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春野・ホタル館をたずねて
No.185 春野・ホタル館をたずねて
ほぼ週刊鏡川 2018.3.6
ホタルの名前の由来をご存知ですか。
諸説ありますが,夜空の流れ星と舞い降りるホタルの光を重ね合わせて
「星垂れる」⇒「ホタレ」⇒「ホタル」と言うようになった説が説得力あるように感じます。
ホタルの寿命は約1年です。
そして成虫になって過ごす時間は,長くて2週間。
子孫繁栄のために精一杯舞うホタルに,人は魅了され,儚さを感じるものです。
先日,ホタルに魅せられて,ホタルの保護活動に力を注いでいる平尾守満先生の,ご自宅敷地内にある手作りのホタル館にお邪魔しました。
その名は「春野・ホタル館」。
まずお庭に入ると立派な水車(ビオトープ※)があります。
※ビオトープとは動物や植物が恒常的に生活できるようにつくられた小規模な生息空間のこと
「ホタルをお庭で飛ばしたい」と,立派なビオトープを作ったのがきっかけに
こんなに手作り感あふれる素敵な学習館もつくってしまったほど,ホタルを愛して止まない平尾先生。
そもそも先生は,北九州生まれの東京育ち。
25才の頃,東京で小学校の用務員をしていたことから,東京でもホタルを飛ばしたいと考え,学校内にビオトープづくりを始めたそうです。
最初はカワニナ(ホタルの幼虫のえさとなる巻き貝)を育てることにも3年かかったと言います。
そしてついには,東京ホタル会議(H6.4.29)を発起。
←そのときの貴重な資料
あれから50年あまり。
現在は,高知市春野町に拠点をかまえ,小学校での環境学習会や,親子ホタル教室の講師をする傍ら,
高知県ホタルネットワークの事務局長として,ホタルの保護活動にご尽力されています。
←先生手作りの高知県ホタルマップ
ホタルの魅力を一言で言えば「ロマン」だと先生は言います。
↑ホタルの話になると自然に満面の笑みを浮かべる先生
「僕はいつも『子どもたちに希望が持てる世の中であってほしい,
年寄りには安心して生活できる社会であってほしい,
そして地球は永遠に存在してほしい。』
という思いが強くあるんだよね」
「ホタルは環境の変化に弱い生きものだから,
ホタルが棲み続けるということは,地球も他の生きものも生き続けるということ。
だからホタルを守っていきたいんだ」
「真っ暗い夜に,ホタルが光を放ちながら乱舞している姿を見ると,地球をひとりじめしている気分にならない?
『ホタルの光は,地球を守る希望の光』
これからもホタルを子ども達に見せてあげたいと思うし,伝えていきたいと思うんだよ!」
小さな生きもの(ホタル)の存在が地球の存命にかかっている!
地球の存命が自分たちの生活の中における賢い選択(=cool choice)にかかっている!
結局のところ,自分の日常生活の中で地球は守っていけるのです。
ゲンジボタル ヒメボタル
先生が最後におっしゃった
地球にやさしい誰でもできる3つの暮らし方
(1)節水
(2)節電
(3)ゴミをださない(地球をよごさない)
最初は少しの気づきから。
そして少しだけ行動にうつしていきたいですね。
『今日のあなたのcool choiceは何ですか?』
※ホタルについてもっと知りたい方は,ホタルの学校に入学しませんか?
春野の夜空をホタルの光でいっぱいにする「ホタルの里づくり」。
ホタルの学校申込方法,申し込み先は,春野・ホタル館チラシをご覧ください。
春野・ホタル館チラシ [PDFファイル/ 3.23MB]