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第424回高知市議会定例会市長説明要旨(平成22年12月7日)

第424回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

1 国政・経済の動向

まず,我が国の経済状況と国政の動向について申し上げます。

一昨年秋のリーマンショック以降,急速に減速した世界経済は,中国経済や新興国などの成長に牽引され回復してきており,我が国経済も数次にわたる国の経済対策効果等により回復の兆しを見せておりましたが,最近の急激な円高による企業業績への影響悪化やエコカー補助金の終了などもありまして,今後の景気の先行きが懸念されます。

先月18日に内閣府が発表した月例経済報告では,景気が足踏み状態にあるとされ,輸出が弱含みであるとともに,生産が減少しており,依然として失業率が高水準にあることなど厳しい状況となっています。

高松国税局がまとめました昨年度の四国4県の企業の法人税課税状況では,申告税額は愛媛県を除く3県で前年度を下回り,高知県では20パーセントも減少しており,改善傾向にある大企業が多く立地する都市部との格差が拡大しているものと考えます。

こうした状況の中,疲弊した地方の再生に向けた国の経済対策の一日も早い実施が望まれておりましたが,11月26日の深夜に国の補正予算が成立いたしました。

約5.1兆円の経済対策規模となる今回の国の補正予算は,公共事業等の前倒しなどのほか,地方に対する総額3,500億円の地域活性化交付金とともに,3,000億円の地方交付税の再配分が含まれており,本市にとりましても貴重な財源となりますので,この国の補正予算を最大限活用してまいります。

2 平成23年度予算編成

次に,平成23年度予算編成について申し上げます。

本年6月に閣議決定されました国の財政運営戦略では,平成22年度当初予算の一般歳出総額と地方交付税額を合わせた約71兆円が「歳出の大枠」として位置付けられ,平成23年度からの3年間,この総額が事実上の上限額になることが決定されましたので,年間1兆円を超える社会保障費の増額を吸収していくためには,地方交付税総額の削減など,地方財政への影響が懸念されています。

去る10月29日に行われました国の交付税特別会計の事業仕分けにおきましても,交付税制度の抜本的見直しという判定が下され,心配しておりましたが,疲弊した地方財政の再生のために増額されてきた交付税1兆5千億円の加算分について,来年度から廃止する方針を財務省が固めたとの報道がなされました。

今回の財務省の方針は,三位一体改革の影響を血の滲む努力で切り抜けてきた地方財政を再び悪化させ,地域経済を疲弊させるものであり,断じて受け入れられるものではありません。

年末の地方財政対策の関係大臣折衝に向けて,地方財源の充実確保の重要性を国に強く訴えてまいりますので,ご支援をお願いいたします。

このような国の状況の下で,本市の来年度当初予算の編成につきましては,財政再建を着実に進めながら,鏡・土佐山・春野地域との合併後初となります2011高知市総合計画における都市像「森・里・海と人の環 自由と創造の共生都市 高知」を実現するための実行予算を確保することとし,一般会計での概算要求基準額を平成22年度当初予算比2.9パーセント増の1,328億円とする予算編成方針を策定いたしました。

11月12日に出揃いました各部局からの予算要求総額では,想定以上の扶助費の伸び等によりまして,一般会計概算要求基準額から事業費ベースで約46億円,一般財源ベースで約16億円超過しておりますが,来年度の地方財政対策等の動向を注視しながら,今般の国の補正予算の活用等による前倒し編成などを行いまして,財政再建と地域活性化との両立を目指した予算編成作業を進めてまいります。

3 行政改革・アウトソーシング

次に,行政改革の推進について申し上げます。

本年3月に平成22年度から24年度までの3か年を計画期間とする行政改革第三次実施計画を策定し,「事務事業の抜本的改革,業務プロセス改善の徹底化,業務アウトソーシングの推進」の3つの柱を最重点項目として取組を進めております。

これらの取組の中で,ごみ収集業務のアウトソーシングにつきましては,これまで一部地域での収集委託等も含めて,様々なご意見をいただいてきたところですが,本年4月から現場職員も参加したごみ収集業務の今後の方向性に関する検討委員会を設置し,市民サービスの向上と効率的・効果的な収集業務体制を構築することを目的として,他都市との収集体制やコスト比較なども行いながら,ごみ収集業務の今後の在り方や業務委託などについて,検討を重ねてまいりました。

検討結果の報告としまして,可燃ごみ,プラスチック製容器包装及び可燃粗大ごみの直営収集は継続しながら,ごみ収集ルートの見直しや車両の大型化等による効率化と併せ,量販店等で拠点回収しているペットボトル収集業務の外部委託を行うことなどにより,現在の職員定数の約4分の1に当たる35名の職員数を削減することとしております。

このことによりまして,ごみ収集経費で年間約2億円の削減効果が見込まれており,可燃ごみ収集を外部委託している他都市と比較しましても低コストで,かつ,課題である災害時における対応や市民協働による「高知方式」の維持発展も期待できるものと考えております。

