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■水質基準

 

新しい水質基準項目と水質管理目標設定項目

2020(令和2)年4月1日から適用されています

 2020(令和2年)4月に水質基準項目の一部が改正されました。無機物・重金属である「六価クロム化合物」が0.05mg/L以下から0.02mg/L以下に強化されています。
 水質管理目標設定項目では、項目31に「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)」が要検討項目から移行され、新しく追加されています。

水質基準51項目、水質管理目標設定項目27項目

「水質基準項目」とは:水道により供給される水(基本的に給水栓の水)について適用される基準です。人の健康に対して影響が生じないように、また、色・濁り・においなど生活利用上や、腐食など水道施設の管理上障害が生じることがないように項目と基準値が設定されています。
「水質管理目標設定項目」とは:水質基準とするまではないが、一般環境中で検出されている項目で、使用量が多く今後水道水中で検出の可能性があるなど、水質管理上留意するべき物質について項目と目標値が設定されています。

総農薬方式

 水質管理目標設定項目の一項目としている農薬類では総農薬方式(農薬114種類から、各水道事業者等がその地域の状況をふまえて、測定をおこなう農薬を選定し、各検出濃度/各目標値の合計が1を超えないこと)が採用され、総量規制の考え方が導入されています。

効率的で合理的な検査

 原水や浄水の水質状況に応じて水質検査を合理的、効率的におこなうことができるよう検査頻度(毎月検査、年4回検査、省略可能等)が示されています。
 水源からご家庭の蛇口に至るまでの適正な水質管理をおこなうために、水質検査項目や検査回数などを定めた「水質検査計画」を策定、公表し、情報提供をしています。  

○基準項目(健康に関連する項目・31項目)

No.

