありませんが,地域や関係機関の皆様に参加していただき作成した地域防災計画などの計画と同様に重要な計画であり,地域で開催するワークショップでのご意見等につきましては,関連する計画にも必要に応じて反映させるなど参考としていく予定です。 |
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・P.12 「見直し時期」について →計画の見直しについては,高知県の復興方針を参考に10年程度を目安にするとされています。昨今の情報化の技術促進,人口動態などを踏まえると,10年では社会変動の動きについていけない恐れが考えられます。高知県の中核をなす高知市の動向は,県勢を左右する可能性があるため,より短期間で社会動向を反映できる計画の見直しをすることが望ましいと考えられます。たとえば「5年」など期間を明示し,独自性を出して「迅速性」をアピールしてはどうでしょうか。 |
計画の見直し時期については,「高知県復興基本方針(草案)」にも示されているとおり,基本的には10年程度を目安に考えていますが,国や県による地震や津波浸水のシミュレーションの更新,当該地区の土地の形状や利用形態の変更,防災対策や土地に関する法制度の改正など,社会情勢の変化や前提条件の変更が生じる場合などには,適宜見直しをする必要があると考えています。 | |
・P.28 「土地利用への影響」について →方針案でも提示されているように,被災後の復旧・復興を図るうえで,「土地利用」をどのように考えるかが大きなポイントになると考えます。「課題」における被災後の機能配置計画で,各種機能配置のための用地不足が挙げられていますが,これに対する高知市としての基本的な考え方が示されていません。復興を考えるうえで重要な案件なので,基本的な方針でも市の現時点での方針等を第3編以降に記載することが望ましいと考えます。 ・P.37 「安全安心なまちの再生」について →方針に「災害による被害を最小限にとどめることのできる」という表現がありますが,ここでは被災後の「まちづくり」を想定していながら,発災前でもできる内容も含まれています。表現を工夫することで,被災後の「施策」を明確にできると考えます。 →今後,具体的な地区で計画を進めることになりますが,東日本大震災における各自治体で設定された「災害危険区域」については,どの程度言及されるのでしょうか。「移転」を選択する場合の根拠になりうる条件と考えられますので,東北地域の復興事例をもとに,もう少し具体的な考え方を示されてはいかがでしょうか。「土地利用」についても,仮設住宅地の用地確保などについて,考え方だけでも一歩踏み込んだ記載ができないものでしょうか。 →特に,現状で人口が集中している低平地である「中央」,「潮江」などで,復興案として「移転」や「嵩上げ」を考えることは現実的でないと考えられます。今後の地区別の議論のベースとなる基本的な考え方について,現計画案で基本的な考え方を提示しておくことが,今後の協議を迅速に進めるうえで望ましいと考えます。 |
本計画をベースに,現在,地区別事前復興まちづくり計画の策定を進めており,来年度からは津波被害が特に大きいと想定される8地区でのワークショップの開催を予定しています。 地区別事前復興まちづくり計画では,本市における用地不足の問題など,各地区の現状や課題等を整理し,本市が考えるいくつかの復興パターンやゾーニング図案等も作成したうえで,地域の方々と意見交換を行っていく予定ですので,できるだけイメージしやすいように東日本大震災の事例(災害危険区域や移転など)や復興パターンごとのメリット・デメリットなども示しながら進めていきたいと考えています。 |
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・P.46 「なりわいの再生」について →P.20の「産業への影響」において,高知市の現状の経済活動がまとめられています。これによると第三次産業が90%を占めるという高知市の特徴が明確に示されています。そうであれば,各種構成産業の基幹部署について,企業との連携やBCPの有効活用などにより,津波の非浸水区域や地震動災害の少ない区域に予め移設するなど,事業継続に向けた「高知市」としての独自性を盛り込むことができるのではないでしょうか。総花的に施策を列挙するだけではなく,前段で分析した課題を活かす形で「施策」にも具体性を持たせることが望ましいと考えます。 |
産業部門における防災に関する取組につきましては,事業者のBCP策定支援や産業団地造成等に取り組んでおり,現在も企業の移転対策として適地調査を引き続き実施しているところです。 地区別事前復興まちづくり計画におきましては,産業部門とも連携しながら,取組の課題などの情報を共有し,産業の継続に向けた検討も進めていきます。 |
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・P.54 「地域共生社会の実現」について →P.1の「策定に至った経緯と今後」に記載されているように,当該計画の必要性が「多くの住民が他地域へ転出し,復興後も人が戻ってこない」ことを防ぐことであれば,この項目は,非常に重要な施策と考えられます。高知市の独自性を出すうえでも,中核都市の復興再生のためのポイントとすべきと考えます。直近の能登半島地震で顕在化している地域課題など,最新情報を踏まえ,既往施策のうえに,地域住民間の被災後の離散を防止するための「情報共有」の方策などを盛り込むことでより具体化が図れるのではないでしょうか。 |
東日本大震災では,復興後も住民が戻らない事例が発生しており,対策として復興の方向性をできるだけ早期に示すことや,情報共有に関する取組が重要となることから,復興手順書においても広報に関する取組等を記載しています。 また,前述の1. 総括的な意見に対する「高知市の考え方」のとおり,高知らしい独自の施策として,「地域共生社会の実現」を掲げていますように,日頃からの地域コミュニティのつながりを維持・強化することが効果的と考えていますので,引き続き「地域共生社会の実現」に向け平時から取り組んでいきます。 |
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