3ヵ所の選択肢から高知を選ぶ。
山形県出身の後藤雄さんは水泳競技が得意で、サーフィンが趣味。大学進学にはスポーツ科学の学科があり、サーフィンでいい波がくるポイントを探していくと、高知大学に行きついた。在学中にスポーツクラブでアルバイトをしていた経験から、「もっと1人1人に合ったメニューを提供し、効率のいいトレーニングのお手伝いがしたい」とパーソナルトレーナーへの道を進もうと決心する。卒業後は、「実はあまり好きではなかった」という東京へ修行の為に行き、さまざまな現場で多くの経験を積んでいく。東京行きから数年経った頃には、多くのクライアントをかかえ、プライベートでも家庭を持ち、パーソナルトレーナーとして東京で順調に暮らせるようになっていた。それでも、26歳の頃には近い将来高知で起業するイメージを持っていたという。
「サーフィンのこともありますが、やはり知っている土地じゃないと起業は無理だということで、地元の山形、高知、東京という選択肢でした。そんな中で、高知大学で講師をさせてもらう話や、会社のトレーナーが高知大学のサッカー部のトレーニングコーチを任せてもらう話がまとまり、実際に高知に移住する準備を始めようと、1年前から本格的に準備を始めました」。
志のあるものや若者を応援してくれる風土。
土地勘があったので、学生時代から知っている不動産会社と密に連絡を取り合って、ジムと住まいの場所探しを始める。登記関係は東京で準備。東京で生活しながら高知で起業する準備は大変だったと振り返った。そして2013年6月にパーソナルトレーニングジム「You Style」を設立する。
「周りの方のおかげで、この1年でなんとか一応のラインまでは来た感じです。高知に住む方の人柄だと思いますが、仕事に関係ない人でも親身になってアドバイスをして頂いたり、会員のお客様も、励ましの言葉をかけてくれたり、知人を紹介しようとしてくれたりします。そんな人たちがいっぱいいるのが、高知の風土だと思います」。
高知の良さは、川や海など豊かな自然だと言う後藤さん。仁淀川は好きな川で家からも近く、家族で遊んだり、カヌーをしたいと、目を輝かせていった。
移住後に気づいたQ&A
Q. 家族がいる移住は勇気が必要だった。
A. 自分1人なら何があっても対応できそうですが、さすがに家族や社員の人生を背負いますから、慎重になりました。家族の理解がないと難しいです。
Q. 子育てをする環境という点ではいかがですか。
A. 関東なら、満員電車にベビーカーを乗せなくていけないなどストレスを感じる場面があります。高知は少し移動すれば、誰もいないような河原や海があるなど、子どもを育てる環境はいいです。
Q. 高知へ移住しようとする方へのアドバイス。
A. 自分でアクションを起こして、誰かと交流をしたり、相談をすると、親身になって助けてくれる人がすごく多いと思います。移住しても自分の枠内に留まっていると何も起こりませんね。