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伝統を守り、新時代を拓く
酒器や茶碗などの生活雑器を作る、内原野焼の窯場を守る仕事と、芸術作品を生む作家としての仕事。その両方を担うのが、陽和工房の西邨出氏だ。父の西邨滋氏は、内原野焼の復興・発展のために京都からやってきた3人の陶工のうちの1人。芸術性の高い作品群により、内原野は陶芸の里として認知度を高めた。現代の名工である父と土佐の匠である息子は、今も切磋琢磨し腕を競い合う。
陽和工房は内原野陶芸館を運営しており、会員制の陶芸教室を主催。焼き物体験の指導も行い、内原野焼の魅力を伝えることにも力を入れる。毎年春には安芸市とともに「手づくり登り窯フェスタ」 を開催。人々が内原野に足を運ぶ絶好の機会となっている。
西邨 出さん
自分の作品の他に、記念品やご婚礼の引き出物など、お客様とともに考えた食器を作っています。伝統は「未来を守る」という意識がないと残せません。この地のよいものを大切に、次の時代へとつないでいきたいです。
連絡先・販売場所 (株)陽和工房 内原野陶芸館
安芸市川北乙1607-1
Tel.0887-32-0308
料理の彩りを引き立て、手にしっくりとなじむ日常使いの器。
手づくりのあたたかさが伝わる。