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第475回高知市議会臨時会市長説明要旨(令和2年5月21日)
第475回高知市議会臨時会市長説明要旨
令和2年5月21日
第475回高知市議会臨時会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。
議案の説明に先立ち,当面する新型コロナウイルス感染症対策に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご協力とご理解を賜りたいと存じます。
1 県市における新型コロナウイルス感染症の発生状況
まず最初に,今般の新型コロナウイルスの感染によりまして,県内でお亡くなりになられました3名の方々に心よりお悔やみを申し上げ,ご冥福をお祈りいたします。
また,新型コロナウイルス感染症に罹患されました患者の皆様に,心よりお見舞いを申し上げます。
高知市における新型コロナウイルス感染症の発生状況は,昨日20日時点の累計数で患者数が44人となり,その内,感染経路が確認できた方は25人で全体の約57パーセントを占め,感染経路が不明な方が19人で,約43パーセントとなっています。
国の緊急事態宣言に基づく「特定警戒都道府県」として指定された地域の多くでは,感染経路不明の割合が全体の半数を超えている状況をみますと,本市では,感染経路について一定数の特定ができているものと判断しています。
県内の感染者の発生動向を見ますと,2月29日の第1例目の発生後,3月8日に第12例目が発生して以降は感染者が発生しない状況が続いていましたが,3月下旬の3連休後の3月27日から,再び高知市で感染者が確認されるようになり,4月9日には県内で10名,うち本市で8名の感染が確認されるなど,患者数が急増いたしました。
その要因として,3月の3連休中の間に多くの人々の移動による影響があったものと考え,市民の皆様には,4月下旬から5月上旬にかけての大型連休中の不要不急の外出自粛を強く要請するとともに,事業者の皆様にも,営業店舗の休業や営業時間の短縮等を要請し,ご協力を賜りましたことから,本市では4月30日以降,3週間近く新たな感染者が発生しておらず,市民の皆様や市議会のご理解とご協力に心から感謝を申し上げます。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のためには,「密閉」,「密集」,「密接」の「三つの密」を避けることにより,クラスターの発生を未然に封じ込めることが非常に重要です。
県と高知市では,濃厚接触者の把握を迅速に行い,ご本人の希望があれば症状がなくてもPCR検査を実施するとともに,軽微な接触者でも症状が出現すればPCR検査を行うなど,早期の感染者発見に努め,感染拡大を最小限にとどめてまいりました。
市民の皆様におかれましては,国が示した感染拡大予防のための「新しい生活様式」を参考にしながら,日常生活の場や職場等において,「三密」を避けることなど,ソーシャルディスタンスの確保やマスクの着用,手洗い,消毒などの感染予防対策の徹底をお願いいたします。
今後とも,県市連携の下,限りある医療提供体制の確保を図り,一日も早い安心な市民生活の回復に向けて,全庁を挙げて取り組んでまいります。
2 新型コロナウイルス感染症に係る高知市対処方針
次に,「新型コロナウイルス感染症に係る高知市対処方針」について順次申し上げます。
全国的な新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ,本年3月13日に新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部が改正され,4月7日には,同法に基づき埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,大阪府,兵庫県及び福岡県の7都府県に対して,最初の緊急事態宣言が発令されました。
本市では,3月下旬から4月上旬にかけて,新型コロナウイルスに感染した患者数が急増し,4月16日からは全都道府県が緊急事態措置の対象となったため,翌17日に,「新型コロナウイルス感染症に係る高知市対処方針(ver.1)」を作成いたしました。
この対処方針における「市民の感染拡大防止対策」,「市民生活の支援」,「中小企業等の事業継続に向けた支援」,「子どもの活動及び家庭学習の支援」,「市役所の感染対策・業務継続対策」の5つを柱とする基本方針に基づき,市民の皆様への感染拡大防止対策について周知徹底するとともに,感染拡大防止対策に伴う市民生活の影響への支援を推進してまいりました。
