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第396回高知市議会定例会市長説明要旨(平成18年6月15日)

 第396回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。
 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。
 まず,地方と国との厳しい攻防が続いております三位一体改革について申し上げます。
 地方分権の一層の推進を目的とした国から地方への税源移譲や国庫補助負担金の削減,地方交付税の改革を柱とする三位一体改革は,平成18年度までの第1期改革において,所得税から個人住民税への基幹税による3兆円規模の税源移譲が実現したところです。
 しかしながら,約4兆7千億円の削減が行われた国庫補助負担金では,義務教育費や児童扶養手当給付費など単なる補助負担率の引き下げにとどまっているものが大半であり,また,地方交付税につきましても,平成18年度までの3年間で大幅な削減がなされてきております。
 現在,平成19年度に向けた三位一体改革については,国と地方の攻防が激しくなってきており,予断を許さない状況となっております。
 本年7月に閣議決定がずれ込むことが予想される「骨太方針2006」の決定に向けて,国の経済財政諮問会議においては,地方交付税の現行の法定率を引き下げて総額を削減することが論議されております。
 また,竹中総務大臣が設置した地方分権21世紀ビジョン懇談会では,地方交付税について,現在の精緻な算定方法を改め,単純に人口・面積を算定の基本とする新型交付税の導入や不交付団体の拡大についての具体的な提言,財政状況の悪化した自治体に適用する再生型破綻法制の整備に関する検討が行われています。
 残念なことに,こうした論議は,地方分権社会の実現に向けた税源配分の見直しや税源移譲が十分に確立されていない状況の中で,地方交付税制度が本来担っております財源保障機能や財政調整機能などの本質的な議論から懸け離れたところで検討がなされており,国が一方的に歳出負担を減らし財政再建を進めている色合いが濃いものであることに大変懸念しております。
 これらの国の動きに対しまして,地方六団体は結束して戦っていますが,去る6月7日に六団体が共同して地方自治法第263条の3第2項の規定に基づく意見書の提出を内閣及び衆議院・参議院に対して行いました。
 今から12年前の平成6年度に行った地方六団体からの意見書提出では,平成7年の地方分権推進法の制定につながり,地方分権運動の大きな原動力となりましたが,現在の地方を取り巻く政治的な状況は当時より,はるかに厳しいものがあると感じております。
 今回の意見書では,大きく7項目の提案を行っており,その主な内容は,(1)「(仮称)新地方分権推進法」の制定,(2)国と地方の協議の場を法定化した「地方行財政会議」の設置,(3)地方税の充実強化による不交付団体人口の大幅増,(4)地方交付税を「地方共有税」に改め,法定率の引き上げ及び特別会計への直入,(5)税源移譲に対応し,国庫補助負担金の総件数を約200件に半減,(6)二重行政の解消など国と地方の関係の総点検による財政再建,(7)財政再建団体となる基準の透明化等,となっており,これからの地方の自主自立を尊重した内容となっております。
 いま地方の置かれている状況は非常に厳しいものがあり,まさに地方は存亡の危機にあると認識しておりまして,今後さらに地方六団体と密接に連携を図りながら,閣議決定に向けて作業が進められております「骨太方針2006」はもとより,平成19年度からの第2期三位一体改革に対しまして,真の地方分権社会の実現に向けた地方からの意見が十分に国政に反映されるよう,全力で取り組んでまいりますので,議員の皆様におかれましても,ご支援とご協力を重ねてお願い申し上げます。
 次に,国会での医療制度改革関連2法案の成立に伴います社会保障制度改革について申し上げます。
 この度の健康保険法等改正案では,医療費適正化の総合的な推進が柱となっており,高齢者の方々の患者負担の見直しや生活習慣病対策の推進等とともに,平均在院日数の短縮が盛り込まれ,その具体策として長期入院しておられる高齢者の方々を対象とした療養病床の削減と再編成が掲げられています。
 その内容は,医療保険適用の療養病床を医療必要度の高い患者さんに限定する一方,介護保険適用の療養病床は平成23年度末ですべて廃止され,医療必要度の低い患者さんについては,医療機関から老人保健施設やケアハウス,それぞれの家庭における在宅介護などに移転させる方針であり,全国の療養病床の38万床を平成24年度以降は医療保険適用の15万床に絞り込み,残る23万床については医療保険財源などを活用して老人保健施設,ケアハウス,有料老人ホーム等へ施設転換を進めるものであります。
