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林業家の期待に応える技の冴
龍河洞駐車場の近く、名人と言われる父と子、二代で鉈を中心に製造する鍛造所。伝統工芸士かつ「土佐の匠」でもある父芳雄さんが「最近は、息子に怒られながらやりゆ」と人に言ってまわるほど健太郎さんの技は冴えがある。数ある工程のなかでも特に神経を配るのは、沸かし付け(鍛接)と焼き入れ。「一瞬の長さ」が切れ味を左右するため、感覚を研ぎ澄ませなければならない。納品を待つ鉈やナイフは、精巧で艶やかに輝く。注文は全国からあり、地域や土壌によって異なる形状など細かな要求に応えている。「同じ刃物は二度と作ることはできない。気に入られなければ没にする」と言い切る。妥協なき姿勢が厚き信頼につながっている。
上村 健太郎さん
今年で27年目を迎えますが、一つとして同じものはできません。だからこそ、ものづくりの面白さがあります。常に鋼の出方を意識し、見栄えも大切に、どの作業も手を抜かずこだわり抜き、良く切れる刃物を造っ ています。
連絡先 上村鍛造所
香美市土佐山田町逆川 龍河洞
TEL&FAX.0887-53-3851
鋼の火花が飛び散る工場の風景。