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このページは、高知市広報「あかるいまち」に掲載されている「歴史万華鏡」のコーナーを再掲したものです。
歴史万華鏡
執筆「こうちミュージアムネットワーク」の皆さん
高知県の鳥「ヤイロチョウ」
高知市広報「あかるいまち」2018年11月号より
ヤイロチョウ
●ヤイロチョウ
 漢字で書けば「八色鳥」。皆さん、名前は聞いたことがあるのではないだろうか。スズメ目ヤイロチョウ科に属するヤイロチョウは、その名のとおり赤、緑、コバルトブルーなど八色の羽を持つと言われ、日本で最も美しい鳥の一つである。全長約十八センチメートルで、尾羽が短く、英名、学名ともに意味は「妖精のような小鳥」という素敵な名前の持ち主である。「ホホヘン ホホヘン」という特徴的な鳴き声は聞こえても、姿を見ることは非常に難しく「幻の鳥」とも呼ばれている。

 ヤイロチョウは初夏に海を渡ってくる夏鳥で、本州、九州、四国のごく一部での繁殖が確認されている。常緑広葉樹林の地上にコケや小枝、落ち葉などを用いたドーム型の巣を作り、子育てを行っている。好むエサはミミズで、他にも昆虫や甲殻類などを地面をつつきながら探して捕食する。

 昔は迷鳥と思われていたが、一九三七(昭和十二)年に高知県幡多郡山奈村(現宿毛市)の国有林で初めて繁殖が確認され、日本に生息している鳥と分かった。しかしその後はしばらく確認が出来ず、一九六四(昭和三十九)年に子育て中の巣が見つかったことから「高知県の鳥」に指定された。また、一九九三(平成五)年には高知県の天然記念物にも指定されている。

 わんぱーくこうちアニマルランドでは傷病野生鳥獣保護治療事業を行っており、平成三十年八月までに六羽のヤイロチョウを保護収容している。そのうち一羽は、アニマルギャラリー内で十年以上飼育されている。保護時に成鳥であったため、現在何歳なのかは不明である。このところ衰えが見られ、いつまで展示できるのか飼育担当者も心配している。

 また、環境省指定のレッドデータブックでは、イヌワシやアマミノクロウサギと同じ絶滅危惧TB類にランクされている希少種である。野生ではほぼ見ることが難しい鳥であるため、この機会にぜひ当園に足を運びご覧になっていただきたい。

わんぱーくこうちアニマルランド 管理主幹 吉澤未来
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