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町の宝を 町の産業に
真っ黒な顔で炭窯に向かう青年。まだ30代前半の濱田さん、この若さで組合長を務める。仕事の魅力について尋ねると「やっぱりいい炭ができた瞬間ですかね」とはにかんだ。大月町では、平成21年、葉タバコなどの産業に変わる基幹産業として、町で自生するウバメガシを使い備長炭の生産を、という動きが起こった。濱田さんは高知市内で介護の仕事をしていたが、恩師の誘いもあり、研修生に立候補。室戸での1年半の修行を経て町に戻った。品質も良く県内外から需要は多いが、原木のウバメガシは伐採し、また使えるまで育つまでに30年かかるため、一気に使うことはできない。 「ウバメガシは町の宝」という濱田さん。その眼差しは未来を見つめている。
濱田 勝正さん
原料に限りがあるので、注文に対応できない場合もあります。でも、僕は生まれ育った大月が大好きで、この先ずっと炭を焼いていきたい。100年後、200年後にも大月の備長炭があってほしい。そのために頑張ります。
連絡先・販売場所 大月町備長炭生産組合
大月町弘見4163
Tel.0880-73-1633
町内には10の窯があり、20~60代まで、
計10人の職人が土佐備長炭をつくっている。