ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 組織一覧 > 財政課 > 第386回高知市議会定例会市長説明要旨(平成17年3月7日)

本文

第386回高知市議会定例会市長説明要旨(平成17年3月7日)

 第386回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。
 日本経済は都市部では民間需要中心の回復が続くものと見込まれておりますが,景気回復の状況には依然として大きな地域間格差が見られ,高知県内の経済状況はいまだ大変厳しい状況にあります。
 このような社会経済状況の下,国の平成17年度予算案では持続的な経済成長を実現するための改革方針に基づき,政策的経費である一般歳出では,国・地方税財政の三位一体改革に伴う補助金削減などで,対前年度比0.7パーセント減とする予算案が決定されております。
 一方,地方に対しましては,国と同様の歳出改革路線を強化する方針に基づき,平成17年度地方財政計画では,地方交付税に地方税と臨時財政対策債を加えた一般財源総額で,対前年度比0.1パーセントの増と前年度並の額が確保されたものの,給与関係経費や投資的経費などの歳出の見直しにより,計画総額では対前年度比で実質1.5パーセント減とされ,4年連続でのマイナス規模となっております。
今後,地方分権の実現に向けた新しい地方自治を進めていくためには,市民の皆様にいかに低コストで公共サービスを提供できるかという内部効率性の観点と,市民の皆様のニーズに的確に対応した質の高い公共サービスをいかに展開していくかという外部効率性の二つの観点からの市政運営に取り組んでいく必要があるものと考えております。
 本市の平成17年度予算編成に当たっては,財政健全化の着実な推進と新しいまちづくりに向けた財源確保の一環として,事務事業の徹底した見直しをはじめとする行財政改革に積極的に取り組むことで内部効率性の向上を図るとともに,

  • 産業振興など地域経済の活性化を図る「活気とにぎわいに満ちたまち」
  • 合併を踏まえ鏡川をシンボルとして環境を守る「山・川・海を活かした水と緑のまち」
  • 少子高齢化への対策と災害に備える「いのちと暮らしを守るやすらぎのまち」

の3つを新しい高知市のまちづくりのテーマとして,鏡村・土佐山村との合併後最初の予算となる「新しいまちづくり創造予算」として編成いたしました。
 一般会計の予算規模としては,財政健全化に向けて対前年度比5.1パーセント減と平成14年度以来のマイナス規模といたしましたが, この3つのまちづくりをテーマとして,現況の厳しい景気情勢や市民ニーズを踏まえて,事業の重要性や緊急性等に配慮しながら,地域経済の活性化を基軸とした「地域再生」,「環境」,「少子高齢化」,「防災」の4分野を重点課題として事業費を確保いたしました。
 今後も,国における三位一体改革をはじめ社会保障制度の一体的見直し,税制改正など,市民生活にも直接影響する改革が順次進められることが確実となっており,本市においても的確な対応が必要となりますが,引き続き市民が主人公という認識の下,「こころ豊かな幸せ都市・高知」の実現を目指しまして,全職員の英知を結集して市政運営に取り組んでまいりますので,議員の皆様方の今後とものご指導とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 以下,今後の主要事業及び当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。
 まず,市町村合併に伴います新しいまちづくりについて申し上げます。
 本年1月1日の鏡村及び土佐山村と高知市の合併に伴いまして,市域の面積が約1.8倍に拡大し,高知市のシンボルであります鏡川が源流域から河口まで一体となった,中山間地域から海岸線まで懐の深い新しい高知市が誕生いたしました。
 平成15年1月24日に高知市・鏡村・土佐山村合併協議会を立ち上げ,2年近くにわたり真摯なご論議をいただきました合併協議会の委員の方々や市議会・村議会議員の皆様方に心から感謝申し上げます。
 この度の合併は,昭和47年に大津村及び介良村と合併して以来,本市にとりまして約33年ぶりの合併となりますが,中山間を中心とする鏡・土佐山地区の皆様にも「合併して良かった」と言われるような新しいまちづくりを進めるため,新たに鏡・土佐山地区からそれぞれ選出されましたお二人の議員をはじめとします議会の皆様方や市民の皆様のお知恵とご協力もいただきながら,中山間振興や地産地消の推進など全力で取り組んでまいります。
 合併後のまちづくりにつきましては,「交流・連携・共生」をテーマとした新市まちづくり計画を踏まえ,平成17年度から着手します現行の総合計画の改訂の中で,さらに具体化を図ってまいります。計画改訂に当たりましては,市民意識調査の実施により住民ニーズや市民意識を充分に把握するとともに,鏡・土佐山地区を含みます北部地区におきましては,本年3月末に設置いたします中山間地域振興審議会や北部地区のまちづくりトーク等でのご意見などを参考にしながら,今後の新しいまちづくり計画に反映させてまいりたいと考えております。

 次に,春野町との合併協議について申し上げます。
 昨年12月20日の春野町議会で「新高知市との合併推進に関する決議」が全会一致で再び決議されましたことから,本年1月24日に高知市・春野町の両執行部及び議会代表者の方々と意見交換を行い,その場で春野町長と町議会議長の連名で,高知市との合併協議に関して再度の申し入れがありました。
 これを受けまして,2月17日に高知市・春野町合併事務検討会を開催し,それぞれの首長並びに議会議員の任期までに廃置分合等の重要な関係議案の議決を目指すことや,法定協議会設置議案の提案時期は遅くとも本年9月議会までの提案を検討することなどの基本方針を確認するとともに,法定協議会設置までに一部事務組合をはじめとする重要な課題事項の解決に向けて一定の目処や方針を立てる必要があるため,これらの課題事項について事務レベルでの作業を精力的に行うこととしております。
なお,このことにつきましては,本市議会の市町村合併対策特別委員会及び春野町議会においてそれぞれご報告をいたしましてご了解を得たところであります。
 現在,両議会からいただきましたご意見等も踏まえまして,事務レベルで課題事項の整理作業に取り組んでおりますが,事務レベルでの作業が一定整いましたら,市議会にもご報告申し上げ,住民の皆様方にも広く情報を提供しながら,さらに論議を深めてまいりたいと考えておりますので,今後とものご指導をよろしくお願いいたします。

