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心を癒す柔らかな染とアート作品
紙漉きに使われる「槽」や乾燥台など歴史を感じる作業場。平成2年の映画『鉄拳』のロケ地にも提供された。100年以上続く製紙業の家系を継いだ田村さんは現在71 歳。手漉き和紙の職人歴は50 年以上。図引紙に始まり、時代に対応する新しい和紙作りを研究してきた。早くから染色の技法も熱心に学んでおり、和紙ちぎり絵など美術作品に使われる紙の染色も行う。還暦を過ぎてからは染色を中心に、20 代から創っているご自身のアート作品にも改めて取り組んでいるという。「歳とともに色合いが落ち着いてきた。グリーンやブルー、ピンク系の淡い色が好きやね」。美しく繊細な色合いのグラデーショ ン、ほんのりと温かみを醸し出す作品に心が癒される。
田村 晴彦さん
今は和紙の需要や職人も減っていますが、伝統を守っていかなければという気持ちでやっています。土佐和紙は葉書や便箋などにもなっているので、実際に手で触れて風合いを確かめてみるのもいいと思いますし、アート作品なども観賞していただければと思います。
連絡先 田村和紙工房
吾川郡いの町公園町23
Tel.088-892-0460
第42回秋耕展ハート・アンド・アート賞受賞作品「春光への奏で」
※写真は、作品をクローズアップしています。