今月14日には,全都道府県に発出されていた緊急事態宣言が高知県をはじめとする39県で解除され,国の専門家会議がまとめた「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」では,地域ごとの感染状況に応じて想定される対応を整理した方針が公表されました。
この地域区分では,東京都をはじめとする8都道府県が「特定警戒区域」とされ,それ以外については「感染拡大注意」と「感染観察」に分類され,高知県をはじめとする39県の「感染観察」の地域では,引き続き,感染状況をモニタリングするとともに,「新しい生活様式」を徹底し,感染拡大を防ぐことが重要であるとされています。
併せて,社会経済活動の段階的な再開と感染拡大防止の両立を図るため,引き続き感染リスクの高い「三つの密」を避けるとともに,市民生活におけるソーシャルディスタンスの確保,マスクの着用,手洗いなどの基本的な感染防止対策を実施し,それぞれの事業活動においては,業種ごとの感染拡大予防に関するガイドラインに基づく行動を実施していくことが示されました。
この国の方針を踏まえ,高知県では今月15日,不要不急の他県との往来については5月末までの自粛を求める一方で,適切な感染防止策の実施を条件に,繁華街の接待を伴う飲食店やカラオケボックス,ライブハウスへの出入りの自粛要請については緩和することとされました。
本市では,国や県の感染状況等に応じた方針の見直しを踏まえ,対処方針の改定を重ね,今月18日には「新型コロナウイルス感染症に係る高知市対処方針(ver.5)」を策定しております。
今後も国や県の動向を注視しながら,市域における感染状況等を踏まえ,本市の対処方針を適宜見直し,市民の皆様の暮らしや中小企業等の事業継続に向けた支援等を充実させるため,全庁一丸となって取り組んでまいります。
3 市立学校における対応状況
次に,高知市立学校における対応状況について申し上げます。
高知市立学校では,今春の入学式を実施し,休校までの準備期間を経たのち今月24日までを臨時休業としており,休校期間中の小学校・義務教育学校については,共働き家庭など,留守家庭の児童のうち,特に低学年など一人で留守番をすることが困難な子どもさんがいる場合には,学校における「児童の居場所」を確保するとともに,小・中・義務教育学校の児童生徒に対する「希望者への給食」の提供や,特別な支援を要する児童生徒については,学校で受け入れるなど,必要な支援をきめ細かく実施しております。
4月30日以降,新たな感染者が発生していないことから,感染予防に最大限配慮した上で,段階的な教育活動の再開に向けた環境づくりを図ることとし,小・中・義務教育学校においては,5月7日・8日を登校日として,「児童の居場所」と「希望者への給食」を提供し,11日以降についても希望者に対する既習事項の復習や,休業中の課題についての学習,体調管理のための運動などの補習学習等を行っています。
今回の休業の期間中,各学校と教育委員会とが連携を密にして,家庭学習を円滑に進めるための学習課題を提供するとともに,県市の教育委員会で作成した児童生徒向けの学習動画を掲載したウェブサイトや,文部科学省が公開する「子供の学び応援サイト」へのリンクを高知市学校教育課のホームページに掲載するなど,家庭学習の充実に向けた支援を行っています。
また,学校独自の取組として,動画共有サイトである「YouTube」などを活用した授業動画の配信を行っている学校もあり,高知商業高等学校においては,ICT関連ソフトを活用し,全校での遠隔授業に取り組んでいます。
高知市立学校の児童生徒は,これまでに例のない長期の休校を経験し,生活リズムが乱れた子どもさんもおられますので,来週の25日からの学校再開に向け,段階的に学校に慣れてもらえるよう,補習学習等をはじめとする必要な対応を講じてまいります。
4 保育所等における対応状況
次に,保育所等における対応状況について申し上げます。
それぞれの保育所等では,保育を必要とする児童へのサービスを提供する一方で,児童等の感染を予防し,健康と安全を確保するため,4月20日からは原則休園とし,可能な世帯に対しては家庭保育の協力を要請してまいりました。
今月14日に国の基本的対処方針が変更され,段階的に社会経済活動の再開に向けた方針が示されましたので,市立学校を臨時休業とする今月24日までの期間については,感染防止対策を講じた上で保育を実施いたしますが,子どもさんの健康と安全を確保するため,家庭での保育が可能な場合は,できる範囲内での家庭保育の協力をお願いしております。
家庭での保育・見守りにご協力いただいた期間や,休園期間中の保育料につきましては,日割計算による還付を行い,保護者の皆様の負担軽減を図ります。
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として,民営保育所等で必要となるマスクや消毒用エタノール等の衛生用品については,市が一括購入して各施設に配布してまいりましたが,現状でも衛生用品の調達が困難な状況が続いていますので,マスクや消毒用エタノール等の感染防止用品の購入や調達支援などの取組をさらに進め,新型コロナウイルス対策に万全を期してまいります。