 次に,行財政改革について申し上げます。
 昨年策定いたしました新財政健全化計画に基づく平成17年度の収支改善目標の達成状況につきましては,事務事業の見直しで12億円,人件費の見直しで12億円,縁故債の借換による公債費の平準化で23億円などそれぞれの分野で歳出削減を進め,目標額を上回る約60億円の収支改善を図ることができました。
 これらの取組に対し,ご理解とご協力を賜りました議会の皆様をはじめ関係者の皆様や市民の皆様方に深く感謝申し上げます。
特に全庁的に取り組みを進めました事務事業見直しでは,新規事業を含め3,863事業を対象に見直し作業を行い,約6割に当たる2,212事業について平成17年度での廃止,凍結,再構築,縮小などの見直しを行い,一般財源で約12億円の削減目標を達成いたしました。
 この取組の中で作成しました事務事業台帳につきましては,データ化しておりますので,今後とも事業見直しのための貴重な資料として活用を図ってまいります。
 また,民間委託の推進につきましては,官民の役割分担の見直しを含め検討を行うなかで,道路維持補修業務の委託拡大や収集体制の見直しを含めた不燃物収集業務の委託化を順次行うこととしており,今後とも効率的な事業執行をさらに進めてまいります。

 次に,新しいまちづくりを進めるための機構改革につきましては,バランスの取れた産業振興を一層推進することを目的として,現在の産業振興部を再編し,新たに農林水産部と商工観光部を設置することといたしました。
 農林水産部につきましては,合併に伴い第一次産業の振興や中山間振興施策,地産地消,安全な食の提供,森林政策などについて,より積極的かつ総合的に取り組むことを目的として部を新設するとともに,商工観光部につきましては,雇用対策や商工業振興施策,観光施策等を専管する部として機能強化を図ることを目的として設置するものであります。
 また,併せまして地産地消を推進するため,地域の農産物等の特色を生かしたシステム構築に向けて,来月中に庁内の関係部署の若手職員による検討委員会を立ち上げたいと考えております。

 次に,公の施設に係る指定管理者制度についてですが,平成15年9月に地方自治法の一部を改正する法律が施行され,多様化する住民ニーズに効果的・効率的に対応するため,民間能力を活用し,住民サービスの向上と管理運営の効率化等を図ることを目的として,地方公共団体が設置する公の施設の管理について指定管理者制度が創設されました。
今議会にそのために必要となる指定の手続等に関する包括的な条例案をご提案しておりますが,施設ごとの個別的な指定管理者制度への対応方針につきましては,現在,庁内組織の指定管理者制度対応検討会議を設置して具体的な検討を進めており,本年9月議会及び12月議会にそれぞれ関連議案のご審議をお願いし,平成18年4月からの指定管理者制度へのスムースな移行を目指しさらに取組を深めてまいります。

 次に,新定員適正化計画について申し上げます。
 平成14年度末に策定いたしました現在の定員適正化計画では,平成15年度から19年度までの5年間に一般行政部門の職員数を5パーセント,90名削減することとしておりましたが,2村の合併に伴い職員総数が変更になったことや,新しいまちづくりの展開をにらみながら行政改革等による組織の効率化・スリム化をさらに進める必要があることから,新たな定員適正化計画を策定することといたしました。新しい計画では官民の仕事の役割分担の見直しや,先ほど述べました指定管理者制度の活用などにより,平成17年度から21年度までの5年間に,市長事務部局の職員数をおおむね7.5パーセント,150名削減することとしており,新しい時代を担う効率的な組織運営を目指してまいります。

 次に,平成17年度予算での重点的な取組について,順次申し上げます。
 まず,重点4分野の1番目の課題としまして,地域再生に向けた取組について申し上げます。
 国におきましては,急速な少子高齢化の進展や社会経済情勢の変化に対応して,地方の自主的かつ自立的な取組による地域経済の活性化や,地域における雇用機会の確保の創出等を推進することを目的とする地域再生法案を提案し,今通常国会で成立後,本年4月1日から同法が施行される見通しとなっております。
 本市におきましても,活力あるまちづくりを進めるため,この制度を積極的に活用し,平成17年度の早い時期に庁内の横断的な検討組織を立ち上げ,地域再生計画を策定して国への認定申請作業を進めてまいりたいと考えております。

 次に,雇用促進対策につきましては,今日の大変厳しい雇用情勢に対応するため多様な雇用施策を総合的に展開していく必要があります。
 平成16年度に実施しました若者の就労支援事業では,カウンセリングからスキルアップ,さらに職業紹介までを一体的に行う全国で初めての取組を実施し,受講生の約半数の就職を実現させるという大きな成果を収めることができ,各関係機関からも高知方式として大変注目されております。
 平成17年度につきましても,引き続き若者就職応援セミナーを実施するととともに,その効果を高めるため,職業紹介事業について専門の求人開拓員を配置し,さらに求職者のフォローアップ研修を行うジョブマッチ事業を新たに導入するなど,昨年の成功事例を下に総合的な雇用施策の充実に一層取り組んでまいります。
 また,地域における緊急かつ臨時的な雇用を創出するための国の交付金事業が平成16年度末をもって終了しますが,本市の雇用状況は依然として厳しい状態にあることから,雇用・就労機会の創出を図るため,地域雇用特別対策事業として7事業を市単独事業で継続し,雇用対策を推進してまいりたいと考えます。

