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第477回高知市議会臨時会市長説明要旨(令和2年7月17日)

第477回高知市議会臨時会市長説明要旨

 

令和2年7月17日 

 

 第477回高知市議会臨時会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

 まず最初に,熊本県や福岡県などの九州地方を中心に日本各地で甚大な被害をもたらした「令和2年7月豪雨」では,多くの方々がお亡くなりになり,現在でも行方不明になられている方々もおられます。

 犠牲になられました方々のご冥福を心からお祈りいたしますとともに,被災されました皆様にお見舞いを申し上げます。

 高知県内においては,馬路村などで総雨量1,000ミリメートルを超す豪雨となり,本市の鏡増原地区では大規模な法面崩壊が発生し,県道33号南国伊野線が一時通行止めになるなどの被害が発生しています。

 本格的な雨期のシーズンに入っていますので,新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて,災害時の避難所運営に従事する市職員等が的確に対応できるよう準備を徹底するとともに,衛生用品や仕切り用のダンボール製品などの備蓄を推進してまいります。

1 国政の動向

 次に,国政の動向について申し上げます。

 去る6月17日に,第201回通常国会が閉会いたしました。

 今回の通常国会では,特別定額給付金や家賃支援給付金などを盛り込んだ過去最大規模となる補正予算が2度にわたり編成され,大型の持続化給付金や「Go Toキャンペーン」,合計で3兆に及ぶ地方創生臨時交付金等の予算が成立し,本市でも第2次配分として約30億2,000万円の交付金の追加決定がありました。

 また,政府においては,通常より1か月遅れとなりましたが,経済財政諮問会議の答申を受け,「骨太の方針2020」を本日閣議決定すると報道されています。

 この方針では,新型コロナウイルス対策と経済活動の両立に向けて,「官民でのデジタル化の推進」や,与党内の協議によって記載内容が拡充された「防災・減災,国土強靭化対策」などが柱となっており,当面,感染防止対策を講じながら経済活動を段階的に引き上げるとともに,PCR検査の拡充や医療提供体制を充実させることなど,第2波に備えた体制強化を進めることとしています。

 社会全体のデジタル化の推進については,「行政分野での取組が遅れている」との認識に立ち,内閣官房に,民間の専門家の方々と関係省庁で構成する「新たな司令塔機能」を設け,今後1年間で集中的に取り組むとともに,テレワークの定着を図るための数値目標を設定し,新しい生活様式の中で「柔軟な働き方を選択できる環境整備」を進める方針などが打ち出されています。

 今議会におきましては,本市におけるテレワークの環境整備を試行的にスタートするための補正予算も計上していますので,これらの国の方針等を踏まえ,今月1日に着任いたしました行政のデジタル化やテレワークなどの分野に精通する松島研副市長の下,積極的に取組を進めてまいります。

2 新型コロナウイルス対策

 次に,新型コロナウイルス対策について申し上げます。

 高知市における新型コロナウイルス感染症の発生状況は,4月30日以降,新たな感染者は確認されておりませんでしたが,今月13日には高知県西福祉保健所管内において県内第75例目が,昨日には幡多福祉保健所管内において県内第76例目となる感染者が確認されました。

 濱田高知県知事の記者会見では,第75例目の感染については感染経路が確認できるケースであるため,感染の封じ込めは可能であり,「現時点で警戒のステージを引き上げる必要はない」との談話が発表されています。

 全国的には先月下旬から都内などを中心に再び感染が増加傾向となり,今月に入ってからは,東京で連日100人を超える感染者が確認されるなど,首都圏を中心に感染が拡大していることを懸念しております。

 政府では,「現時点での重症者は少ないため,直ちに緊急事態宣言を発出する状況にはない」としながら,感染者に占める20代・30代の割合が高い現状を受けて,感染が高齢者や基礎疾患を有する方々に広がった場合には,重症化するリスクが大きくなるため,「高い緊張感をもって警戒すべき状況にある」としています。

 本県でも,国の方針に基づき,先月19日からは他県との往来自粛を解除しており,県境をまたぐ観光が徐々に再開されるとともに,約2か月半ぶりに新たな感染者が確認されましたので,感染予防対策を徹底し,第2波に備える体制強化が重要です。

 今回の臨時議会では,高知市保健所に新たにPCR検査機器1台を購入する補正予算を計上し,感染症のPCR検査を本市保健所で実施できるよう,高知県衛生環境研究所にもご協力を賜り,本市保健所の体制強化を図ってまいります。