5 特別定額給付金
次に,特別定額給付金について申し上げます。
特別定額給付金は,4月27日時点の住民基本台帳に記載されている全市民の皆様を対象に,お一人につき一律10万円を世帯主の方の銀行口座に世帯全員分の給付金として振り込むこととしております。
また,DVを理由に避難している方及びその同伴者については,4月27日の基準日において配偶者と同一世帯であっても,避難先の市町村に申し出を行った場合には,住民票のある市町村ではなく,避難先の市町村から給付されることとなります。
特別定額給付金の申請手続については,本人確認を的確に行い,感染拡大防止対策に留意する観点から,
(1) あらかじめ世帯員の情報を印刷した申請書を世帯主あてに送付し,郵送で申請する方式
(2) マイナンバーカードを活用した受付システムを通じて,オンラインで申請する方式
が基本となっています。
それぞれのご家庭に申請書をお送りする時期が来月12日頃になるため,特に生活に困窮されている市民の皆様への給付を急ぐため,5月1日付けで330億円の補正予算を市長専決処分させていただき,同日から本市ホームページにおきまして申請書をダウンロードできるようにいたしました。
併せて,総務部内に特別定額給付金室を設置するとともに,本庁舎正面玄関や各地域の窓口センター等に申請書を置くなど,給付に向けた体制強化を図ってきたところです。
昨日20日時点での申請件数は,窓口・郵送等による申請を合わせて27,004件を受け付けている状況ですので,体制を強化して審査チェックやデータ入力,確認作業を急ピッチで行ってまいりました。
その結果,当初の振り込み予定を1週間程度前倒しして,申請いただいた文書や添付書類に不備がないもののうち,5月1日からの受付開始当初に申請いただいたものについては,明日22日に,初回分として約5千件,総額で約9億9,000万円を市民の皆様の口座へ振り込むこととなりました。
現在,口座振り込みに向けて,最終の銀行への振り込みデータの送信手続を進めるとともに,並行して給付決定通知書の印刷封入封緘を手作業で行っております。
引き続き,申請いただいている方へできるだけ早く給付金を支給できるように,不備書類の確認などのチェック作業とデータ入力等を精力的に進めてまいります。
なお,5月中旬以降に申請された方については,できるだけ早い時期の給付を目指して審査しておりますが,2万7千件を超える大変多くの申請をいただいており,現在のところ特別定額給付金室へ申請書が到着した日から支払いまでには,3週間から4週間を要する見込みですので,ご理解賜りますようにお願いいたします。
6 国政・経済の動向
次に,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。
4月23日に発表された国の月例経済報告では,「景気は,新型コロナウイルス感染症の影響により,急速に悪化しており,極めて厳しい状況にある」とされ,2009年5月以来ほぼ11年ぶりに「悪化」の表現が用いられ,今後の先行きについても「感染症の影響による極めて厳しい状況が続く」と見込まれています。
こうした経済状況の下,4月30日,第201回通常国会において令和2年度第1次補正予算が成立しました。
国の第1次補正予算では,特別定額給付金に係る予算や,「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」などの予算が成立し,この臨時交付金の本市への第1次配分額として,約10億3,900万円の交付限度額が示されています。
この交付金については,本日提案しております高知県休業等要請協力金負担金や,本市独自の事業者支援給付金などに,全額を充当しております。
政府では,新たに,中小事業者等への家賃補助や雇用調整助成金の大幅な増額,地方への臨時交付金の積増しなどを柱とする追加の経済支援策を盛り込んだ第2次補正予算について,6月17日までの今通常国会の会期末までに成立させる動きが加速化していますので,直近の国の動向を注視し,的確かつ速やかに本市の補正予算に反映してまいります。
7 補正予算・予算外議案
以下,議案についてご説明を申し上げます。
今回の臨時議会に提出しました議案は,予算議案3件,条例議案6件,その他議案3件です。
まず,今回の補正予算は,一般会計において前段申し上げました「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」などの国庫補助金を活用し,感染症拡大の防止や,市民の皆様の暮らしを下支えするとともに,雇用の維持や事業の継続を支援する経費を中心に予算計上しています。