 次に,産業振興について申し上げます。
 我が国の経済は,自動車やIT関連,造船などの産業部門が好調に推移し,景気は回復基調にあるといわれておりますが,高知県経済はこうした流れから取り残され,停滞を余儀なくされております。
 こうした現状を打開していくための産業振興対策が,今,強く求められており,昨年秋に高知型産業育成会議から貴重なご報告をいただき,その中から新たな施策展開の可能性について検討し,幾つか具体化を図ってまいりたいと考えております。
まず,その一つとして,会議からの報告の中心テーマでありました,地域素材を活かした「安心・安全」をテーマにして高知大学などの研究機関と連携を深めつつ,新たなビジネス創出の可能性等を探る中で,特許権をはじめとした知的財産権の取得と活用が大変重要であると考えております。
 近年,企業活動のグローバル化の進展に伴い,企業組織内,また企業間において特許権などをはじめとする様々な知的財産権の帰属やの活用が大きな課題となってきておりますが,そうした企業のニーズに即応できる弁理士等の専門家を探し出すことは,本市のような弁理士そのものが非常に少ない地域では難しいため,企業のニーズに応えられる最適な弁理士の紹介を行うことなどを中心とした「知的財産ワンストップサービス」を,関係機関と連携して実施することとしております。
 また,新産業を創出する面で,知的財産権を支援するファンドの創設が非常に有効であると考えられることから,知的財産などを活用した新たな事業の創出を支援するファンドの創設について早急に調査検討してまいります。
 さらに,個別の産業分野では,貴重な地場産業であります紙製品類製造業の輸出拡大に向けた支援活動について,商品等の情報発信の取組をさらに進め,具体的な商談引き合いから成約に向けた支援に発展させ,貿易拡大に向けた取組を強めてまいります。
 また,本市中心商店街の空き店舗率は全体で7.65パーセントと上昇傾向にあり,中心市街地の衰退や空き店舗問題が深刻化しております。
 特に帯屋町2丁目商店街においては,中心商店街の中でも空き店舗率が12.5パーセントと高くなってきており,さらにダイエー高知店の存続が危ぶまれているなど重要な課題が山積していることから,周辺地域の再構築を含めた横断的な中心商店街の活性化計画の策定に対する支援を進めてまいります。

 次に,観光振興につきましては,本市経済の浮揚に向けて即効性のある対策として,さまざまな事業のリニューアルなどの工夫により,重点化した取組を進めてまいります。
その一つとして,平成18年のNHK大河ドラマが司馬遼太郎原作の「功名が辻」に決定したことを,観光客増大につながる千載一遇のチャンスととらえ,最もゆかりの深い土佐24万石の城下町高知を強力に全国発信してまいります。
 既に,いち早く昨年9月から官民挙げた取組に着手しておりますが,平成17年度については全国発信の皮切りとして,従来のお城まつりを「土佐時代絵巻から一豊公・千代様まつりから」として会期を5日間に延長するなど内容を充実しリニューアルした上,多くの観光客が訪れる5月のゴールデンウィークに開催してまいります。
さらに,築城当時の姿をそのままに止める高知城の魅力や,歴史的にも価値の高い高野切をはじめとする山内家宝物などの文化遺産を最大限に活用するとともに,平成18年の観光客誘致の柱としていくため「(仮称)土佐二十四万石博」の開催に向けて官民協力して準備を進めてまいります。
 また,平成3年度から毎年5月のゴールデンウィークに城西公園で緑化普及のイベントとして開催してまいりました「こうち花フェスタ」につきましても,市民参加型のイベントに再構築し,「花のよさこいタウン・こうち春花まつり」として実施いたします。
開催地につきましては,交通の利便性の高い中央公園ほか,中心商店街一円で開催することとしており,ゴールデンウィーク期間のにぎわいの創出と,花いっぱいの美しいまちづくりを市民・県民の間にさらに広めてまいります。
 また,今年は土佐の英傑坂本龍馬が誕生して170年という節目の年となっております。そうしたことから,昨年11月に龍馬ファンや観光関係者で組織する龍馬生誕170年記念事業実行委員会を発足させ,龍馬の生まれたまち記念館や龍馬脱藩・ゆかりの道,龍馬まつりなど,既存の施設やイベントを効果的に活用した記念事業を実施するとともに,全国に向け,新たな龍馬ファンの拡大と龍馬の故郷・高知を発信してまいります。

 次に,農業振興について申し上げます。
 世界的にも食料危機が懸念されているなかで,国におきましては,農業の担い手対策への集中投資やグローバル化などに重点を置いた農政改革が進められております。
 本市におきましても,この農政改革に対応し,担い手の育成強化や,合併により中山間部から沿岸部までの多様な農業地域が誕生することを活かし,安全で美味しい農産物を市民の皆様に提供する地産地消の促進,豊かな緑を保全し環境を守る地域・集落営農への取組などを盛り込んだ,第十次農業基本計画を策定し,農業の一層の振興を図ってまいります。
 また,農業振興地域整備計画につきましては,近年の都市化に伴う土地利用形態の変化や,合併に伴う市域の拡大を踏まえ,集団的優良農地を中心に現状に即した見直しに取り組んでまいります。