 一方,新聞報道にもありますように,新型コロナウイルスに関連して,インターネット上での事実無根の誤った情報により,関係者の方々の人格が傷つけられる状況が未だに続いており,心が痛みます。

 県内第1例目の感染患者が発表された際に,中内整形外科クリニックの院長先生をはじめスタッフの皆様が,医療従事者としての信念の下に,医療機関名の公表をご了承いただいたことに敬意と感謝を申し上げます。

 患者さんやご家族,関係者の方々に対する心無い誹謗中傷は決して許されるものではなく,根拠のないデマは無用な不安を煽り,感染拡大防止の妨げにもつながりますので,正確な情報に基づく感染予防対策の周知を図り,患者さんや関係者の皆様の人権に配慮した取組を徹底してまいります。

3 特別定額給付金の状況

 次に,特別定額給付金について申し上げます。

 給付金の申請については,まずは,生活に困窮されておられる市民の皆様への支給を急ぐため,5月1日からダウンロードとオンラインによる申請の受付を開始し,その後,先月11日には残る全世帯の皆様へ14万通を超える郵送申請書をお送りさせていただきました。

 特に,郵送申請書の発送直後には,多くのお問い合わせをいただき,1日1万件を超える大量の申請書が一時期に集中して提出されましたので,全庁的に動員をかけ,申請相談窓口を本庁舎と土佐山,鏡,春野の各庁舎,各地域のふれあいセンターに設置するとともに,大量の申請書の審査チェックやデータ入力作業の体制を強化するなど,全庁一丸となって取組を進めてまいりました。

 5月には約1万7千件,約36億3千万円を,6月には約7万7千件,約158億4千万円を,今月は本日振り込み分も合わせまして約5万9千件,約113億6千万円の給付を完了し,本日時点での累計で約15万3千件,総額約308億3千万円の給付金を市民の皆様へお届けしており,全世帯に対する支給率は約93.2パーセントとなっています。

 一方,未だ申請されていない方もおられますので,未申請の皆様への申請勧奨のお知らせを個別にお送りするとともに,本市ホームページやあかるいまち,新聞広告等により,申請期限である9月11日までに申請をいただきますように広報を徹底してまいります。

 また,地域の中で支援が必要な方を把握されている民生委員や町内会連合会の皆様にも,可能な限り申請への声掛けなどにご協力いただくほか,病院や高齢者施設等に入所されている皆様にも各施設で呼び掛けにご協力いただくことを要請するなど,申請勧奨に積極的に取り組んでまいります。

4 事業者支援給付金の状況

 次に,事業者支援給付金の状況について申し上げます。

 本市独自の事業者支援給付金については,先月5日から申請の受付を開始し,今月15日時点で724件の申請を受け付けており,426件,約5,900万円の給付が完了しております。

 これまでの申請件数が伸びていない要因として,本市独自の給付金が,前年同月比の売上げが20パーセント以上50パーセント未満減収している事業者が対象となるのに対し,売上げが50パーセント以上の減収となった場合には,本市より手厚い国の持続化給付金の対象となることから,新型コロナウイルスによる経営への影響が見通せない中で,国又は高知市どちらの制度に申請するか慎重に見極めようとしていることもあると考えます。

 本市の事業者支援給付金については,高知商工会議所や高知県中小企業者団体中央会などのご協力を得て,会議所の会報へのチラシの挟み込み等を実施するなど,制度の周知を図っておりますが,多くの事業者の皆様に本制度をご活用いただくため,あかるいまちへの掲載や,関連団体の皆様にもご協力を依頼し,周知徹底を図ってまいります。

5 補正予算・予算外議案

 次に,議案についてご説明を申し上げます。

 今回の臨時議会に提出いたしました議案は,予算議案3件,条例議案1件です。

 今回の補正予算は,新型コロナウイルス感染症に切れ目なく対処するため,一般会計では,国の補助事業や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの国庫補助金を最大限に活用し,市民の皆様の暮らしを下支えし,雇用の維持や事業の継続を支援するための経費を中心に予算計上いたしました。

 特に,今回の新型コロナウイルスの影響により,打撃を強く受けた観光などの産業分野や,生活が逼迫し,経済面でより手厚い支援が必要な方々に対して重点的に予算を配分いたしました。

 以下,「新型コロナウイルス感染症に係る高知市対処方針」に掲げる5つの柱に沿って,順次ご説明申し上げます。

 まず,「市民の感染拡大防止対策」として,新たに本市保健所へPCR検査機器を1台配備するとともに,検査実施に必要な防護服や検査試薬等を購入し,検査体制を強化します。