最初に,「市民の感染拡大防止対策」として,本年2月4日から県市合同で設置した新型コロナウイルス健康相談センターの運営に要する経費,学校や保育所,高齢者や障害者などの福祉施設等において入手困難となっているマスクや消毒液等の購入に要する経費などを計上しています。
次に,「市民生活の支援」として,新型コロナウイルス感染症の影響により,生活に困窮する方々に対し,家賃を補助する住居確保給付金を増額補正いたしました。
この住居確保給付金の申請窓口となる高知市社会福祉協議会には,緊急小口資金や総合支援資金等に関する申請も含め,連日生活に困窮された多くの方々が窓口に来所されています。
新型コロナウイルス感染の影響が拡大しているなかで,従前は離職又は廃業に至った方々に対する限定的な助成制度であったものを,離職や廃業までには至っていないけれども,住居を失うおそれが生じている方々に対して,住居確保給付金が支給できるよう要件が緩和されたことから,申請件数の増加見込による必要経費を補正するとともに,高知市社会福祉協議会での申請受付や相談対応に係る人員体制強化に関する経費を増額するものです。
次に,子育て世帯の生活を支援するため,児童手当を受給している世帯に対して,子どもさん1人当たり1万円を支給する子育て世帯臨時特別給付金について,支給に向けた準備作業を進めています。
この特別給付金は,現金1万円を1度限り給付するものでありますが,現在,国において検討している第2次補正予算の追加支援策のなかで,ひとり親家庭に対する児童扶養手当の増額について検討がされていますので,今後の国の動向を注視し,本市におけるひとり親家庭のさらなる支援につなげてまいります。
次に,「中小企業等の事業継続に向けた支援」としては,まず,高知県が緊急事態措置に応じて行った休業や,営業時間短縮の要請にご協力いただいた事業者の皆様に対し,協力金を支給する高知県休業等要請協力金負担金の予算を計上しています。
高知県では,4月24日から5月6日までの13日間,「接待を伴う飲食店」,「カラオケボックス」,「ライブハウス」などの飛沫感染のおそれがある施設について休業の要請を行うとともに,居酒屋等の飲食店に対しましては,夜間の営業を午後8時までとすることなどの営業時間短縮の要請を行いました。
高知県における今回の休業等の要請にご協力いただいた各事業者の皆様に対しまして,協力金30万円を支給することとし,高知県から20万円を,高知市から10万円を支給することとなりましたので,本市における約2,300件の支給にかかる2億3,000万円を計上しております。
この協力金の申請方法等につきましては,高知県がホームページ等により周知を図るとともに,コールセンターも設置されていますので,関係する事業者の皆様にご活用いただきたいと考えております。
次に,本市独自の事業者の皆様への経済支援策として,国において実施している持続化給付金の対象とならない中小法人等や個人事業者等について,全業種を対象とした市独自の事業者支援給付金給付事業にかかる予算を計上いたしました。
国における持続化給付金では,売上が対前年比較で50パーセント以上減少していることが条件ですが,本市の制度では,売上が対前年比較で20パーセント以上50パーセント未満まで落ち込んだ全業種の中小法人等や個人事業者等を支援することとし,国制度の適用から除かれる事業者の皆様に対する支援策としています。
現在,市独自の給付金の詳細について制度設計中ですが,給付金額の算定に当たりましては,国の持続化給付金の考え方を基本にしながら,原則として,売上を前年同月と比較し,前年との事業収入の差額を給付することとし,給付限度額については,中小法人等については上限20万円を,個人事業者等については上限10万円をそれぞれ給付することとしており,今回の補正予算では約5,000事業者に対する給付金として,7億8,000万円程度を予算計上しています。
当該補正予算のご承認を賜りましたら,速やかに庁内体制を整え,日々の資金繰りに大変苦慮されておられる事業者の皆様に,できるだけ早く現金をお届けできるよう,スピード感を持った取組を進めてまいります。
国における持続化給付金については,インターネットによる電子申請が必要なため,申請手続が難しく,事務に係る負担が事業者の皆様にとって障壁になっているという多くのご意見もお聴きしていますので,市独自の給付金の制度実施に向けて,申請事務を円滑に行えるようできるだけ簡素な仕組みとしてまいります。
本市独自の事業者支援給付金と高知県休業等要請協力金については,制度の目的が異なるため,それぞれの要件を満たせば併給することも可能となります。
次に,出店にご協力いただいている日曜市出店者の皆様には,感染予防のために本年3月以降,日曜市への出店の自粛をお願いしたことに加え,市の開催を4回取り止めたことなどに対しまして,ご協力いただきました出店者の方々に,1出店者につき3万円の協力金を支給するため,補正予算を計上いたしました。