今後,この報告の内容を踏まえながら,市議会でのご意見もいただき,本市のごみ収集体制を見直してまいりたいと考えております。

4 総合計画

次に,次期総合計画への取組について申し上げます。

本年4月28日に次期総合計画原案を諮問して以来,市議会からもご参加いただき,60名の委員の皆様により,それぞれ5つの専門部会を立ち上げまして,6つの施策の大綱からなる基本構想の審議を行ってまいりました。

基本構想実現の方策を示す10年間の基本計画では,施策の大綱に基づく分野別施策に加えて,戦略的な視点に立った事業を優先的・重点的に進める横断的施策として「総合戦略 環境維新・高知」に関する審議を経て,意見集約を行ってまいりました。

併せまして,31の政策,93の施策からなる基本計画の各論につきましても,ご多忙の中,5つの専門部会で延べ21回もの会議にご参加をいただき,熱心なご審議を賜ってまいりましたことに感謝を申し上げます。

今後は,今月末に予定しています第3回全体会での論議を経て審議を終了し,原案に対する答申をいただく予定となっております。

総合計画と関連いたしまして,先月から開催しております高知大学と本市共催の公開講座は,県域全体を視野に入れた「地域の自然と社会に関する総合調査」を高知大学に委託し,その報告内容をテーマに,広く市民の皆様に地域を知っていただく機会を兼ねて各講座定員50名で開催しておりますが,定員を超えるときもあり,市民の皆様からも好評を得ております。

次期総合計画につきましても,できるだけ広く市民の皆様に概要を知っていただき,ご意見をいただけるよう,来年の1月から2月にかけてパブリックコメントを実施するとともに,シンポジウムの開催も予定しているところであります。

議会の皆様にもその内容を十分にご説明させていただき,来年の3月議会には議案としてお諮りしてまいりたいと考えております。

5 定住自立圏構想の取組

次に,定住自立圏構想への取組について申し上げます。

高知市と南国市・香南市・香美市では,4市連携により,この圏域で人口減少を食い止めるダム的役割を担うことを目指し,人口定住を図るための生活機能を確保するという観点から,「生活機能の強化」「結びつきやネットワークの強化」「圏域マネジメント能力の強化」の3つの視点に基づき協議を重ね,先の9月議会で各市との協定議案の議決をいただき,去る10月6日に3市それぞれと定住自立圏形成協定を締結したところです。

中心市である本市では,協定により形成された定住自立圏全体を対象に,4市の有識者で構成する「定住自立圏ビジョン懇談会」からのご意見をいただき,圏域の将来像や協定に基づき推進する5年間の具体的な取組として,13項目24事業を登載した「高知中央広域定住自立圏共生ビジョン」を11月30日に策定いたしました。

今後,本圏域の持つ自然・文化などの固有の財産を活かした魅力ある地域づくりを目指しまして,4市連携の下に,この共生ビジョンに基づく具体的な事業に取り組んでまいります。

6 中心市街地活性化

次に,中心市街地の活性化について申し上げます。

昨年11月から県市合同で取組を進めております「はりまや橋周辺から高知城までの東西軸エリアの活性化プラン」につきましては,有識者による検討会をはじめ,「よさこい」,「まんが文化」,「商店街活性化」をテーマとした3つのプロジェクトチームでの検討や,関係団体等との意見交換を踏まえ,11月に開催しました検討会で素案のたたき台をお示ししたところです。

この素案のたたき台では,基本的な考え方や目指すべき姿として,東西軸エリアに多くの人々が集まり,誰もがゆっくりと楽しみながらまちなかを気ままに歩くことができるエリアづくりを目指し,プラン実現のために,「高知の強みを余すことなく活用する」,「地元に支持される商店街づくりを進める」,「まずは東西軸エリアに重点化する」,「まち歩き観光により経済効果を高める」の4つの方針を掲げております。

具体的な事業につきましては,個々のスポットや地域ごとに実施するものや,エリア全域で実施するもの,連携して実施するものの3つのカテゴリーに分類し,それぞれの事業を整理しています。

今後の予定としましては,素案のたたき台に基づいて,さらに議論を重ね,来年1月にはプランの素案を作成し,パブリックコメント等を経て,3月末までにプラン最終案を策定してまいります。

7 図書館整備

次に,新図書館整備について申し上げます。

市民図書館本館につきましては,県立図書館と合同で整備することを検討課題として,県市で「新図書館基本構想検討委員会」を設置し,現在熱心なご議論をいただいております。

また,「子ども科学図書館・こども科学館基本構想検討委員会」「新点字図書館基本構想検討委員会」も同時に設置しまして,それぞれ併行して検討を進めていただいているところです。

新図書館基本構想検討委員会では,「これからの図書館は娯楽・教養型から地域の課題解決支援型への脱皮が求められる」「頼りになる図書館をどう創っていくか。今回の論議は理念を実体化できる良い機会である」「図書館はネットワークが大切だ」等の貴重なご意見をいただいており,一方では「新図書館のイメージや役割分担がつかみにくい」というご指摘もいただいておりますので,今後,議論の進展に併せて十分な検討材料を提供していくこととしております。