 全国平均の約3倍の病床を持つ本市にとって,この制度改正の影響は非常に大きなものがあります。市内には,現在,療養病床を有する医療機関が38病院,病床数は4,145床あり,これが国の方針どおりに進められますと約2,500床が廃止となることから,現在入院中の方々の移転先が必要となります。実際,本年7月から実施される診療報酬改定では,医療の必要度の低い方々に対する療養病棟入院基本料が大幅に引き下げられることから,現に入院中の多くの方々が退院を迫られることが大変に危惧されています。
 このため,本市としましては,関係機関等を通じ国に対し,7月から実施される医療点数の三区分の運用基準を早急に見直すこと,介護保険の療養病床の老人保健施設等への転換に対する補助金の確保など,制度改正に対する十分な予算措置を強く求めるとともに,医療行政を担当する県と協力して制度移行時の混乱の回避に向けて積極的に働きかけてまいりますので,ご支援をお願い申し上げます。
 また,平成20年度から新たに始まります後期高齢者医療保険制度では,県内の全市町村が加入する広域連合がその制度の運営主体となり,高齢者一人ひとりの皆様が保険料をご負担いただく形態で制度が運営されることとなります。県内におきましても,来年早々には広域連合が設立され,広域計画を決定し,平成19年10月頃までに保険料の決定や関係条例の整備を行うこととなるため,本年9月までには県内全市町村の参加の下で準備委員会を設置していく必要があります。
 時間的にも余裕がなく,広域連合設立までには様々な困難が予測され,また,制度の運用開始後におきましても広域連合の事務局が1か所となることから,各市町村での対応窓口の整備など,今後解決しなければならない課題も多くありますが,円滑な制度の移行に向けた本市としての役割を一定担ってまいらなければならないものと考えております。
 次に,地域高齢者支援センターの取組状況等について申し上げます。
 介護保険制度の改正に伴いまして,本年4月に地域包括ケアを支える中核機関として,地域高齢者支援センターを市内4か所に設置いたしました。
 現在,新予防給付のケアマネジメントを行う嘱託の介護予防支援員を雇用し準備作業を進めており,今月5日から13日の間には,それぞれの地域高齢者支援センターの主催で,市民の方々への周知と各地域との連携,介護予防への理解を深めるための開設記念講演会も開催したところです。
 なお,本年7月からのサービス開始後は,各センターにおきまして,総合相談支援,権利擁護・虐待防止支援,包括的・継続的ケアマネジメント支援,介護予防ケアマネジメント等の業務を積極的に実施してまいります。

 次に,春野町との合併協議の状況について申し上げます。
 本年5月27日の合併協議会を含め,これまで7回の協議会を開催し,33の合併協定予定項目のうち,平成20年1月1日を合併の目標期日とすること,条例・規則等や職員の身分,地方税,各事業の取扱いなどの 26項目について協議会のご承認をいただきました。
 今後は,「新市まちづくり計画(案)」の作成など残る協定項目について,墓地問題等の整理など課題も幾つか残っておりますが,春野町とも連携・協力しながら,目標期日である平成20年1月1日の合併を目指し,鋭意取り組んでまいります。
 合併協議に基づいて,本年4月20日から5月2日にかけて,高知市及び春野町の満20歳以上の住民の方々1万人を対象に郵送方式で実施いたしました「新市まちづくりに関する住民アンケート」の結果についてご報告を申し上げます。
 アンケート調査は,2市町の住民の皆様からご意見やご要望をお伺いし,「新市まちづくり計画」にその内容を反映していくことを目的に実施したものであり,最終の合計有効回答数は3,209件,有効回収率は32.3%となりました。
 アンケートの結果では,合併後の「まちづくりのための重点施策や重点事業」として,防災対策や福祉サービスの充実,公共交通機関の確保などのご意見が多く寄せられ,また,「まちづくりへの不安」につきましては,行政区域の拡大によってきめ細やかなサービスの低下や地域からの意見の反映がされにくくなることに対する危惧,公共投資が分散されることによるまちづくりの遅れなどについて多くの回答があり,その他自由意見としても沢山の貴重なご意見やご要望等をいただきました。
 アンケートにご協力いただきました皆様には,この場をお借りいたしまして心から感謝を申し上げますとともに,いただきました貴重なご意見やご要望等は「新市まちづくり計画」に反映させてまいりたいと考えております。
  今後,残ります協議事項について精力的に取り組んでまいりますとともに,来る7月2日には「新市まちづくり計画(案)」を基に,「新市まちづくりに関するシンポジウム」の開催をRKCホールで予定しており,多くの皆様にご参加賜りたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。