 また,国の補助制度を活用し,医療的ケアが必要な障害児者の方々に対し,手指消毒液を配布するとともに,保育所や障害者などの福祉施設において,マスクや消毒液等を購入する経費を助成する予算を計上しています。

 さらに,本市の文化施設では,文化プラザかるぽーと大ホールなどに,感染のおそれがある発熱者を確認するためのサーマルカメラを設置するとともに,消毒液等の調達を進め,一層の感染予防対策を徹底します。

 次に,「文化施設利用者補助金」について申し上げます。

 本年2月頃から,新型コロナウイルスの影響により,数多くの公演等が中止されており,文化芸術イベントの開催回数が激減しています。

 文化プラザかるぽーと等での文化芸術イベントの開催では,入場者数が定員の50パーセント以内に制限されていますので,興行の採算が取れず,主催者側の負担が大きいことを懸念しています。

 このため,収容人数が300人規模以上の「文化プラザかるぽーと大ホール」,「春野文化ホールピアステージ大ホール」,「三里文化会館多目的ホール」において公演等の文化芸術イベントを開催する場合には,利用する主催者等に対して施設使用料の50パーセント相当額を助成し,費用負担を軽減し,芸術文化活動の早期再開に向けた支援を行います。

 次に,「市民生活の支援」として,まず「ひとり親世帯臨時特別給付金」について申し上げます。

 新型コロナウイルスの影響により,経済的かつ心理的に大きな負担が生じている「ひとり親世帯」に対する支援として,臨時特別給付金を支給する国の制度では,基本給付として1世帯当たり5万円に第2子以降の子どもさん1人につき3万円を加算した金額を支給するとともに,新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に収入が減った世帯に対しては,追加給付として5万円を支給します。

 さらに,本市では,市独自の支援策として,「ひとり親世帯応援給付金」を創設し,国の臨時特別給付金の基本給付に上乗せする形で1世帯当たり5万円の給付を行い,新型コロナウイルスの影響により,生活に困窮しているひとり親世帯に対する支援を拡充します。

 現に,児童扶養手当の支給を受けているひとり親世帯については,基本給付についての申請は不要ですので,補正予算の承認がいただけましたら,できるだけ早期に支給できるよう準備を進めてまいります。

 一方,児童扶養手当の支給を受けていない世帯の皆様については,申請手続が必要となりますので,今後,申請に関する受付体制などを整備するとともに,スピーディーな書類審査とデータ入力等を進め,ひとり親世帯の皆様にできるだけ早期に給付金がお届けできるよう,精力的に取組を進めてまいります。

 次に,新しい生命を宿された妊婦さんに対する本市独自の支援策である「プレママ応援給付金」について申し上げます。

 この給付金制度は,特別定額給付金における4月27日の基準日に妊娠されており,基準日以降,継続して本市に住民登録のある妊婦さんを対象に支給するもので,緊急事態宣言による外出自粛などの様々な制約の中で,不安を抱えて妊娠期間を過ごされる妊婦さんの心理的かつ経済的なご負担を少しでも軽減するために予算計上するものです。

 この給付金は,妊婦さん1人当たり10万円の給付金を独自に支給するものであり,対象となる方々には申請書をお送りし,郵送による申請をいただき,給付金を銀行口座へ振り込むこととしておりますので,できるだけ早く給付金が妊婦さんに行き届くように業務の一部を民間業者に委託するなど体制整備を図り,スピード感を持って取り組んでまいります。

 次に,「分娩前PCR検査事業」について申し上げます。

 妊婦さんは,新型コロナウイルス感染症への強い不安を抱えて生活されているため,心理的不安をできるだけ解消し,安心して出産を迎えていただけるように,感染症の症状を有しない妊婦さんにおいても希望する場合には,分娩前にPCR検査を受けられるための経費を予算計上しています。

 この検査を受けられた結果,仮に陽性と判明した場合には,本市の保健所職員が入院するまでのメンタル面のケアや,退院後の定期的な自宅訪問等を通じ孤立感の解消を図るなど,一人ひとりの妊婦さんに寄り添った支援を行ってまいります。