 次に,合併を契機に新たな観点で取り組まなければならない課題として,中山間地域の振興があります。
中山間地域は,豊かな自然や心安らぐ空間,水源涵養の機能の提供などゆとりある市民生活の創造を可能にする面がありますが,一方では地域からの人口の流出が続き過疎化が進行している現状があり,自然資源や地域の生活を守る産業振興が重点課題となっています。豊かな自然環境を素材とする観光の育成,減農薬,有機栽培の振興,温泉,市民農園,直販店等による“まち”と“いなか”の交流などに引き続き取り組むとともに,中山間地域振興審議会のご意見等をお聴きしながら,中山間地域の特色のある資源を活かしたシステムを構築していくための企業との連携など,新たな視点に立った住民主体の施策の構築に取り組んでまいります。

 次に,重点課題の第二として,環境への取組について申し上げます。
さる2月16日,地球温暖化ガスの排出削減を義務付ける京都議定書が発効されました。日本はこの発効により,平成24年度までに温暖化ガスの排出量を14パーセント削減するという困難な目標達成に取り組んでまいらなければなりません。
 このような状況のなかで本市におきましては,今回の合併により市域の約60パーセントが森林面積となることから,平成17年度を新時代の環境元年として位置付けまして,環境を軸とした政策の再編成を行う必要があります。
 まずはじめに高知市のシンボルである鏡川を中心とする鏡川清流保全基本計画の改定について申し上げます。
 市民にとって大切な飲料水源でもあり,緑豊かな水辺や私達の心に大切なうるおいとやすらぎを与えてくれる鏡川が,合併によりまして全市域の中に源流域から河口域までがすべて収まる,全国的にも大変めずらしい河川となりました。
 この新たな流域の誕生とともに,現基本計画が10年以上経過したことから,平成17年度及び18年度の2か年で鏡川清流保全基本計画の改定を進めたいと考えております。
 改定に当たりましては,基本的には,鏡川清流保全条例に基づきます現計画の「水質の保全」,「自然環境の保全」,「景観の形成」,「人づくりまちづくり」の4つの柱をベースとした上で,鏡,土佐山両地域の森林の状態や水質,水量,水利状況等の調査結果も踏まえ,自然の循環作用における森林の重要性や合併によって可能となりました流域における一体的な清流保全への取組など,新たな視点を盛り込みながら,清流鏡川を新時代を担う子ども達に引き継いでいくことのできる基本計画としたいと考えております。
 基本計画の策定過程では,審議会をはじめ,鏡川に対する色々な想いや提案を直接お聴きする「(仮称)鏡川を語る会」の実施や,インターネット等による提案募集,さらには市民アンケートなど様々な形で市民,関係団体,企業等の皆様方のご意見をいただきながら,計画づくりを進めてまいります。
 また,鏡川清流保全と密接に関連します生活排水対策推進計画につきましても改定時期となっておりますので,市域全体の生活排水処理の状況調査等を行うなど,鏡川清流保全基本計画との整合を図りながら,改定作業を行ってまいります。

 次に,ごみ有料化につきましては,既に多くの自治体で実施されており,国におきましても,ごみの減量化や受益者負担の公平の観点からも有料化の必要性が打ち出されているところです。
 本市といたしましても,こうした国の方針や先進都市の事例などを参考に研究検討を進めておりますが,平成17年度には循環型社会を推進していくためのごみ行政の在り方などについて,市民の皆様の幅広いご意見等をお聴きするためのアンケートを実施するとともに,ごみ問題に関する地区懇談会などを開催しまして,今後の望ましいごみの減量化対策などについて一定の方向性を見いだしてまいりたいと考えております。
 また,ごみ収集の民間委託につきましては,本年10月ごろを目処に,まず,不燃性の雑ごみから委託を実施したいと考えており,併せまして,この不燃性雑ごみにつきましては,一定,中間処理を施すことにより最終処分場への搬入物の減量化をし,処分場の延命化を図りたいと考えております。

 次に,魚腸骨処理施設について申し上げます。
 神田おおなろ園内の市有地に建設が進められております魚腸骨処理施設につきましては,工事もほぼ完了し,日高村工場にありますプラントの新工場への一部移設工事等を残すのみとなり,既に2月9日からは原料を搬入して試運転を行っているところであり,4月1日からの本格操業を予定しております。
 また,地元団体等との関係につきましては,おおなろ園受託団体の昭和会及び神田地区町内会連合会に続きまして,本年1月28日に鴨田校区町内会連合会との間で環境保全協定の締結を完了し,地元の皆様方との環境保全に関する協定書はすべて整いました。 今後,本格操業に当たりまして,この協定書の内容を遵守し,適正な運転管理に努め,地域と共存できる施設を目指してまいりたいと考えております。

 次に,エコサイクルセンターについて申し上げます。
 日高村への建設が計画されております産業廃棄物処理施設エコサイクルセンターにつきましては,事業主体であります財団法人エコサイクル高知におきまして施設規模や事業予算等の縮小などの見直しが行われてきたところであり,事務局を所管しております高知県からは,総事業費70億円のうち本市の負担を排出割合に応じて18億円から20億円程度とする案が示されているところです。
 この施設の規模や費用負担の在り方等につきましては,これまでも様々 な論議がなされてまいりましたが,本市としましてもリサイクル法の施行やリサイクル技術の進展等,環境行政を取り巻く近年の状況変化等を踏まえまして,市議会のご意見もお聴きしながら,さらに精査を行い,県と協議を深めてまいりたいと考えております。

