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遡上アユを見るため朝倉堰に潜りました!
No.41 遡上アユを見るため朝倉堰に潜りました!
ほぼ週刊鏡川 2011年6月16日
アユの遡上状況を確認するために,朝倉堰で潜水観察を行いました。
鏡川下流域には,下流側からトリム公園前の床止,廓中堰,鏡川堰,江ノ口鴨田堰,朝倉堰の5つの堰があり,遡上するアユにとって,この朝倉堰が最後の難所となっています。
堰の上ではアオサギが遡上するアユを狙っていました。そこにアユがいる証拠です。ウェットスーツに身を包み,いざ潜水!
おおの。ひやいちや。(土佐弁で「おお。寒いーっ。」の意。このくだりNo.16でも使用。)
早速,堰の直下に遡上アユ発見です!流れの速いところを中心に,100尾ほどのアユが流れに負けずにスイスイ泳いでいました。
朝倉堰の下流でもアユの放流が行われているため,すべてが天然アユとは言い切れませんが,下の写真のアユは小ぶり(体長が10cm未満)で,やや細身の体つきから見て,おそらく天然アユと思われます。海から出発して朝倉堰にたどり着くまでに,いくつも堰を越えなければならず,相当苦労があったものと思われます。よくぞここまでがんばりました!
遡上・流下する生物のために,朝倉堰には下の写真のような『魚道』が設置されています。しかし,この日の観察では,魚道の中を遡上するアユは数尾しか確認できませんでした。流速や落差などがアユに好適条件ではないのかもしれません。
一方,流速が遅い部分においては,きれいな水にだけ生息するボウズハゼの群れを見つけました。やはりボウズハゼもアユと同様に,主に川で生活していますが,川で生まれた仔魚が一旦海に下り,再び川に遡上する『両側(りょうそく)回遊魚』で,川の連続性が保たれていないと生息できない魚類です。高知県レッドデータブックの準絶滅危惧種に指定されていて,鏡川では非常に少なくなっています。
また,流れが淀んだ水の温かい場所には大きなコイがゆったり泳いでいました。コイは好奇心旺盛で,私が近づいても逃げるどころかカメラ目線で向かってきました。そこをパシャリ!男前です(雌雄は定かではありませんが・・・)。
アユにとって,この最後の堰を越えれば,中流域特有の瀬淵が連続する川になります(鏡ダムまでですが・・・)。夏の間に大きく成長し,秋には多くのアユが産卵場まで戻ってきて欲しいものです。