 次に,「中小企業等の事業継続に向けた支援」として,まず,「宿泊事業継続支援給付金」について申し上げます。

 高知市旅館ホテル協同組合が今月行った調査では,回答のあった市内32施設の3月から8月までの減収見込み額は,トータルで約43億円になるとお聞きしており,旅館ホテルにおける食材や清掃,クリーニングをはじめとする様々なサービスを提供する関連業者を含めますと,幅広い業種にわたり新型コロナウイルスによる経営への影響が深刻になっています。

 国においては,1人1泊当たり最大2万円のクーポン等を発行する「Go Toトラベルキャンペーン」が,今月22日から開始される予定であり,平成30年に行われた西日本豪雨からの復興を目指した観光キャンペーン「ふっこう周遊割」が,地域経済の回復に大きな効果をもたらしたことから,今回の「Go Toトラベルキャンペーン」も景気回復への効果が期待されます。

 観光立市である本市では,国の「Go Toトラベルキャンペーン」や県の施策とも連動し,急激に落ち込んだ観光需要を再度創出していく必要がありますので,観光客の受け皿となる宿泊事業者の皆様が取り組む感染予防対策としての衛生環境整備に係る負担軽減など,事業継続を支援するための給付金として,約7億7,000万円の補正予算を計上いたしました。

 この給付金を宿泊事業者の皆様にご活用いただき,国の「Go Toトラベルキャンペーン」や県市の観光施策による需要喚起をきっかけにして,感染予防を徹底した上で,観光誘客に取り組んでいただき,官民連携して地域経済の回復を目指してまいります。

 次に,「高知市Go To商店街キャンペーン」について申し上げます。

 今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受け,それぞれの商店街にも大きな影響が出ておりますので,市内の中心商店街や近隣商店街に人の流れと賑わいを創出し,地域経済の活性化を目指す「高知市Go To商店街キャンペーン」を展開するための予算として約5億7,000万円を計上いたしました。

 このキャンペーンでは,それぞれの商店街へ市民の皆様や観光客の方々に足を運んでいただくため,「新たなイベントによる誘客」,「既存イベントへの支援による誘客」,「商店街の魅力向上による誘客」の3つをテーマに,イベント開催や商店街振興組合等への助成事業を実施いたします。

 また,市民の皆様や観光客の方々の中心商店街へのアクセスや回遊性の向上につなげるため,8月から12月末にかけて,中央公園地下駐車場を土日祝日に無料開放するとともに,中心市街地の回遊性向上のための車両運行などを実施し,市民や観光客の皆様に商店街へ足を運んでいただき,消費喚起を図ってまいります。

 国の「Go Toトラベルキャンペーン」が始まりますと,全国で熾烈な観光客の誘客合戦が始まることが予想されますので,他県から観光客を呼び込むためには,全国的に知名度が高く,魅力的で長期間にわたるイベントの実施が重要になると考えます。

 このため,国の「Go Toトラベルキャンペーン」と連動した観光誘客の効果的なイベントとして,四国では初開催となる水中アート展覧会「アートアクアリウム展」をオーテピア西敷地で開催するための予算を計上いたしました。

 この「アートアクアリウム展」は,様々な種類の金魚が泳ぐ和をモチーフとした水槽を,LEDのライティングやプロジェクションマッピングなどの最新技術で演出する新感覚の大規模な展覧会であり,これまで大都市圏を中心に開催され,累計来場者数が1,000万人を超える集客効果の高いビッグイベントとなっています。

 四国初となる本市での開催期間は,本年12月から来年2月までの2か月程度を予定しており,来場者数は8万人程度を目標としております。

 観光のオフシーズン中に,こうした集客効果の高いイベントを中心商店街で開催することにより,県内外からの積極的な誘客を図り,観光消費額の向上や地域経済への波及効果が期待できますので,中心商店街とも連携を密にしながら取組を進めてまいります。

 次に,新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた新たな業態の経営に取り組む事業者への支援として,飲食事業者の方々が新たに「テイクアウト」や「デリバリー」といった業態に取り組む場合に,1事業者当たり30万円を上限とする補助制度を新設し,店舗の改修や設備導入費などの経費を助成し,飲食事業者の皆様の売上確保に向けた支援を行います。

 また,新型コロナウイルスの第2波に対する備えとして,店舗やイベントなど対面での販売や営業活動を行う中小企業等の事業者の皆様への支援として,インターネットを活用した新たな「EC(電子商取引)サイトの開設」や,楽天・Amazonなどに代表される「ECモールへの出店」に必要な経費に対する補助制度を創設し,事業者の皆様の販路拡大への取組を支援します。