 次に,重点課題の第三として少子高齢化対策について申し上げます。
 わが国では,2007年から人口減少社会が到来すると言われており,今後約700万人の団塊の世代が順次高齢期を迎えるなど,世界でも経験したことのない速さで少子高齢化が進んでまいります。
 少子化は社会経済の持続可能性を根底からゆるがしかねないことから,この流れを少しでもくい止めるための対策が特に重要となってまいります。
 本市では,新たに策定する高知市子ども未来プラン「すくすくとさっこ21」に基づき,「みんなで支え育ちあう すくすく子育ち いきいき子育て支援のまちづくり」の実現に向けて,子育て支援施策や事業の総合的な企画・検討・推進を図ることとしております。
 平成17年度につきましては,子どもの育ちを,また,親の育ちを社会全体で支えていくことのできるまちづくりを目指し,児童虐待を含む児童相談体制の整備充実を図るとともに,地域における子育て支援の推進を図るために,子ども福祉課の子育て支援室と家庭児童相談室の統合による子ども家庭支援センターを旧市民病院院内保育所跡に設置することといたしました。
 また,子育て支援の情報提供を充実させるととともに,新プラン「すくすくとさっこ21」の周知や意識啓発についても取組を進めることとしております。

 次に,教育関連施策としまして,本市における最大の教育課題である不登校問題の解決に向けた取組を重点的に推進してまいります。
 本県の不登校発生率は,ここ数年来全国ワースト1位から3位の間で推移しており,このうち本市は県内の不登校児童生徒数の約45パーセントを占めております。
 平成16年度は,不登校児童生徒の個人調査を実施し,その分析に基づいてプロジェクトチームが各学校を訪問し,一人ひとりの児童生徒の支援の在り方について指導・助言を行うとともに,各学校での家庭訪問の徹底や不登校対策委員会の設置などに取り組んだことにより,不登校児童生徒数は一定の減少が見込まれております。
 来年度はこの不登校対策を一層徹底させるために,教育研究所に市単独の措置として不登校児童生徒支援補助員を配置するなどの体制強化を図ります。また,それぞれの学校における不登校対策の推進役となる教員の養成講座を開催するとともに,小学校4年生以上の児童生徒に対して「楽しい学校生活を送るためのアンケート」を実施し,子どもの状態やその変容をきめ細かく把握することで予防的な手立てを行いながら,さらに一人ひとりを大切にする教育を推進してまいります。

 次に,学校充実サポート事業について申し上げます。
 本市では平成13年度から国の緊急地域雇用創出特別基金事業や市単独の雇用対策事業により,小・中・養護学校への教員補助員,障害児介助員,加力指導補助員,運動部活動外部指導員等の配置を順次進め,大きな教育効果をあげてまいりました。
国の緊急地域雇用創出特別基金事業は残念ながら平成16年度限りで終了となりますが,学力向上のための取組,特別な支援を必要とする児童生徒への対応,いじめや問題行動への対応など,各学校における課題解決に向けた取組を継続して支援していくために必要な事業であると考えており,平成17年度については市単独事業として新たに学校充実サポート事業を立ち上げ,教員補助員の配置を一定数確保することといたしました。

 次に,青年センター・教育研究所複合施設整備事業について申し上げます。
 この施設は,昨年6月に新館本体工事に着手し,平成18年3月の本館施設部分のオープンに向けて整備を進めております。その後,引き続き旧館解体やテニスコート,駐車場整備等の外構工事を進めまして,平成19年1月には施設全体をオープンさせる予定となっております。
 施設完成後につきましては,効率的,効果的な教職員研修の場として,また,児童生徒や青少年の新たな活動拠点,居場所として,併せて学校教育分野の教育研究所と社会教育分野の青年センターそれぞれの機能を複合させることにより,新たな相乗効果をもたらし,多くの夢や可能性を生み出す複合教育施設として大きな役割を担う施設であり,今後,機能面での充実をさらに図ってまいりたいと考えております。
 なお,この事業の財源としましては,平成15年12月に第1回目の募集を行い,多くの市民の皆様からご応募をいただきました,住民参加型ミニ市場公募債・高知市龍馬債の発行方式による資金を充当することとしております。
 発行の概要としましては,前回と同様に20歳以上の高知市民を対象に5年満期一括償還で5年物国債の入札平均利回りに0.1パーセント程度を上乗せした利率での発行を予定しており,今後,本年5月末の約7億8,000万円規模での発行に向けて準備を進めてまいります。

 次に,市民会館活性化事業について申し上げます。
 市民会館活性化事業では,国の隣保館モデル事業を活用し,海老川市民会館周辺地域における災害発生時の人命救助,特に高齢者等,社会的弱者に対する初動体制の確立を図るために高齢者等救出マップを作成することとしております。
 また,日常は,介護予防の観点で,既存の高齢者福祉サービスとの整合性をとりながら,マップを活用した高齢者宅訪問による安否確認や虚弱状態となった高齢者の早期発見に努めるとともに,館で行うデイサービス事業への参加促進などを在宅介護支援センターや居宅介護支援事業所と連携して行うものであり,高齢社会に対応した市民会館等の機能面での活性化を図るモデル的な事業として取り組んでまいりたいと考えております。

