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土づくりを受け継ぐ窯場
父の陶芸の心を受け継ぐ六代目の陶工・福留愛子氏。父亡き後、夫の章氏とともに福留窯の火を守ってきた。父の作陶を間近で見て育ち、素朴な風合いの焼き物に愛着を注ぐ。内原野の土にこだわり、 今も自分たちで土を干し、精製して粘土を作る。愛子氏は女性の目線に立った料理が映える器を、章氏は手びねりの花器や壺などを作る。展示室には、湯飲みや皿など、まろみのあるやさしい形の器が並び、愛子氏の穏やかな人柄が浮かび上がる。淡い茶色のコーヒーカップは、コーヒーの色が引き立つよう釉薬を二度掛けしたもの。正方形の皿は「鰹のたたきがおいしそうに見えるように」と、追求するのは生活の中に溶け込む用の美。人の暮らしにそっと寄り添う。
福留 愛子さん
父が大切にしてきた、内原野の土が醸し出す素朴な風合いが大好きです。父の作品を見ながら、自分なりの作風を生み出してきました。生まれ育ったふるさと、内原野の地場産業として、地域の火を消さないようにと頑張っています。
連絡先・販売場所 福留窯
安芸市井ノ口乙3524
Tel.0887-35-4847
販売場所 安芸駅ぢばさん市場
安芸市矢ノ丸4丁目2-30
Tel.0887-35-7500
きめ細やかな泡立ちが叶うビアカップなど、
毎日の暮らしを支える器たち。