 次に,中山間振興の取組について申し上げます。
 高知市は,鏡村,土佐山村との合併により,旧高知市の北部地域と合わせ,広大な中山間地域を有することとなりました。この地域は高知市民の命の源とも言うべき鏡川の源流域に当たり,豊かな自然に恵まれ,長い歴史と文化を育む魅力ある地域であります。
 しかしながら,中山間地域の現状は,若者の流出による人口の減少や急速に進む高齢化の進行など地域の活力低下が懸念されており,その対応が強く求められています。
 昨年11月から本年1月にかけまして8回にわたり,旧2村の各地域において「まちづくりトーク」を開催し,市民の皆様から多くの貴重なご意見やご要望等をお聴きしてまいりました。
 また,先日は,自由民権記念館の企画による「鏡川源流の里 鏡・土佐山の自然と文化財展」が開催され,川村・門田両議員さんとともに「山里の魅力を語る」というテーマで行われたシンポジウムにパネラーとして参加させていただきました。
 シンポジウムでは,少子化,高齢化等が進む非常に厳しい状況の中で,地域文化は生き残れるかというテーマについて活発な討論が行われ,「暮らしを守ることが文化を守り,自然を守り,ひいては地域を守ることになる」と改めて認識を強くしたところです。
 中山間地域の振興に関しましては,現在,取組を進めております3市村の新市まちづくり計画の推進も含め,中山間地域振興審議会において中長期的な中山間振興の在り方について具体的な検討をいただいているところであり,これまでに6つの取組の柱として,基幹産業である農業及び林業の振興や地域環境を活かした交流人口の拡大,定住対策の促進,福祉・教育等行政サービスの充実などについてご提言をいただいたところです。
 今後は,こうした審議会等からの提言とともに,「まちづくりトーク」やシンポジウムなどを通じていただきました市民の皆様の貴重なご意見やご要望も参考にしながら,具体的な振興施策を進めてまいります。
 また,中山間地域と深く関連する事業としまして,市民の森づくりや林業振興,鏡川清流保全の取組,地産地消の取組等につきましても計画的に事業を進め,地域における様々な英知を結集しながら,中山間振興に向けた取組を進めてまいります。
 次に,旧市民病院建物の一部崩落事故についてご報告を申し上げます。
 去る6月11日の正午過ぎに,旧市民病院南館の1階及び2階の西側庇(ひさし)部分が幅60cm,延長約15mにわたり崩落いたしました。近隣からの連絡を受けまして,関係職員が現場に向かい,路上の落下物等を工事用のビニールシートで覆い,飛散防止を図るとともに,二次的な崩落の危険性のある西側の市道を通行止めにし,安全対策のため警備員4名の配置を行いました。
 また,同日夕方には,周辺の約40世帯の方々に対し職員が直接訪問し,不在のご家庭には文書により,事故のご説明とお詫びを申し上げるとともに現場復旧等についてご理解をお願いしたところです。
 現在,当該道路を全面通行止めにした上で,6月13日から本日までの3日間で,応急措置として落下部分の撤去を行っているところでありますが,警備員による交通整理を行いながら,引き続き,撤去部分の仮囲いやガラス窓の窓囲い等の応急対策工事を行うこととしております。
 なお,今後,残存部分の庇(ひさし)の撤去等についても,順次実施してまいりたいと考えております。

 次に,(仮称)総合あんしんセンター整備への取組について申し上げます。
 この施設は,あらゆる災害から「市民の生命と財産を守る」機能を統合する施設として,「保健・医療・福祉・防災」の連携を一層強化することにより,関心が高まっております災害に対する市民ニーズに的確に対応することを目的とし,保健所,消防局及び災害対策本部機能に加え,医師会等関係団体の施設を併設した,総合的な拠点複合施設として整備するものであります。
  まず防災面ですが,台風や集中豪雨による風水害,近づきつつある南海地震による家屋の倒壊や斜面崩壊,津波被害等に迅速かつ適切に対応するためには,災害情報の早期把握,迅速・的確な対応,多数の傷病者に対する応急医療活動を実施するための医療対策本部との密接な連携が不可欠であると考えておりまして,防災拠点として,消防局及び災害対策本部機能等を併設した総合防災センター機能を有する施設として整備を行うこととしております。
  また,平成10年の中核市移行に伴い開設しました保健所については,県施設の借用等により運営してまいりましたが,この間,新しい保健所の機能や在り方について具体的な検討を重ね,医師会,歯科医師会,薬剤師会等関係団体とも協議を行い,新施設はこれらの関係団体の施設を併設した複合施設といたしました。