 次に高知医療センターの取組についてですが, 平成17年3月1日に,自治体病院として,地域医療連携を基本に患者さんが主人公である病院が開院いたしました。
 2月13日の開院式後の内覧会には,3時間足らずの間に5,000人を超える人が医療センターの見学に訪れたとのことであり,このことは,県民・市民の医療センターに対する関心と期待の高さの表れであると考えております。
施設が老朽化し抜本的な拡充整備を必要としていた市民病院が,同じ課題を抱えていた県立中央病院との統合の検討に着手したのが平成5年でありました。
 それ以来,県立病院と中核市の病院の統合,異なる大学医局の統合,病院運営へのPfi手法の導入という全国的にも前例のない事業への立ち上げに取り組んだ12年間でありました。県・市議会の皆様方や多くの関係者の方々にいただきましたご支援・ご協力に対しまして改めて感謝申し上げます。
 医療センターでは,救命救急センターや総合周産期母子医療センターなど三次救急機能や,複数の診療科が横断的にチーム医療を実践するセンター機能など,これまで両病院になかった医療の提供が可能となっております。
こうした高度な医療を確実に県民・市民の皆様に提供すること,また,多くの自治体病院が抱えてきた赤字経営からの脱却を図ることなど,まさにこれからが医療センターの本当のスタートであり,医療センターの運営に携わる者の責任は重く,大きな使命を負うこととなります。
 このため,病院組合を3月1日より地方公営企業法の全部適用を受ける病院企業団とし,責任体制をより明確なものといたしました。
 本市が,この困難で壮大なプロジェクトを県と一体となって推進してまいりましたのも,自治体病院として県民・市民の皆様が求める医療をどうすれば構築できるのかとの思いからでありました。
 そういった意味におきまして,患者さんを主人公とする医療センターの理念が着実に具現化されますよう,今後とも,県とともにその責任を果たしてまいりたいと考えております。

 次に,重点課題の第四として防災について申し上げます。
 昨年を振り返りますと,国内では相次ぐ台風の上陸や集中豪雨災害,記憶に新しい新潟県中越地震が発生いたしました。また,海外に目を向けますと,アメリカ本土を襲ったハリケーンや年末のスマトラ沖地震など,国内外で大規模な災害が発生した1年でありました。被害に遭われた方々,そして今なお困難な生活を余儀なくされている方々に対し,心からお見舞いを申し上げます。
 こうした災害を教訓とし,次の南海地震を現実のものとして見据えた場合,大切な市民の生命を確実に守るためには,ハードの対策と併せまして速やかな情報収集と伝達による迅速な避難など,これまで重点的に取り組んでまいりましたソフト対策の充実が特に重要であると強く実感しているところであります。
 また,こうした取組と併せ,自ら守る「自助」と地域で支え合う「共助」を基軸とした「公助」との連携・強化が極めて大切であります。
 こうした基本的な考えに立ち,平成17年度につきましては,引き続き自主防災組織の強化や防災意識の積極的な啓発に取り組むとともに,津波防災対策事業で,これまでの浦戸・種崎・御畳瀬・藻洲潟地区に加え,新たに新川川北岸の「津波防災マスタープラン」の策定に着手いたします。
 今後,津波浸水が予想される他の地区につきましても,順次その取組を広げてまいります。
 住宅の耐震化につきましては,平成15年度から住宅の耐震診断を実施するとともに,平成16年度には関係機関,県との協力の下に耐震相 談窓口を設置し,併せて耐震改修への助成につきましても先進地の状況などを参考に検討を進めてまいりました。
 平成17年度につきましては,これまでの約800棟に及ぶ耐震診断の結果,8割以上もの住宅が倒壊の恐れありと診断されている現状を勘案し,住宅の耐震性強化は倒壊家屋による道路閉塞や火災発生を抑制することにつながり,速やかな住民の避難が可能となるなど,まち全体の安全性向上に大きく寄与するものである点を踏まえまして,県とともに木造住宅の耐震改修に対する補助制度を創設することといたしました。
 学校施設につきましては,南海大地震に備えての耐震化が急がれる中,高知市立の各学校でこれまでに43棟の耐震診断を行うとともに,22棟の耐震補強工事を行い,耐震補強の必要がない新耐震基準の建物を合わせますと,学校施設の耐震化率は40パーセントを超える状況となっております。
 平成17年度は,高須小学校北舎,長浜小学校校舎及び体育館,城北中学校北舎並びに新たに高知市立となりました鏡小学校校舎の耐震補強工事とともに,新堀小学校の体育館の改築工事を進めることとしております。
また,初月小学校南舎,大津小学校北西舎,愛宕中学校南舎及び南海中学校南舎の耐震補強設計と,旧土佐山村の小中学校校舎3棟の耐震診断を行うこととしております。
 将来に向けての耐震整備計画に関しましては,庁内組織の高知市立小中養護学校施設耐震化検討委員会において,防災計画や財政見通し等との整合性を図りながら整備計画の検討を進めることとしております。
 市営保育所の耐震化につきましては,昭和56年施行の現行耐震基準に基づかないコンクリート造の保育園が6園あり,平成15年度から順次耐震調査を実施し,耐震のための実施設計を進めております。
 平成17年度は河ノ瀬保育園と神田みどり保育園で耐震調査を行い,朝倉保育園で耐震化に係る実施設計を予定しております。さらに石立保育園では実施設計に基づきまして,耐震補強工事を実施することとしております。

 次に,競輪事業について申し上げます。
 競輪事業については,平成16年度の包括外部監査でも厳しい指摘を受けているところであり,平成17年度単年度収支の黒字化へ向けた取組として,人員削減を含む職員人件費の思い切った削減,従事員賃金の大幅な引き下げ,大型映像機器など賃借料の単年度2億円以上の減額,また,競輪場の使用料のうち,施設を一部しか使わない場外発売に係る使用料の設定の見直しなどを図っていく必要があります。
 今後,関係団体,業界等の全面的な理解と協力をいただきながら,計画の達成状況を検証していく必要があり,目標の達成が危ぶまれる状況が生じた場合は,事業の存廃を含めたより抜本的な検討に移ることも視野に入れ,不退転の決意で経営改善に取り組んでまいります。