項目

基準値

区分

説明

主な用途

1

一般細菌

100個/ml以下

病原生物の指標

水の一般的清浄度を示す指標であり、平常時は水道水中には極めて少ないが、著しく増加した場合には病原生物に汚染されている疑いがある。

2

大腸菌

検出されないこと

大腸菌及び大腸菌と性状の似た細菌の総称で、人・動物の腸管内や土壌に存在している。水道水中に大腸菌群が検出された場合には病原生物に汚染されている疑いがある。

3

カドミウム及びその化合物

0.003mg/L以下

無機物質・重金属

河川水等に検出されていることはまれであるが、鉱山排水や工場排水などから混入することがある。イタイイタイ病の原因物質として知られている。

充電式電池、メッキ、顔料

4

水銀及びその化合物

0.0005mg/L以下

水銀鉱床等の地帯を流れる河川や、工場排水・農薬・下水などの混入のよって河川等で検出されることがある。有機水銀化合物は水俣病の原因物質として知られている。

温度計、歯科材料

5

セレン及びその化合物

0.01mg/L以下

鉱山排水や工場排水などの混入によって河川水等で検出されることがある。

半導体材料、顔料、殺虫剤

6

鉛及びその化合物

0.01mg/L以下

鉱山排水や工場排水などの混入によって河川水等で検出されることがある。水道水中には含まれていなくても、家庭配管に鉛管を使用している場合に検出されることがある。

鉛管、蓄電池、活字、ハンダ

7

ヒ素及びその化合物

0.01mg/L以下

温泉・鉱山排水・工場排水などの混入によって河川水等で検出されることがある。

顔料、半導体材料

8

六価クロム化合物

0.02mg/L以下

鉱山排水や工場排水などの混入によって河川水等で検出されることがある。

クロム合金、皮なめし

9

亜硝酸態窒素

0.04mg/L以下

肥料や生物の死骸、排泄物等が自然界で分解されて亜硝酸窒素ができる。

食品防腐剤、染料合成原料、食肉発色剤

10

シアン化物イオン及び塩化シアン

0.01mg/L以下

工場排水などの混入によって河川水等で検出されることがある。シアン化カリウムは青酸カリとして知られている。

害虫駆除剤、メッキ工業

11

硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素

10mg/L以下

窒素肥料・腐敗した動植物・生活排水・下水などの混入によって河川水等で検出される。高濃度に含まれると幼児にメトヘモグロビン血症(チアノーゼ症)を起こすことがある。

無機肥料、火薬

12

フッ素及びその化合物

0.8mg/L以下

主として地質や工場排水などの混入によって河川水等で検出さる。適量摂取は虫歯の予防効果があるとされているが、高濃度に含まれると斑状歯の症状が現れることがある。

アルミ精練、ガラス製造

13

ホウ素及びその化合物

1.0mg/L以下

火山地帯の地下水や温泉、工場排水などの混入によって河川水等で検出されることがある。

金属表面処理剤、ガラス、エナメル工業

14

四塩化炭素

0.002mg/L以下

一般有機化学物質

化学合成原料、溶剤、金属の脱脂剤、塗料、ドライクリーニングなどに使用され、地下水汚染物質として知られている。

フロンガス原料

15

1,4-ジオキサン

0.05mg/L以下

オイル、ワックス、染料溶剤

16

シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン

0.04mg/L以下

溶剤、樹脂の原料

17

ジクロロメタン

0.02mg/L以下

油脂等の抽出剤、塗料、剥離剤

18

テトラクロロエチレン

0.01mg/L以下

ドライクリーニング、溶剤、脱脂剤

19

トリクロロエチレン

0.01mg/L以下

溶剤、脱脂剤

20

ベンゼン

0.01mg/L以下

染料合成、合成ゴム原料

21

塩素酸

0.6mg/L以下

消毒副生成物

消毒剤の二酸化塩素及び次亜塩素酸ナトリウムの分解生成物である。

         

22

クロロ酢酸

0.02mg/L以下

原水中の一部の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成される。

23

クロロホルム

0.06mg/L以下

24

ジクロロ酢酸

0.03mg/L以下

25

ジブロモクロロメタン

0.1mg/L以下

26

臭素酸

0.01mg/L以下

消毒剤の次亜塩素酸ナトリウム中に含まれる。

27

総トリハロメタン

0.1mg/L以下

クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムの合計を総トリハロメタンという。

28

トリクロロ酢酸

0.03mg/L以下

原水中の一部の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成される。

29

ブロモジクロロメタン

0.03mg/L以下

30

ブロモホルム

0.09mg/L以下

31

ホルムアルデヒド

0.08mg/L以下

○基準項目(水道水が有すべき性状に関連する項目・20項目)

No.

項目

基準値

区分

説明

主な用途

32

亜鉛及びその化合物

1.0mg/L以下

鉱山排水、工場排水などの混入や亜鉛メッキ鋼管からの溶出に由来して検出されることがあり、高濃度に含まれると白濁の原因となる。

トタン板、合金、乾電池

33

アルミニウム及びその化合物

0.2mg/L以下

工場排水などの混入や、水処理に用いられる、アルミニウム系凝集剤に由来して検出されることがあり、高濃度に含まれると白濁の原因となる。

アルマイト製品、電線、ダイカスト、印刷インク

34

鉄及びその化合物

0.3mg/L以下

鉱山排水・工場排水などの混入や鉄管に由来して検出されることがあり、高濃度に含まれると赤水・異臭味(カナ気)や、洗濯物を着色する原因となる。

建築、橋梁、造船

35

銅及びその化合物

1.0mg/L以下

銅山排水・工場排水・農薬などの混入や給水装置に使用される銅管・真鍮器具などからの溶出に由来して検出されることがあり、高濃度に含まれると洗濯物や水道施設を着色(青色)する原因となる。

電線、電池、メッキ、熱交換器、合金、農薬

36

ナトリウム及びその化合物

200mg/L以下

味覚

工場排水や海水、塩素処理などの水処理に由来し、高濃度に含まれると味覚を損なう原因となる。

か性ソーダ、石鹸、ガラス、食品

37

マンガン及びその化合物

0.05mg/L以下

地質からや、鉱山排水・工場排水の混入によって河川水等で検出されることがあり、消毒用の塩素で酸化されると黒色を呈することがある。

合金、乾電池、ガラス

38

塩化物イオン

200mg/L以下

味覚

地質や海水の浸透、下水・家庭排水・工場排水及びし尿など等の混入によって河川水などで検出され、高濃度に含まれると味覚を損なう原因となる。

食塩、塩素ガス

39

カルシウム、マグネシウム等 (硬度)

