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この道60年 達人の技を楽しんで
土佐和紙の歴史や工程などを学べるいの町紙の博物館。江戸時代に使われていた道具や和紙など、充実した展示ルー トの最後にあるのが紙漉き体験などができる実習室だ。昭和60年の開館時からここで働く友草さんは、現在82歳。生まれも育ちも地元いの町。嫁ぎ先が紙漉きをしていたことから、20歳の頃から紙を漉き続けている。「にぶるき体を動かしよらないかんがよ」と、毎日この場所に立ち、お客さんの前で紙を漉く。簀桁(すげた)を振る手つきも軽やかだ。腕前に惚れ込む常連客も多く、「友草さんに漉いてもらいたい」と大量注文を受けることもあるという。扇形に透かしを入れた書道用紙や障子紙。やわらかでどっしりとした風合いが漉き手の姿と重なる。
友草 喜美枝さん
ここはいろんな人が来ておもしろいですよ。いい紙ができて売れたらうれしいから、ええやめん(やめられない)(笑)。使ってもらってる人には「いつ もありがとう」の気持ちでいっぱい。まだの人も、色々漉いてるから、ぜひ遊びに来てほしいですね。
連絡先・販売場所 いの町紙の博物館
吾川郡いの町幸町110-1
Tel.088-893-0886
実習室で友草さんや職員が漉いた紙を展示販売。
色紙用の紙など一度に数十枚購入する人も。