 次に,競馬事業について申し上げます。
 競馬事業は運営赤字を出さないことを絶対条件として事業を継続しておりますが,売上減少に歯止めがかからず極めて厳しい経営状況にあります。
 平成16年度につきましては,徳島県藍住町に新たに場外馬券売り場を設置するなど売上の増加対策に取り組みましたが,期待通りの効果が得られず,当初目標を下回る厳しい状況で推移しております。
 このため,平成15年度の剰余金を取り崩す一方,第5回開催から売上目標を下方修正するとともに,人件費の切り下げや賞典奨励費の大幅削減などにより平成16年度の運営で赤字を発生させないための措置を講じたところであります。
 平成17年度については,競馬法の改正やIT企業のライブドアとの事業連携などにより改善が期待される面も一部ありますが,事業の継続が困難になっていく流れをくい止めるためには,さらに不断の努力が求められる状況にあります。競馬関係者挙げての懸命の努力を続けていく決意に応え,県とも情報交換を密にしながら支援してまいりたいと考えております。

 次に,平成17年度当初予算について申し上げます。
 平成17年度当初予算規模は,一般会計では 1,310億円であり,財政健全化に向けた事務事業見直しにより,対前年度当初比で 5.1パーセント減,昨年度の特殊要素の減税補てん債の借換えを除いた実質的な予算規模は対前年度比で 1.3パーセント減となっております。また,合併前の3市村の平成16年度当初予算を単純合計した額との比較では,減税補てん債の借換額を除いた額で3.4パーセント減となっております。
 全会計純計では,中央卸売市場事業の第7次施設整備事業の終了や,病院事業清算等特別会計の廃止による減額等から 2,563億 478万余円,対前年度当初比5.8パーセント減となっております。
 平成17年度当初予算の財源といたしましては,地方交付税を今後の補正財源として一部留保しつつ,市税等につきましては年間収入見込み額を計上いたしました。
 以下,平成17年度当初予算の主な施策の概要につきまして,先に述べました事業以外のものを中心に施策体系に従いご説明いたします。 まず,新しい価値を創造発信する都市についてです。
 にぎわいの都市空間整備では,市内3か所の土地区画整理事業を生活密着型公共事業として最優先に整備を進めるとともに,合併施行の密集住宅市街地整備促進事業につきましては,栄田町コミュニティ住宅2号棟の平成17年度中の完成に向けた工事施工と潮江西部第三コミュニティ住宅の建設に着手いたします。また,災害復旧対策の円滑な実施や境界紛争の防止,財産の保護などを目的とする地籍調査を鏡地区で 引き続き進めるとともに,防災意識が地域で高まっている浦戸地区でも事業着手をしてまいります。
総合交通体系の整備では,街路事業で上町2丁目南城山線,潮新町線など7路線9工区の整備を進めてまいります。
 道路新設改良事業では,旭町2号線など8路線の継続整備と大津5号線など2路線の新規整備を進めるとともに,高知東部自動車道関連の公共施設整備を進めてまいります。
 出会いと発見を育む観光・コンベンションの振興では,プロ野球をはじめとするスポーツキャンプ誘致に引き続き取り組むとともに,観光客の利便性の向上と観光地間の移動を快適なものにするための観光周遊バスに対し運営支援を行います。
新しい価値を生み出す商工業の振興では,引き続きコールセンターの誘致に向けた取組や製造業の活性化・販路拡大の支援に取り組んでまいります。
 都市と調和した農林漁業の振興では,農業基盤整備として引き続き土地改良事業や湛水防除事業を進めてまいります。林業振興では,森林を管理するために必要な地域活動,間伐の実施,作業道の開設などについて支援し,森林の適切な管理を促進することにより林業の振興を図る取組を強化してまいります。
 漁業振興では,種苗放流事業など漁業資源の拡大や漁場環境保全創造事業等の漁場整備を進めてまいります。
中山間地域の振興では有機無農薬栽培等に取り組む夢産地とさやま開発公社への支援,オーベルジュ土佐山,鏡文化ステーションRioの管理運営に取り組むとともに,合併を記念する市民の森について整備構想の具体化を進めてまいります。
 国際交流としましては,蕪湖市との友好都市提携20周年を迎えることから,公式訪問団の相互訪問をはじめとする記念事業の実施により友好を深めていくとともに,中国の経済発展を踏まえまして,本市産品の輸出や企業進出など経済交流についても可能性を探ってまいります。
 スラバヤ市との交流につきましては,当地で開催予定のよさこいフェスティバルの開催に合わせた交流を進めるとともに,スラバヤ市職員につきましても1名を受け入れることとしております。

 次に,いきいきと輝き安心して暮らせる都市についてです。
 子育て支援では,市営保育所での延長保育の促進と幼稚園への心身障害児就園補助を拡充いたします。学校教育につきましては,現在の小学校1年生に加えまして,すべての小学校2年生と一部の中学校2年生において30人学級編成を進めるとともに,幼稚園,保育園,小学校,中学校の連携教育や家庭と連携して行う家庭学習の習慣付けなど,学校や地域の特色を活かした実践研究に対する支援により学力向上対策を推進します。また,引き続き国際理解教育,森林環境教育を進めてまいります。
 学校の施設整備では,校舎等の改築につきましては,平成15年度に着工した城西中学校南舎改築工事と平成16年度に着工した一宮東小学校校舎・屋内運動場改築工事について工事を継続し,平成17年度中の完成を目指すとともに,学校建設公社から横内小学校の特別教室棟の買取りを行います。
 青少年の健全育成では,放課後児童クラブを第六小学校に開設するとともに,潮江東小学校,大津小学校に第二児童クラブを開設することとしております。
 生きがい輝く生涯学習・スポーツの環境づくりでは,市民図書館分室として鏡図書室,土佐山図書室を開設いたします。また,種崎地区の中城家から寄託されております坂本龍馬とも関係する幕末からの貴重な古文書,絵はがき等の資料目録整備に取り組みます。
文化と歴史を育むまちづくりでは,かるぽーとを拠点施設として,市民の文化・芸術活動の支援,活性化に取り組んでまいります。
 スポーツ活動の推進では,地区体育会を中核とした総合型地域スポーツクラブの設立に取り組むとともに,城ノ平運動公園の維持管理に必要な施設整備を進めます。

