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アユの産卵観察(動画あり)
No.8 アユの産卵観察(動画あり)
ほぼ週刊鏡川 2009年12月8日
紅葉橋の下流,トリム公園前で,2009年10月18日に実施した「まるごと体験!鏡川!」のイベントの中で,親子の参加者の力を合わせてアユの産卵場整備を行いました。(イベント当日の様子はこちら)
その整備した地点に,多くのアユが産卵しています。寒いけどウエットスーツを着て潜ってみました。
夕方から産卵が始まります。産卵場には多くのオスアユが集合してきて,産卵の時を待つようにゆったりと泳いでいます。
太陽が沈みだし,辺りが薄暗くなる頃,産卵が本格化します。先ほどまでのゆったりした泳ぎから変わり,活発に泳ぎ始めます。
メスの周辺に数尾のオスが寄り添い,メスが川底の砂利に産卵すると,すかさずオスが放精します。産卵の瞬間を動画で撮影しました。リンク⇒高知市動画チャンネル
産卵中は,アユはほとんど警戒心を無くし,かなり近づいても逃げることはありません。手を伸ばせば届く場所で多くのアユが泳いでいます。私にぶつかってくるアユもいます。この街中の流れの中で,懸命に子孫を残そうとする姿に感動しました!!!
これがアユの卵です。直径1mmほどです。このような小さな砂利に潜りこむようにして産卵します。
産卵を終えたアユは,力尽き,1年という短い一生を終えます。
今回の産卵場整備は大成功!やはり整備して川底の状態が良い箇所にはアユが多く,どこで産卵するのが良いのかちゃんとアユにもわかるようです。一時期は少雨のため,せっかく整備した産卵場も干上がる寸前となり心配しましたが,現在は水量も回復し,整備箇所は良い状態を保っています。
自然の状態で産卵できる環境が多くあればいいのですが,現状では産卵場整備を行わないと良好な産卵場ができる場所は多くありません。それは人間の快適な生活のために,川を山を自然の状態から改修したことが大きな要因です。人間の生活のために他の生物に大きな打撃を与えているのだから,他の生物に最大限配慮し,産卵場整備など,人の手でなんとかできる部分は手を足していくことが人の責務であると思います。
人間の食べ物は,ほとんど全てが他の生物です。他の生物が住めない環境ではやがて人間も滅んでしまうでしょう。そうならないためにも,できることから始めましょう!