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県内では貴重な斧を造る厚物鍛冶
昭和初期に創業した秀常鍛工場の三代目となる世ノ本貢さん。25歳の時に転職して、父親の後を継いでから15年。高齢化が進む土佐の鍛冶師の中では数少ない若手(39歳)である。主に斧を中心に製作している。斧を造る鍛冶師は今や高知県内で数人と言われるほどで、その伝統の技術を受け継いでいる貴重な存在だ。写真は山火事の現場などで延焼を防ぐために木を切る「消防斧」、その名の通り竹を割る「竹割斧」、斧よりも小さいが木の幹に打ち込んで切る「木割矢」。鎌や包丁などと比べると、見た目にも重量感がある斧。より使い勝手が良いものにするために、鍛接の段階から丹精込めて打ち込み、細かい注文にも丁寧に応じている。
世ノ本 貢さん
切れ味を第一に、研磨の仕方で仕上げのツヤが変わってくる刃先の光沢など、見た目にも美しいな刃物作りを心がけています。自分が造った刃物が「良かった!」と言ってもらえて、「秀常」の名前を信頼して買いに来てくれるとやりがいを感じます。
販売場所 協同組合 土佐刃物流通センター
香美市土佐山田町上改田109
Tel.0887-52-0467
作業場で一心不乱斧を造る世ノ本さん。