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自然に寄り添う伝統工芸を後世に
25歳の時、伝統的な手仕事をしたいという思いから、脱サラしてUターン。修行を積み、平成8年に独立した。師から学んだ文化財修復のための和紙に心惹かれ、化学薬品を使わない、昔ながらの手間ひまかかる和紙を作り続けている。原料の楮を蒸して皮を剥ぎ、干すところから手がけ、 漉くのは気温の低い秋から春先にかけて。細かなチリを手作業でとことん取り除き、漉き上げた紙は木目のないイチョウの板に貼ってゆっくり乾かす。そんな昔ながらの製法で漉いた紙は、カビや傷みがなく千年もつという。
美術工芸用の紙や美術写真用の紙も手がけており、作家たちの心は田村さんの紙とともに後世に続いていく。
田村 亮二さん
劣化しにくい、保存性が高い紙を作るためには、原料処理が最も大切で、時間もかかります。日本独特の良いもの、優れた技術に目を向けて、 誰かが受け継いでくれることを願っています。学びたいという人がいれば、いつでも歓迎です。
連絡先 高知県手すき和紙協同組合
吾川郡いの町波川287-4
Tel.088-892-4170
販売場所 いの町紙の博物館
吾川郡いの町幸町110-1
Tel.088-893-0886
ランチョンマットとしても人気がある、かす紙。