300mg/L以下

硬度とはカルシウムとマグネシウムの合計量を炭酸カルシウムに換算して表したものをいい、主として地質によるものである。硬度が低すぎると淡泊でこくのない味がし(軟水)、高すぎると硬くてしつこい味がする(硬水)。また、硬度が高いと石鹸の泡立ちを悪くする。

カルシウム:土壌改良剤、セメント、さらし粉.                    マグネシウム:合金、電池、にがり

40

蒸発残留物

500mg/L以下

水を蒸発させたときに得られる残留物のことで、主な成分はカルシウム・マグネシウム・ケイ酸等の塩類及び有機物である。残留物が多いと苦み、渋みなどを感じ、適度に含まれるとまろやかさを出すといわれている。

41

陰イオン界面活性剤

0.2mg/L以下

発泡

生活排水や工場排水などの混入に由来し、高濃度に含まれると泡立ちの原因になる。

合成洗剤

42

ジェオスミン

0.00001mg/L以下

におい

湖沼等で富栄養化現象に伴い発生する異臭味の原因物質で、アナベナなどの藍藻類によって産生され、かび臭を発生する。

43

2-メチルイソボルネオール

0.00001mg/L以下

湖沼等で富栄養化現象に伴い発生する異臭味の原因物質で、フォルミジウムやオシラトリアなどの藍藻類によって産生され、かび臭を発生する。

44

非イオン界面活性剤

0.02mg/L以下

発泡

生活排水や工場排水などの混入に由来し、高濃度に含まれると泡立ちの原因となる。

合成洗剤、シャンプー

45

フェノール類

0.005mg/L以下

におい

工場排水などの混入によって河川水等で検出されることがあり、微量であっても異臭味の原因となる。

消毒剤、香料の原料

46

有機物(全有機炭素(TOC)の量)

3mg/L以下

味覚

有機物等による汚れの度合を示し、土壌に起因するほか、し尿・下水・工場排水などの混入によっても増加する。水道水中に多いと渋みがする。

47

pH値

5.8以上8.6以下

基礎的性状

0から14の数値で表され、pH7が中性、7から小さくなるほど酸性が強く、7より大きくなるほどアルカリ性が強くなる。

48

異常でないこと

水の味は、地質又は海水・工場排水・化学薬品等の混入及び藻類等生物の繁殖に伴うもののほか、水道水では、使用される管の内面塗装剤等に起因することもある。

49

臭気

異常でないこと

水の臭気は、藻類等生物の繁殖、工場排水・下水の混入、地質などに伴うもののほか、水道水では、残留塩素や使用される管の内面塗装剤等に起因することもある。

50

色度

5度以下

水についている色の程度を示すもので、基準値の範囲内であれば無色な水といえる。

51

濁度

2度以下

水の濁りの程度を示すもので、基準値の範囲内であれば濁りのない透明な水といえる。

○水質管理目標設定項目(27項目)

No.

項目

基準値

区分

説明

主な用途

1

アンチモン及びその化合物

0.02mg/L以下

無機物質・重金属 

鉱山排水・工場排水などの混入によって河川水等で検出されることがある。

活字、ベアリング、電極、半導体材料

2

ウラン及びその化合物

0.002mg/L以下(暫定)

地殻中の岩石や海水中に広く分布しており、放射能を持つ。河川水等で検出されることがある。

原子炉用燃料

3

ニッケル及びその化合物

0.02mg/L以下

鉱山排水、工場排水などの混入やニッケルメッキからの溶出によって検出されることがある。

合金、メッキ、電池

5

1,2-ジクロロエタン

0.004mg/L以下

一般有機化学物質

殺虫剤、有機溶剤として使用される。

塩化ビニル原料

8

トルエン

0.4mg/L以下

染料・有機顔料の原料、有機溶剤などとして使用される。

香料、ベンゼン原料、ガソリン成分、溶剤

9

フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)