 次に,「旅客運送事業者経営維持支援給付金」について申し上げます。

 緊急事態宣言の発令中も運行を維持していた路線バスや路面電車については,外出自粛や学校休業等に伴い,人の移動が激減した影響を受けて,4月から6月の事業収入は前年同期比で40パーセント以上減少しているとお聞きしています。

 また,高速バスや貸切バス事業の状況はさらに深刻で,貸切バスについては100パーセント近い減収となっており,タクシー事業者についても業界全体で60パーセント近い減収となるなど,新型コロナウイルスによる甚大な影響が広がっており,感染状況が一定落ち着いた現在にあっても,利用客数の回復は鈍く,当面は厳しい経営環境が続くことが予想されます。

 旅客運送事業については,市民の皆様の移動手段であるとともに,本市を訪れる観光客の方々の足でもあるため,観光施策と連動した本市経済の回復に向けた社会基盤として,事業継続に向けた支援が必要であり,厳しい経営を強いられている事業者の皆様に対しまして,バスやタクシー等の保有台数に応じた事業継続のための支援給付金として,約3億800万円の予算を計上いたしました。

 次に,卸売市場に入居されている事業者の皆様への支援について申し上げます。

 市場事業者の皆様に対する支援の在り方については,関係者の皆様や議会の皆様からも強い要望がありましたので,昨年から,具体的な支援策の検討を続けてまいりました。

 今回の補正予算では,まず,市場に入居されております卸売業者・仲卸業者・関連事業者が負担している施設使用料を一定減額するための予算を計上しており,来年度から予定していたものを本年8月から前倒しして実施することとし,厳しい経営状況に置かれている事業者の皆様の家賃負担を軽減し,事業継続に向けた支援を行うものです。

 さらに,これに加えまして,本年4月以降,1か月の売上高が前年同月比で20パーセント以上減少している当該事業者に対して,過年度分の使用料滞納がないことを条件に,本年10月から来年3月までの下半期分について,建物設備の月額使用料を30パーセント減免することといたします。

 先般,成立した国の第2次補正予算に盛り込まれた家賃支援給付金は,卸売市場の建物設備使用料も給付対象となりますが,国の給付を受けるためには,本年5月から12月の間で,1か月の売上高が前年同月比で50パーセント以上減少するか,若しくは連続する3か月の売上高が前年同期比で30パーセント以上減少するかのいずれかの条件を満たす必要があります。

 本市では,国の家賃支援給付金の対象とならない市場事業者の皆様に対しまして,本市独自の減免制度を創設し,厳しい経営環境にある市場事業者の皆様に対する支援を進めてまいります。

 次に,「就労継続支援事業費補助金」について申し上げます。

 就労継続支援B型事業所を利用されている障がいのある方々については,事業主との雇用契約を結んでいないことから,国の雇用調整助成金等の支援策の対象外となっています。

 本市が先月行った調査では,市内に約950名おられる利用者の方々の1か月当りの平均工賃は,新型コロナウイルス感染症の影響による受注の減少や,感染リスクを避けるために事業所の利用を自粛されたことなどにより,大幅に減少しています。

 一般就労が困難な障がいのある方々が,就労継続支援B型事業所を利用され,就労に必要な知識と能力向上のための作業を行い,工賃として支給される金額については,新型コロナウイルスの影響が出ておりますので,その影響を少しでも緩和するため,本市独自の支援策として,1人当たり月額1万5,000円を上限に,障がいのある方々の工賃の減収に対する支援を行います。

 次に,「子どもの活動及び家庭学習の支援」として,「GIGAスクール構想推進事業」について申し上げます。

 国においては,今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえ,「GIGAスクール構想」に基づく児童生徒1人1台の端末整備を含むハード・ソフト・人材育成を一体とした整備を加速させ,災害や感染症の発生等による学校の臨時休業などの緊急時においても,ICTを活用して,すべての子供たちの学びを保障できる環境を早急に実現する方針を掲げています。

 本市におきましては,令和元年度3月補正予算において7,360台分を,今年度5月補正予算で6,911台分の端末整備に係る予算を確保し,現在,機器調達に向けた準備を進めています。

 今議会では,児童生徒分として残ります7,136台と教員用として969台,合計8,105台分の端末整備に必要な予算を計上し,本年度中には,児童生徒用のタブレット端末や普通教室への電子黒板,指導者用デジタル教科書等のICTを活用した学習環境がすべて整うことになります。

