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「アユの産卵場・流下仔魚調査」結果
No.126 「アユの産卵場・流下仔魚調査」結果
ほぼ週刊鏡川 2015年3月2日
【婚姻色となったアユ】
平成26年11月に実施した鏡川清流保全環境調査(アユの産卵場・流下仔魚調査)結果ができましたので報告します。
産卵場は,「新月橋上流」・「トリム堰下流」・「紅葉橋上流」・「鏡川堰直下」の4地点で確認されました。
産卵場総面積については,下記のとおりです。
【産卵場総面積】
平成26年度 ・・・ 4,397平方メートル (うちトリム堰下流 2,256平方メートル)
平成21年度 ・・・ 2,732平方メートル (うちトリム堰下流 296平方メートル)
※近年で最大の産卵場総面積となっていた。
トリム堰下流には,10月31日に鏡川漁業協同組合が産卵場造成作業を行ったことにより,大きな産卵場が形成され
ました。また,産卵場総面積も,近年の調査では最大の面積となっています。
【最大の産卵場となったトリム堰下流】 【アユの卵】
また,仔アユの流下調査では,鏡川漁業協同組合が区域内の漁法の制限等による「親アユの保護」を実施したこと
により,多くの親アユが産卵し,例年以上の仔アユの流下数が報告されました。
アユの卵は,だいたい夕方から夜間(17時~20時)にふ化し,すぐ下流の海に向かって,流下をし始めることから,
各地点で21時30分に採集密度がピークとなっています。各地点の採集密度と日流下総数は,次のとおりです。
【採集密度】
トリム堰 ・・・ 0.36尾/立方m ※ 紅葉橋上流でふ化した仔アユが流下したもの
新月橋 ・・・ 339.46尾/立方m ※ トリム堰下流でふ化した仔アユが流下したもの
【日流下総数】
廓中堰 ・・・ 37万尾
トリム堰 ・・・ 2万尾
※ トリム堰の日流下総数は,上流側にある廓中堰が全倒しているか,全閉しているかで大きく変動する。
平成26年度については,廓中堰が全閉していたため,日流下総数が少なかった。
新月橋 ・・・ 1105万尾
※ 新月橋の日流下総数は,他の地点より桁違いに多く,これは本年度最大の産卵場面積となったトリム堰下流
でふ化した仔アユが,汽水域である新月橋下流に無事到着できたことを示している。
【仔アユ ※平均体長 6.3mm~6月9日mm】
今回の結果により,今春のアユの遡上は期待ができそうですね。とりあえず一安心です!
詳しい調査結果につきましては,下記をご参照ください。