夢が叶うチャンス到来
正調よさこい踊りへの参加を決めたのは、高知への移住を考えていた時でした。移住相談窓口で「高知市役所踊り子隊の移住希望者枠で踊れますよ!よかったら参加してみませんか?」とお声掛けいただいたのがきっかけです。
父親が高知の出身なので、鳴子を小さい頃見たことがあり、それを持って踊るのがよさこい踊りであることは知っていましたが、実際に踊りを見たのは2年前の夏が初めて。その時は、踊りの躍動感と踊る人の楽しそうな表情に見入っていて、「いつか踊るチャンスがあればいいなぁ~」と、もともとダンス好きの私は思っていました。
ですが、よさこい踊りは全国からチームが参加して演舞を競い合うので、たやすく参加できるものではなく、もし参加するのであれば、何か月も前から練習漬けの日々を送る覚悟が必要だと想像して、ハードルが高いと思っていました。
それが、気軽に参加できると聞いたので、「これはもう参加するしかない!2年前に見たあのよさこいが踊れるなんて」と、楽しみで仕方なくなりました。
こんなに早く夢が叶うと思うと嬉しかったです。
練習に参加できない焦り
問題は大阪に住んでいて練習に来られないこと。
2年前に初めて見て携帯のムービーで撮影していたのが、正調よさこいチームでしたので、その時に撮った動画を見ながら、とりあえず振り付けを覚えようと時間を見つけては動画を見ていました。
今思い返せば、馴染みの音楽が流れたのにつられ思わず撮影した時から、「正調よさこいを踊る」という運命的出会いをしていたのかもしれません。だけど実際、高知での住居や仕事の手続きに来た時に練習に行ってみると、全然踊れない。皆さん既に上手で、私だけ遅れていると思い焦りました。
これはなんとしても本番前の一週間は練習に行かないとマズイと考え、そのままバスの予約をしました。
そんなこんなで数回練習に参加しましたが、舞台をシミュレーションした動きは実際現場に立ってないのでよく分からず、場所を聞いても土地勘のない私にはさっぱりで、ただただベテランさんについていこうという気持ちでした。
これからもなくてはならないイベント
いざ本番!練習時にいくつか変更点があったので、最終的に決まった動きなどを近くの方と確認。不安もありましたが、念願のよさこいが踊れる喜びを感じていました。
一番印象に残っているのは、福祉施設をまわった時に、お年寄りの方々が鳴子を鳴らして喜んでくれたことです。楽しみにしてくれていたんだということがこちら側に伝わる表情で、優しさに溢れていました。高知県東部の東洋町の祖父母のことを思い出し、踊りに参加して本当によかったと思いました。参加した自己満足だけではなく、踊りを見て元気になってくれる方がいるということが、この踊りが継続的に開催され、全国的に広がっている理由だと体感しました。
戦後の復興、地震による市民を元気づけるために開催されたよさこい踊りは、現在もこれからもなくてはならないイベントだと思います。引き続き継続をお願いします。
都会、海外大好きっ子の私がなぜ高知に魅力を感じたのか、理由の一つはもちろん「よさこい」ですが、理由はそれだけじゃありません。寛大なのにブレないといった独特な雰囲気は最強です。
なかなか練習に行けない私に対して、熱心に指導、サポートしてくださった皆様、ありがとうございました。