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納得のいく鋭い切れ味を
父の後を継ぎ、二代目の鍛冶職人となった尾田孝広さん。高校3年生の時に、「土佐打刃物という家業があるなら、その道に進んだ方がいい」と教師に背中を押され、18歳で父に弟子入りした。硼砂(ホウシャ)と酸化鉄粉を接着剤に地金と鋼を合わせ、高温で熱しては打ち広げていく昔ながらの製法。父は尾田さんの背後に立ち、「火の加減は目で覚えろ」と付きっきりで技を伝授したという。品質にこだわる父の教えは厳しく、「やり直せ」と言われることも多々あった。
作り続けて35年。鉈やナイフの製造を得意とし、オリジナルの渓流釣り用ナイフは釣り人たちに人気を博している。自身もアメゴ釣りが趣味とあって、その使い勝手の良さは評価が高い。製作が追い付かないほどだが、品質に妥協はない。
尾田 孝広さん
鋼材の叩き出しから仕上げ磨きまで、すべて一人で行います。余った鋼材を無駄にしたくないとの思いから、さまざまな小型ナイフも作っています。最近は土佐打刃物の良さを分かってくださる方が増え、うれしく思っています。
連絡先・販売場所
尾田刃物製作所
香美市土佐山田町楠目1629-2
TEL.080-3166-5721
先代より使用されている良く使いこまれている道具