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家族で守る「千年長持ちする紙」
仁淀川と茶畑をのぞむ見晴らしのいい店舗には、家族で漉く土佐清帳紙や加工品が並ぶ。「清帳紙」とは、江戸時代の町人が使用していた大福帳(会計帳簿)用の紙のことで、丈夫で耐久性に優れており、商家や寺院などからの注文が相次いだという。墨の食いつきがよく、色が入りやすいと、書家や画家などからの評価も高い。現在その技を唯一継承する尾崎製紙所の四代目あかりさんは、「紙について語れる場を」と平成 28 年にこの店をオープンした。これまで廃棄するか蔵で眠らせるかしかなかった傷やシミのできた紙を加工し、新たな命を吹き込んでいる。紙を見つめるまっすぐな瞳には、受け継いできた伝統への誇り、伝えたい未来への思いがあふれている。
片岡 あかりさん
和紙は飾って楽しむのではなく、どんどん使ってもらいたいですね。普通の紙より高価なイメージがあるかもしれませんが、ここに来て直にさわって良さを実感してほしい。店を通じて、モノづくりをする人を増やしたり、応援したりできたらなと思っています。
連絡先・ 販売場所 Kaji-House
仁淀川町寺村990-1
Tel.090-8283-3832
人気の納経帳やレターセットなどの他、
高知県の職人による工芸品などもあわせて販売。