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伝統の色と図柄を次の世代に
同じ町にあった大きな紺屋に弟子入りした初代・三谷義章氏が明治35年に独立。その後、かせ糸や着物の反物を染める合間の季節仕事としてフ ラフを製造し、今も当時の色や図柄を受け継ぐ。和の趣がある精緻な筆致は、今また次の世代へと引き継がれている。
子の誕生を祝い、健やかな成長を願うフラフを飾るのは、7歳までとされている。昔は、農作業の合間に一休みする日除けの幕として、布団一式をくるむ大判風呂敷としてその後も活躍した。ここにも土佐の文化がある。三谷章氏は、「思いを込めた手染の一枚、ぜひ生活の中に生かしてほしい」と話す。
「褪せた色も味があってえいがよ」という三谷染工場のフラフ。伝統の色を守る理由がここにある。
三谷 章さん
コツコツと描き上げたフラフが、大空になびくのを見るのがやりがいです。おじい ちゃん、お父さん、そしてお子さんと三代にわたって作らせていただいたり、「長男が生まれたきに、頼むぜよ!」と数十年ぶりにご来店くださったり、うれしい限りです。
連絡先・販売場所 三谷染工場
香美市土佐山田町楠目1504-8
Tel.0887-53-2327 Fax.0887-53-2859
室内のぼり
力強くて優しい金太郎の図案「金太郎の鯉だき」は人気。