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分離課税
事業所得,給与所得などは総合し,税率を適用して税額を計算する総合課税の方法により課税されます。
次の所得は,他の所得と区分し,それぞれ特別の税率を適用して税額を計算する分離課税の方法により課税されます。
退職所得に対する市民税・県民税の特別徴収について
退職金にかかる市県民税は,所得税と同様に他の所得と区別して,支払われる際に支払者が特別徴収することになっています。また,納入先は,退職した人の退職した年の1月1日現在の住所地の市町村に,徴収日の翌月10日までに納めることになっています。
ただし,死亡退職の場合は相続税の対象になりますので,所得税と同様に徴収する必要はありません。
令和3年度の税制改正により,令和4年1月1日以降に支払いを受ける退職手当について,勤続年数が5年以下の役員等(※)以外の方は,退職手当等の支払金額から退職所得控除額を控除した残額のうち,300万円を超える部分については,2で割らず全額を課税対象とするこことされました。
※「役員等」とは,次に揚げる者をいいます。
1 法人税法第2条第15号に規定する役員
2 国会議員及び地方議会議員
3 国家公務員及び地方公務員
この税制改正に関する事項や,同一年中に2以上の退職手当等の支払いを受ける場合の計算については,「退職所得に対する住民税の特別徴収の手引」に詳しく説明してあります。郵送を希望される場合は,市民税課特別徴収担当までお電話ください。
退職所得に係る市県民税の計算方法
- 退職所得の金額×6%=退職所得に係る市民税額(百円未満切捨て)
- 退職所得の金額×4%=退職所得に係る県民税額(百円未満切捨て)
退職所得の計算方法(千円未満切捨て)
勤続年数が5年以下の役員等に支払われる退職所得手当等
支払金額-退職所得控除額=退職所得の金額
勤続年数が5年以下の役員等以外の人に支払われる退職所得手当等
・支払金額から退職所得控除額を控除した残額が300万円以下の場合
(支払金額-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額
・支払金額から退職所得控除額を控除した残額が300万円を超える場合
150万円+(支払金額-(300万円+退職所得控除額))=退職所得の金額
上記以外の人に支払われる退職所得手当等
(支払金額-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額
平成19年1月1日から平成24年12月31日に支払いを受ける退職所得に係る市県民税の計算方法
(支払金額-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額(千円未満切捨て)
- 退職所得の金額×6%×0.9=退職所得に係る市民税額(百円未満切捨て)
- 退職所得の金額×4%×0.9=退職所得に係る県民税額(百円未満切捨て)
※なお,0.9をかけるのは「当分の間は,求められた税額からその10分の1に相当する金額を控除した金額を特別徴収税額とする。(地方税法附則第7条第4項)」とされているためです。(平成25年1月1日以後に支払われるべき退職所得等からこの控除は廃止されました。)
退職所得控除額
勤続年数 |
退職所得控除額 |
---|---|
2年以下 |
80万円 |
20年以下のとき |
40万円×勤続年数 |
20年を超えるとき |
70万円×(勤続年数-20年)+800万円 |
※障害者になったことにより退職した場合,100万円を加算します。
所得の種類と計算方法へ
土地,建物等の譲渡所得に対する分離課税
土地,建物等を譲渡した場合の所得については,他の所得と区分し,譲渡所得だけに特別の税率を適用して税額を計算します。
分離長期譲渡所得と分離短期譲渡所得
譲渡した資産の保有期間(譲渡した年の1月1日における所有期間)が5年を超える場合は,分離長期譲渡所得となり,5年以下の場合は,分離短期譲渡所得となります。
- 短期譲渡所得の収入金額-(譲渡した資産の取得費用+譲渡経費)-特別控除額=短期譲渡所得金額
- 長期譲渡所得の収入金額-(譲渡した資産の取得費用+譲渡経費)-特別控除額=長期譲渡所得金額
税率
区分 |
所得税 |
市民税 |
県民税 |
合計 |
---|---|---|---|---|
一般の長期譲渡所得 |
15% |
3% |
2% |
20% |
優良住宅地等に係る長期譲渡所得(特定分)の内 |
||||
課税長期譲渡所得が2000万円以下の部分 |
10% |
2.4% |
1.6% |
14% |
課税長期譲渡所得が2000万円を超える部分 |
15% |
3% |
2% |
20% |
居住用財産の長期譲渡所得(軽課分)の内 |
||||
課税長期譲渡所得が6000万円以下の部分 |
10% |
2.4% |
1.6% |
14% |
課税長期譲渡所得が6000万円を超える部分 |
15% |
3% |
2% |
20% |
一般の短期譲渡所得 |
30% |
5.4% |
3.6% |
39% |
(注)平成19年度から,上記の率に変更されました。
特別控除額の主なもの
- 一般の譲渡
0円 - 収用などによる資産の譲渡
5000万円 - 自己の居住用財産の譲渡
3000万円 - 特定土地区画整理事業等での譲渡
2000万円 - 特定住宅地造成事業等での譲渡
1500万円 - 農地保有合理化等のための農地等の譲渡
800万円
※詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。
株式等譲渡所得に対する分離課税
株式等を譲渡した場合の所得については,他の所得と区分し,株式等の譲渡所得だけに特別の税率を適用して税額を計算します。
収入金額-(取得費+譲渡費用+借入金利子等)=株式等譲渡所得金額
上場株式等の譲渡所得の税額計算
上場株式等譲渡所得金額×税率(市民税3%,県民税2%)=所得割額
(注)平成27年度から,上記の率に変更されました。
特定口座で源泉徴収口座を選択している場合
株式等譲渡所得については,証券会社により株式等譲渡所得割(住民税5%)が特別徴収されますので,原則申告不要です。
ただし,申告した場合は市民税3%,県民税2%で分離課税され,所得割額から株式等譲渡所得割額を差し引くことになります。
特定口座で源泉徴収口座を選択していない場合
申告(確定申告)が必要です。
一般株式等(未上場株式等)の譲渡所得の税額計算
一般株式等(未上場株式等)譲渡所得金額×税率(市民税3%,県民税2%)=所得割額
申告(確定申告)が必要です。
上場株式に係る配当所得等に対する分離課税
収入金額-(株式などの元本の取得に要した負債の利子)=配当所得
上場株式等に係る配当所得等の税額計算
上場株式等に係る配当所得等×税率(市民税3%,県民税2%)=所得割額
(注)平成27年度から,上記の率に変更されました。
先物取引などに係る雑所得等に対する分離課税
先物取引による総収入金額-(取得費等の経費)=先物取引などに係る雑所得等
先物取引などに係る雑所得等の税額計算
先物取引などに係る雑所得等×税率(市民税3%,県民税2%)=所得割額