 また,文化財の保護では,東九反田公園のリニューアルに合わせた歴史解説版の設置,旧山内家下屋敷長屋展示館の修繕,国の名勝に指定された竹林寺庭園についての保存管理計画の策定などに取り組んでまいります。 健やかに暮らせる環境づくりでは,健診,相談,指導等による母子の健康づくり支援などを引き続き進めるとともに,衛生対策では一般 公衆浴場が行うレジオネラ感染症対策に対する助成制度を創設いたします。
 やさしさあふれる高齢社会づくりでは,介護予防に繋がる高齢者のパワーリハビリテーションを引き続き推進するとともに,第3期介護保険事業計画の策定に取り組んでまいります。
 自立いきいき障害者福祉の充実では,在宅の重症心身障害者のための通所事業を独立行政法人国立病院機構高知病院に委託して実施いたします。
 生活を支える社会保障の充実では,生活保護医療相談員の配置により長期入院患者の受け入れ先確保などの退院支援を進めるとともに,誠和園では在園者に対し園内及び訓練用住居での計画的な居宅生活訓練を実施し,自立意欲を高め居宅生活への移行を支援する事業に取り組みます。
 また,(仮称)西部健康福祉センター整備に向けての建設地周辺の家屋現況調査を実施いたします。
男女共同参画社会づくりでは,男女がお互いの人権を尊重し,市民が主体的に男女共同参画社会づくりに取り組むための条例制定を受けまして,市民の皆様に条例内容をご理解いただき活用していただくための啓発事業を進めたいと考えております。

 次に,環境と共生する安全で快適な都市についてです。
 災害に強いまちづくりでは,浸水対策としての都市下水路建設や河川水路整備,排水機場整備の取組を進め,吹井排水機場につきましては平成17年度中の完成を目指してまいります。消防体制の強化では三里分団吹井部屯所の建設工事を行います。また,引き続き自主防災組織の育成強化や資機材配備の充実を図ってまいります。
 地球環境に貢献する循環型社会の構築では,引き続き旧清掃工場の解体撤去及び跡地整備事業であるエコ・パーク宇賀整備を進めるとともに,廃止後2年を経過する土佐山簡易ごみ処理施設についても解体し,ストックヤードとしての整備を行います。
 海と森が映える水とみどりのまちづくりでは,都市緑化の推進として,引き続き竹島公園や沖田公園などの整備を進めてまいりますとともに,中心市街地活性化広場公園整備事業として,城見公園,桜馬場公園の整備や和泉公園のトイレ改築に取り組んでまいります。また,みどり豊かなまちづくりを目指して,花とみどりのまちづくり事業や,花ストリートの整備を進めてまいります。
 安全でおいしい水の安定供給では,地震対策として配水池への緊急遮断弁の設置とともに,針木浄水場から九反田排水所までの送水幹線の二重化に取り組みます。
 公営住宅の整備では,老朽住宅の建替事業として,平成17年度の完成に向け鏡川町公営住宅の建替工事を進めるとともに,既設住宅の計画修繕による維持保全に取り組みます。
 下水道整備では,長浜6号・南浦長浜雨水幹線管渠の築造に着手するなど引き続き雨水対策に取り組むとともに,平成17年度末の普及率48.4パーセントを目指して管渠築造事業等の面的整備を図ってまいります。

 次に,実現に向けてのしくみづくりについてです。
 市民主導型市政の推進では,引き続きコミュニティ活動支援事業やまちづくり啓発事業等に取り組むこととし,合併により新たに加わりました鏡・土佐山地区におけるまちづくり計画に取り組んでまいります。 情報化の推進では,国民健康保険事務システムについて給付確認事務システムの再構築による処理の最適化を図るとともに,総合例規管理システムについてもシステムの見直しによる法制事務,情報提供の効率化を図ることとしております。

 次に,平成16年度補正予算について申し上げます。
 今回の補正予算の主なものは,連続立体交差や港湾等の県営工事負担金,退職手当,老人医療特別会計の医療費に係る繰出金等であり,補正総額は,全会計純計で47億687万余円となります。
 これらの補正財源は市債等の特定財源のほか,一般財源として地方交付税等を充当いたしました。

 次に,予算外議案について申し上げます。
 条例議案は,法令の改正等によるものなど22件です。
 この中で市第25号議案は,先に申し上げました指定管理者制度の導入に伴い,指定管理者の指定の手続等に必要な包括的事項を定める条例を制定するものです。
 市第28号議案は,非常勤特別職の報酬等の減額と中央卸売市場取引事業監視員,生活保護医療相談員の新設等に伴い条例の一部を改正するものです。
 市第29号議案は,地方自治法の改正に伴い,長期継続契約を締結することができる契約について必要な事項を定める条例を制定するものです。
 市第34号議案は,男女共同参画社会の推進について,基本理念を定め,市,市民,事業者,市民団体の責務を明らかにするとともに市の施策の基本となる事項を定める条例を制定するものです。
 市第39号議案は,水銀含有廃棄物の処分について,市の受入れを廃止することに伴い条例の一部を改正するものです。
 その他議案は,包括外部監査契約締結議案,市道路線の廃止・認定議案,工事請負契約の締結議案など11件です。
 報告11件につきましては,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。
 以上,提出いたしました議案につきまして,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。