 今後は,本市における「GIGAスクール構想」の推進に向けて,「学校ICT活用推進協議会」を設置し,民間企業や学識経験者の方々のご意見を伺うとともに,学校におけるICT機器の利活用に関する先進事例等の情報収集を行いながら,教員研修の充実など人材育成を含めた学校現場への支援を行ってまいります。

 次に,「市役所の感染対策・業務継続対策」として,指定避難所における新型コロナウイルス等による感染拡大防止のための衛生用品等を購入する経費を計上いたしました。

 台風や集中豪雨などの風水害時に開設する避難所における感染症対策として,避難者の皆様を受け入れる際に,検温や体調についての聞き取りを行い,体調不良の避難者の方と,それ以外の方々との接触をできるだけ避けるため,それぞれの避難スペースを分けることとしています。

 各避難スペースについては,段ボールの間仕切りを使って飛沫等による感染を防止するとともに,血栓症の対策に有効である段ボールベッドを順次配備しまして,避難所における生活環境の向上を目指します。

 また,南海トラフ地震などの大規模災害の発生時には,各避難所において新型コロナウイルス等による感染症対策のための衛生用品の需要が高まり,消毒液等が入手困難になることが想定されますので,計画的に指定避難所へのマスクや手指消毒液等の備蓄を進めます。

 このため,備蓄計画に飛沫感染や接触感染を防止するために必要なマスク及び手指消毒液の2品目を追加記載し,今議会におきまして,レベル1の南海トラフ地震の発災1日後から1週間後までの間に,各避難所で必要となるマスク50万枚と手指消毒液2,570リットルを備蓄するための経費を計上いたしました。

 次に,「職員テレワーク環境整備事業」について申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症への対応として,ICTを活用し,勤務場所や時間等の制約がない柔軟な働き方ができるテレワークの導入が,官民双方で急速に進みつつあります。

 本市におきましても,新型コロナウイルスの第2波に備え,感染拡大を未然に防止できる労働環境を整備するとともに,職員が感染者や濃厚接触者となり,一定規模以上の出勤制限が必要となった場合には,それぞれの行政機能の維持を図るため,テレワークの活用が有効な手段となります。

 また,テレワークは,育児や介護などを抱えながら働く職員のワーク・ライフ・バランスの実現や,障害者の方々などの雇用の促進など,職員一人ひとりが家庭の事情や,健康状態などに応じて多様な働き方を実現できる「働き方改革」の切り札としても期待できるものです。

 このため,本市では新たにテレワーク環境の整備に取り組むこととし,補正予算のご承認がいただけましたら,秋頃を目途に管理職による試行を開始し,情報セキュリティ面や職員の労務管理面等での課題を整理しながら,段階的に対象となる職員や業務の範囲を拡大してまいります。

 次に,「高度情報通信環境整備促進事業費補助金」について申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の影響を受けて,国民生活や社会経済活動の在り方も大きく変化しており,外出自粛や企業・官公庁等での出勤抑制等の取組により,テレワークやWEB会議などICT技術の活用が急速に拡大しています。

 併せて,社会全体でデジタル化やオンライン化の動きを加速させる動きが広がってきており,withコロナ時代の「新たな日常」の実現に向け,遠隔教育や遠隔医療,テレワーク,オンライン申請などに必要となる高速・大容量のブロードバンドネットワークとして光ファイバ整備を加速化することが「骨太の方針2020」においても明記されています。

 鏡地区・土佐山地区については,事業者の採算性などの課題から,これまで民間事業者の参入が見込めず,光ファイバが未整備の地域となっておりましたが,今般の補正予算の成立により,国の手厚い財源措置が得られることとなりましたので,民設民営方式による鏡地区・土佐山地区への光ファイバの整備を推進してまいります。

 以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,

 一般会計 46億1,100万円の増額

 特別会計 734万2千円の増額

であり,補正後の予算規模は全会計の純計で,3,031億1,532万6千円となり,この補正予算の財源として,特定財源では国庫支出金や市債等を充当し,一般財源では議員の皆様の議員報酬や市長・中澤副市長の給料を減額補正し,PCR検査の体制整備等に充当しています。

 次に,予算外議案について申し上げます。

 条例議案は,法令の改正に伴うもの1件です。

 市第101号高知市手数料並びに延滞金条例の一部を改正する条例議案は,マイナンバー通知カードの廃止に伴い,通知カード再交付手数料の項目を削除するとともに,法令改正に伴い規定の整備を行うものです。

 報告1件につきましては,損害賠償の額の決定についての市長専決処分の報告です。

 以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。