  感染症対策や食品保健対策,総合的な健康づくりなど,市民の生命と健康を支えるための,保健・福祉との連携強化,さらには,自然災害も含め,あらゆる健康危機に迅速かつ適切に対応できる保健所としての機能を有し,休日・夜間急患センターや医療安全支援センターの併設などにより,健康都市づくりのための健康あんしんセンター機能を有する施設として整備することとしております。
  こうした方針の下,本年度は,既存施設の解体設計や新施設建設の設計業務に着手し,平成19年度には既存施設の解体,平成20年度から約2か年で新施設を建設し,平成22年4月の新施設オープンに向けて総合的に取り組んでまいります。 
 次に,土佐橋地区の今後の整備方針についてご報告申し上げます。
 この事業は,交通結節点機能の強化拡充や歩行者動線のネットワーク化,観光バス駐車場整備の3つの目的から,バスターミナル機能や高架遊歩道などを一体的に整備する計画として,平成12年に国の認可を受け,整備を進めてまいりましたが,財政状況により本体工事を3か年休止し,平成19年度から本格的な工事の再開を目指していたものです。
  しかしながら,三位一体改革の影響等により,本市の財政状況は一層厳しい状況が予想され,行財政改革にさらに取り組んでいくことが必要な状況の中で,土佐橋地区の整備の再開につきましても,今一度,慎重な対応を取らざるを得ない状況となってきております。
  そこで,土佐橋地区の整備につきましては,長期的な視点に立ち,2期に分けた段階的整備を図ることとし,まず第一期工事として,交通結節点機能としての強化や観光バス駐車場とその附帯施設の整備に,できるだけ早い時期に着手したいと考えております。
 高架遊歩道の整備を行う第二期工事につきましては,西武百貨店跡地再開発の動向や,都市計画道路はりまや町一宮線の開通状況,さらには,第一期工事での土佐橋地区周辺の土地利用などで,にぎわいの変化が目に見えて現れてくると予想される10年後を目処に,改めて財政状況等も踏まえ判断したいと考えておりますので,ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
 次に,4月29日に発生いたしました清掃工場の2号灰溶融炉からのスラグ流出事故について申し上げます。
 まず,市民の皆様や各議員の方々,関係者の皆様方に大変なご心配をお掛けすることとなりましたことをお詫び申し上げます。
 今回の事故は,ごみの焼却により発生します焼却灰等をプラズマ式灰溶融炉で摂氏1,300度以上の高温で溶融している最中に溶融炉の底に約5センチメートルの穴があき,そこから高温の溶けたスラグとメタルが流出したものであります。
 流出したスラグ等は,溶融炉の直下に設けております防液堤の中にほとんどが留まり外部への流出がなく,機器等の損傷の範囲も最小限に限定されたところです。このため,幸いにしまして,ごみの焼却は平常通り継続することができますので,ごみ処理に関する市民生活への直接的な影響は回避できましたが,事故原因を早急に解明し,二度とこのような事故を起こすことのないよう,ハード・ソフト両面において万全の安全対策を講じていく必要があります。
 5月1日からメーカーと合同で調査を開始し,現在,事故発生のメカニズムの解明について手順を追って事故調査を進めておりますが,この調査と並行して,再度,清掃工場の「安全第一」の考え方を徹底し,市民の皆様から全幅の信頼を得ることのできる安全な施設となるよう,関係職員とともに取り組んでまいります。
 次に,観光振興への取組について申し上げます。
 県内への観光客の入り込み状況は,ここ数年,低迷を続けておりましたが,今年は,NHK大河ドラマ「功名が辻」の放送開始や土佐二十四万石博の開催により,久しぶりに賑わいを見せ,高知市内や周辺の旅館・ホテルの宿泊予約状況は,例年の約2割から3割増しで推移し,好調さが続いております。
 本年度の観光振興策として重点的に取り組んでおります土佐二十四万石博は,4月1日に山内一豊役の上川隆也さんをお迎えして,華々しく開幕し,「大河ドラマ館」や「ふるさと交流市」など,主会場となっている丸ノ内緑地を中心として,高知城周辺にかなりの賑わいを創り出しております。
 会場の一つである高知城懐徳館には,藩政時代の町並みなどのジオラマを展示して好評を得ておりますが,博覧会開幕以降の2か月間で昨年の2倍以上の約8万4千人の入館者があり,大河ドラマや土佐二十四万石博による誘客効果を示すものであると評価されております。
 こうした中で,ゴールデンウィーク期間中,本市など県中央部を中心とした観光客の入り込みが昨年を上回り,県内主要観光施設では,平成14年以降で最高の利用者数を記録したという調査結果が公表されるなど,その効果が着実に現れてきております。
 もう一つの博覧会会場である県立文学館では,来月中旬から1か月半にわたってNHKなどの主催による特別巡回展「山内一豊とその妻」が開催されますことや,「功名が辻」の放送が進むにつれて,一豊夫妻の功名が結実する高知に対する関心がますます高まることが予想され,夏以降の観光客の入り込みについても,大いに期待するところです。
