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伝統の鎌を一貫生産する「土佐の匠」
鍛冶屋の三代目となる三木忠治さんは 16歳からこの道一筋。60年を経ても謙虚な姿勢で邁進している。先代の鎌を手に、「これは格好がえい!刃の根元の角度が上がっているのが理想的な鎌じゃ」と話していたのが印象的だ。平成11年に「土佐の匠」に認定された確かな技術は信頼が厚く、注文が絶えることがない。現在も毎朝7時から鍛造に励む。刃の形状が滑らかで鋼の部分が均一に出ている三木さんの鎌は熟練者にしかできない優れた手作業の賜物。主に諸刃の薄鎌や中厚鎌を製作。中厚鎌は刃に少し厚みがあり、成長して茎が太くなった草でもしっかり刈れる丈夫な鎌である。物部川地区で栽培が盛んなニラの収穫に重宝するニラ鎌にも定評がある。
三木 忠治さん
うちは品質本位。ずっと鎌鍛冶専門で鍛造から荒研ぎ、焼き入れまで全部自分たちで仕上げています。鎌以外では、「キュウリヅメ」を開発しまし た。これを親指にはめて使えば片手で簡単にキュウリが収穫できます。
連絡先 三木忠治鍛工場
香美市土佐山田町須江58-6
Tel.0887-52-5823
鍛造中の三木さん。高温の火床で熱してハンマーで叩き、
みるみるうちに鎌の形にしていく。