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移住者インタビュー
開業農業事業承継

小松 隆志さん

人のご縁の連なりで未経験からハーブ農家の道へ

転勤で訪れた高知で、住みやすさ・子育てのしやすさを体感。体調の変化をきっかけにハーブと出会い、修行を経て農家に転身。無農薬にこだわった製法で、オリジナリティを追求した商品を展開しています。

自分でも想像していなかったハーブとの出会い

 会社員として、カメラ関係の仕事をしていた小松さん。転勤で高知県に配属となり、何の不満もなく仕事に取り組む毎日を過ごしていました。「これまでと異なる事業部となり、やってやるぞと意気込みすぎたのかもしれません」という小松さん。その真面目な性格が少しばかり心身に無理を強いすぎたのか、無意識の内に体調を崩されてしまいました。
 仕事を休んでいる間に、気分転換をしようと奥さまが連れていってくれたのが池公園で開催されているオーガニックマーケット。そこでハーブ園の手伝い募集案内を見たことが、小松さんの新たな人生を動かしはじめます。最初は会社の仕事もしながら1年間、翌年からは休職して2年間ハーブ園の手伝いを経験。3年が経ったある日、オーナーさんから事業を継がないかと話を持ち掛けられたことをきっかけに退職、ハーブ農家としてのスタートラインに立ったのです。

いろいろな方の協力に支えられているハーブ仁淀川

 手伝い以外に農業は未経験。ハーブ園はひとりでも全体を管理できる規模感。最初に頭をよぎったのは「本当に生活していけるのか」という不安。それでも、自分の気持ちを信じてやるべきことを整えていった小松さん。フレッシュハーブの卸業では大手に対抗できないので、ドライハーブでB to C向けの商品開発に注力する戦略に。オンラインでの販路も見据え、ターゲットは東京や大阪の首都圏の人に設定。
 そんなタイミングで、ハーブ園にご縁のあった料理家さんがティーバッグタイプのハーブティーの開発を手伝ってくれました。イラストも得意な方で、パッケージデザインも手掛けてくれました。商品のパッケージングは奥さまが手伝ってくれており「おかげさまで、私はハーブの育成と乾燥に集中できています」と笑う小松さん。取材陣への対応も丁寧で、人との関りを大切にされてきた結果が形になっていると感じました。

ドライハーブの魅力をもっと知ってもらいたい

 ハーブ仁淀川のこだわりは、無農薬での栽培。実験用も含め、約200品種を栽培し手摘みで収穫しています。少量・多品種展開するのは、ハーブを混ぜて使うことで様々な風味を生み出すことができバランスもよくなるので、より多くの方に楽しんでいただけるのではとの考えから。商品のハーブティーもいろんなブレンドが工夫されていて、角がなく柔らかな味わいが印象的。「ハーブ=生の素材、生のほうが香りがよい」という印象がまだまだ当たり前だと感じます。そんなイメージを変えることができればいいなと思っています。
 あと、日本ではハーブを日常で使うことは少ない。でも実は、ニラやショウガだってハーブと定義できるんです。もっとハーブの魅力を日常に広げていきたいですね」と笑う小松さんの表情は、明るく輝いていました。

移住後に気づいたQ&A

Q.移住してからの高知の印象はいかがですか?

A.高知は住む前にも来たことがあったのですが、漠然と居心地がいいなとは感じでいました。家族で移住して思うことは、美しい山・川・海が近く、子育てに本当にいい環境だと改めて感じます。また、関西からそんなに遠くないので、兵庫県の実家にも帰省しやすいことも大きな魅力です。

Q.移住後に周りの方と関係性を築くコツはありますか?

A.高知が好きでやってきましたという思い、高知のことをもっと知りたいのでいろいろ教えてほしいという姿勢を大切にしていると、自然にいろんな関係性が築けていきます。高知は面倒見のいい人が多く、本当に人がいいと感じます。いろんな方との交流を楽しんでほしいです。

Q.移住を検討している読者へのアドバイスはありますか?

A.高知での暮らしを続けるためにも、移住後の仕事についてもしっかりと考えてください。新たな仕事を探すのは決して簡単ではないと思います。また、いきなり農業で暮らすといったイメージ先行の移住ではなく、高知は移住や就農相談、支援制度が充実し、担当者の方々も親身に対応してくださるので、まずはそれらの窓口で相談、情報を得ることをおすすめします。

小松 隆志さんのプロフィール

1972年、兵庫県生まれ。前職は写真・カメラ関係の仕事に携わる。
2009年、転勤で高知に移住。
2015年からハーブ園の手伝いを始め、2018年にハーブ農家の道へ。
現在、ハーブ仁淀川で活躍中。

取材撮影:地域活性推進課 移住定住促進室