 こうした一方で博覧会開幕以来,週末のたびに悪天候に見舞われ,「大河ドラマ館」の入館者がやや伸び悩んでおりますので,40万人の入館者目標を達成するためにさらなる入館者増加対策の努力が必要であります。
 また,大河ドラマ効果だけに依存しておりますと,来年の観光客が大幅に減少することが懸念されますので,来年度を平成20年度に県内各地で開催されます「華フェスタ」につなげる重要な1年と位置付けながら,官民が一体となって来年度以降の観光振興策について,早急に検討を始めたいと考えております。
 次に,平成17年度の決算見込みについてご報告申し上げます。
 一般会計におきましては,前年度に引き続き,三位一体改革の影響などにより大変厳しい財政運営となりましたが,税制改正や一部企業に業績回復の兆しが見られたことなどにより市税収入がほぼ確保できましたことや,特別会計への繰出金や公共事業等の歳出に不用が生じたことなどによりまして,収支の均衡を保つことができる見込みとなっています。
 特別会計では,収益事業において単年度収支が黒字に転換いたしましたが,施設建設時の起債償還を行っております駐車場事業や国民宿舎運営事業等の会計とともに累積では収支不足が生じる見込みであり,今後,各会計とも収入の確保,経費の節減に努め,経営収支の改善に一層努力してまいります。
 企業会計では,水道事業で収益的収入は給水収益の減少のため前年度より1.9パーセントの減少となったものの,収益的支出が人件費・支払利息などの減少のため4.6パーセントの減少となったことにより,9億9,130万円余りの純利益となっております。
 以下,議案についてご説明を申し上げます。
 今回提出いたしました議案は,予算議案4件,条例議案9件,その他議案14件です。
 まず,今回の補正予算は,一般会計では,先に申し上げました(仮称)総合あんしんセンター整備に伴う旧市民病院の建物解体設計と新施設の基本・実施設計等に伴う経費,また本年4月に内閣府から補助内示をいただきました(仮称)種崎地区津波避難センター整備の経費について,それぞれ平成18年度及び平成19年度の継続費として予算計上いたしました。また,地域安心安全ステーション整備事業の補助金,高金利対策として実施する公営企業金融公庫の借入金の借換えに伴います下水道事業会計と水道事業会計への繰出金の減額等について予算計上いたしました。
 へき地診療所事業特別会計では人間ドック受診者を対象とします鼻腔内のMRSA保有率に関する調査研究事業の実施に係る経費について補正することといたしました。
 また,下水道事業特別会計及び水道事業会計では,昨年度に引き続き国の臨時的特例措置に基づき,公営企業金融公庫の借入金のうち利率が年7.3パーセント以上のものについて借換えするものであり,下水道事業では年利率 7.6パーセント以上の高金利の未償還元金を,上水道事業におきましては年利率 7.4パーセント以上の高金利の未償還元金を,それぞれ低利に借り換える予算を計上するものです。
 以上,申し上げました内容によりまして,提案いたしております今回の補正規模は,
  一般会計   1億 600万円
  特別会計   3億 14万7千円
  水道事業会計 4億5,563万8千円
のそれぞれ増額であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で2,583億2,592万7千円となります。
 なお,この補正財源としては,国・県支出金,市債等の特定財源を充当するとともに,一般財源については普通交付税を減額いたしました。
 次に,予算外議案について申し上げます。
 条例議案は,法令の改正に伴うものなど9件です。
 市第75号議案は,本年4月1日に改革推進室を設置いたしましたことに伴い,企画財政部の事務分掌に「職員の意識改革に関する事項」を追加するものです。
 市第76号議案は,行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の施行等に伴い,自己情報の利用停止請求制度や職員等に対する罰則などの規定を追加して,条例の全部改正をするものです。
 市第79号議案は,政令の改正に伴い消防団員に係る退職報償金の改定を行うものです。
 その他の議案は,老人医療事業特別会計の繰上充用金の専決処分の承認議案,市町村合併に伴う一部事務組合等の規約の変更に関する議案,施設譲与に関する議案,工事請負契約締結議案,塵芥収集車の購入契約締結議案など14件です。
 報告6件につきましては,繰越計算書など,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。
 以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。