0.08mg/L以下

プラスチック添加剤(可塑剤)などとして使用される。

プラスチックの可塑剤、溶剤

10

亜塩素酸

0.6mg/L以下

消毒剤・消毒副生成物

二酸化塩素の原料又は分解生成物である。二酸化塩素を消毒剤として使用すると残留するおそれがある。次亜塩素酸ナトリウムの分解によっても生成する。

  

12

二酸化塩素

0.6mg/L以下

浄水処理過程で消毒剤として使用される。

13

ジクロロアセトニトリル

0.01mg/L以下(暫定)

原水中の一部の有機物質と塩素が反応して生成される。

14

抱水クロラール

0.02mg/L以下(暫定)

15

農薬類

検出値と目標値の比の和として,1以下

農薬類

114種類の農薬が検査項目としてリストされている。各農薬ごとの検出値を各目標値で除した数値の合計が1以下となるように決められている。

殺虫剤、除草剤、殺菌剤

16

残留塩素

1mg/L以下

におい

水道法では、衛生確保のため塩素消毒をすることが定められている。残留塩素とは、水道水の中に消毒効果のある状態で残っている塩素のことをいう。

17

カルシウム、マグネシウム等(硬度)

10mg/L以上100mg/L以下

味覚

基準項目に同じ。

18

マンガン及びその化合物

0.01mg/L以下

基準項目に同じ。

19

遊離炭酸

20mg/L以下

味覚

水中に溶けている炭酸ガスのこと。水にさわやかな感じを与えるが、多いと刺激を伴う。また、水道の施設に対して腐食などの障害を発生させることがある。

20

1,1,1-トリクロロエタン

0.3mg/L以下

におい

工場排水などの混入によって地下水で検出されることがあり、高濃度に含まれると異臭味の原因となりる。

脱脂剤、しみ抜き剤

21

メチル-t-ブチルエーテル(MTBE)

0.02mg/L以下

一般有機化学物質

オクタン価向上剤やアンチノック剤としてガソリンに添加される。

オクタン価向上剤、アンチノック剤

22

有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)

3mg/L以下

味覚

有機物の量の指標として基準項目の「有機物」とは別の方法で測定されたもの。有機物等によって消費される過マンガン酸カリウムの量で表す。

23

臭気強度 (TON)

3以下

におい

においの強さを数量的に測定したもの。

24

蒸発残留物

30mg/L以上200mg/L以下

味覚

基準項目に同じ。

25

濁度

1度以下 

濁り

基準項目に同じ。

26

pH値

7.5程度

基礎的性状

基準項目に同じ。

27

腐食性(ランゲリア指数)

-1程度以上とし、極力0に近づける

腐食

水が金属管内面を腐食させるかどうか、その程度を知る目安。数値が負の値で絶対値が大きくなるほど水の腐食傾向は強まる。

28

従属栄養細菌

2000個/ml以下

病原生物指標

水の一般的清浄度を示す指標であり、汚れた原水では多くなる傾向がある。また消毒などの浄水処理を評価する指標となる。

29

1,1-ジクロロエチレン

0.1mg/L以下

一般有機化学物質

化学合成原料、溶剤、金属の脱脂剤、塗料、ドライクリーニングなどに使用され、地下水汚染物質として知られている。

30

アルミニウム及びその化合物

0.1mg/L以下

工場排水などの混入や、水処理に用いられる、アルミニウム系凝集剤に由来して検出されることがあり、高濃度に含まれると白濁の原因となる。

アルマイト製品、電線、ダイカスト、印刷インク

31

ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)

ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の量の和として、0.00005mg/L(暫定)

一般有機化学物質

PFOSは、平成22年に国内での製造・使用が禁止されています。

PFOAについても、国内での製造・使用を禁止する動きがあります。耐熱性や耐薬品性に優れており、分解されにくい性質があります。

泡消火剤、はっ水剤

注:水質管理目標設定項目の4番と6番、7番と11番は削除され欠番になっています。

水質管理センターへのご質問は( e-mail )  →  kochi.suisitsu@email.plala.or.jp

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問い合わせ先

上下水道局浄水課
〒780-8087
高知市針木北1丁目15-15
水質管理センター
Tel:088-843-8634
Fax:088-843-3827
メールでのお問い合わせはこちら


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