また,本市を代表する花きであるグロリオサやユリ類などの需要の低迷や減収など,厳しい状況にある花き生産者の皆様を支援するため,公共施設のロビーや待合室などに花きを展示し,SNS等で情報発信を行うなど,需要喚起の予算を計上しております。
また,卸売市場に入居されている事業者の皆様への支援として,現在ご負担いただいております使用料等の減免に向けた検討を進め,考え方や方向性について,本年6月定例会において議会の皆様にお示ししたいと考えています。
次に,「子どもの活動及び家庭学習の支援」として,児童生徒1人1台の端末を当初計画より,さらに前倒しして整備するため,「GIGAスクール構想」の推進に関する経費を計上しております。
「GIGAスクール構想」については,国における昨年12月の閣議決定を受け,本市においても令和5年度までの整備完了を目指し,令和元年度3月補正予算で,7,360台分の端末を整備する経費を予算計上しています。
今般の国のさらなる補正予算を活用し,当初は令和5年度までとしていた整備計画を1年前倒しして,令和4年度までの整備を目指し,今議会において,中学校2年生・3年生及び小学校3年生・4年生用として,6,911台分の端末を整備する予算を計上いたしました。
特別会計では,国民健康保険事業において,新型コロナウイルスへの感染等の理由により,仕事ができなくなった被用者の方に対して傷病手当金を支給する予算として5,000万円を計上しております。
国民健康保険には,様々な就業形態の方々が加入していることから,これまで傷病手当金については各市町村が条例に定めた上,保険者の持ち出しで任意に支給できることとされておりましたが,感染拡大防止の観点から,保険者が傷病手当金を支給する場合に,国が特例的に特別調整交付金により財政支援を行うこととなりましたので,本市においても傷病手当金を支給するものです。
また,国民宿舎運営事業については,新型コロナウイルスの影響を受けた指定管理者からの納付金の減額に伴い不足する繰上充用金を補正するものです。
以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,
一般会計 25億1,100万円の増額
特別会計 6,388万1千円の増額
であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で2,949億2,402万8千円となり,この補正予算の財源として,特定財源では,国庫支出金や県支出金等を充当し,一般財源では,ふるさと納税寄付金を充当するとともに,新型コロナウイルス感染症の影響により未執行となる既定予算の減額補正で対応いたしました。
次に,予算外議案について申し上げます。
条例議案は,法令の改正に伴うものなど6件です。
このうち,市第63号高知市長等の給与,旅費等に関する条例の特例に関する条例制定議案は,新型コロナウイルス感染症の影響により,市民生活にも重大な影響がでてきていることから,市長・副市長の給料月額を来月1日から本年12月31日までの間,現行のカット率から,さらに10パーセント減額するものです。
市第64号高知市職員特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例議案は,新型コロナウイルス感染症から市民等の生命及び健康を保護するための業務に従事した職員に対して,新型コロナウイルス感染症関係業務手当を支給するための規定を整備するものです。
市第65号高知市税条例の一部を改正する条例議案は,先月30日に施行されました「地方税法等の一部を改正する法律」に伴い,新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した事業者や個人を対象に,無担保かつ延滞金なしで1年間徴収を猶予できる規定や,固定資産税の軽減措置などの規定を整備するものであります。
このほか,市第66号高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例議案及び市第67号高知市後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例議案は,給与等の支払いを受けている被保険者の方々が新型コロナウイルス感染等の事情により,労務に服することができなくなった場合に,保険者から支給する傷病手当金に関する規定を整備するものです。
その他の議案は,前段申し上げました特別定額給付金の関連経費330億円についての市長専決処分の承認議案など3件です。
報告2件につきましては,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。
以上,提出いたしました議案につきまして,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。