検討委員会の方向性として,市民図書館本館は分館・分室・移動図書館・市内学校図書館などへの支援を充実するとともに,県立図書館は各市町村立図書館などへの支援強化と併せて県全体の図書館政策の推進を行うことが,それぞれの機能・役割として求められておりますので,基本構想の策定に当たっては,こうした機能と役割を考慮しながら新図書館についての論議が深められるものと考えております。

県市の合築図書館が実現いたしますと蔵書数は四国でトップレベルとなりますので,多様な分野の一般書から専門書まで揃った図書サービスを実現するとともに,人々の暮らしや仕事における様々な課題を解決するための情報提供やレファレンス機能など,県市連携してその内容を充実させてまいりたいと考えています。

今後のスケジュールにつきましては,検討委員会において2月上旬に中間報告をとりまとめ,パブリックコメントを実施し,本年度内に基本構想を策定する予定となっております。

また,本年9月に国土交通大臣の承認を得ました「高知市中心商業地区市街地総合再生計画」におきまして,新図書館の立地を含む街区を重点地区と位置付け,「効果的な場所での地区再生のモデルづくり」「集客力のある施設の立地誘導による人々が集まる拠点の創出」を目指しているところであります。

新図書館は,このような役割も担いながら,高知県及び高知市の新しい文化の拠点として整備していく考えでありますので,今後とものご支援をお願いいたします。

次に,下知市民図書館整備について申し上げます。

下知市民図書館は,平成16年に行いました2階部分の改修工事の際に多数の亀裂が見つかり,翌年の耐震診断の結果,安全対策のため2階部分の使用ができなくなっています。

その後,平成18年度には地元の方々によります「下知市民図書館整備基本構想・基本計画策定委員会」を設置し,平成19年3月には鉄筋コンクリート3階建て延床面積約1,000平方メートルの整備構想を報告書にまとめていただきました。

下知地域には公共施設が少なく,南海大地震の際には津波の浸水が予想される地域でもありますので,この図書館には防災面での重要な役割も求められており,早期整備の必要性は強く認識しておりましたが,財政状況の悪化によりまして,平成21年度予算編成の中で整備の一時凍結を判断せざるを得ず,地域の方々に事業の中断をお願いしたものです。

その後,本年9月議会において,地域活性化公共投資基金の活用についてご提案をいただき,また,地域から提出されました「下知市民図書館の改築について」の請願が全会一致で採択されますとともに,10月27日には「下知市民図書館の早期改築を求める会」と27町内会長の皆様方から,早期着手と工事期間中の仮設図書館開設のご要望をいただいたところであります。

こうした地元の皆様方の熱心な取組や市議会でのご意見を受けまして,地域活性化公共投資基金の活用により下知市民図書館の改築整備に着手したいと考えておりまして,今議会に設計予算をお諮りしたところです。

12月議会で予算をご承認賜りましたら,速やかに設計委託の発注を行いまして,平成23年度中には工事着手を行い,平成24年度内の完成を目指してまいります。

8 観光行政

次に,観光行政について申し上げます。

本年は,大河ドラマ「龍馬伝」の放送により,龍馬のふるさと高知が大いに注目される1年となり,開催中の「土佐・龍馬であい博」は,全国から多くの観光客をお迎えしております。

「土佐・龍馬であい博」のメイン会場でありますJR高知駅前の「高知・龍馬ろまん社中」の入場者数は,当初目標の40万人を大幅に上回り,11月30日現在で59万1千人を超え,市立龍馬の生まれたまち記念館は対前年比で3倍を超える入館者となるなど,龍馬関連施設を中心に多くの観光客で賑わっております。

宿泊につきましても年間を通じ宿泊客が多く,好調であるとお聞きしておりまして,「龍馬伝」のもたらす経済効果は非常に大きなものとなっています。

高知市では,「土佐・龍馬であい博」に合わせて,観光ガイドと巡る「龍馬の生まれたまち歩きから土佐っ歩から」をスタートさせ,これまでに1万人を超える方々にご参加いただき,観光客や旅行代理店の方々からも高い評価をいただいております。

また,桂浜の龍馬像横に龍馬と同じ目線で太平洋を眺める「龍馬に大接近」を初めて春にも実施するとともに,龍馬の誕生月である11月には龍馬月間と銘打ち,特に今年はポスト龍馬伝を見据え「龍馬のことばプロジェクト」と題して,龍馬が手紙などで残した著名な言葉をフラフに染め抜き,海援隊旗を模した紅白のバナーとともに,中心商店街を彩り,龍馬のふるさと高知のPRに積極的に取り組んでおります。

去る11月15日には,高知市と長崎市が呼びかけ人となり,京都の霊山護国神社におきまして,大河ドラマ「龍馬伝」関係自治体首脳会議「龍馬伝サミット」を開催いたしました。

高知市・安芸市・品川区・下関市・京都市・長崎市・霧島市・福山市の各自治体首脳による,大河ドラマ効果や今後の取組などについて有意義な意見交換を行い,「龍馬伝」を契機に今後の一層の連携を誓い合うとともに,上町の龍馬の生まれたまち記念館と長崎市の亀山社中記念館の姉妹館締結に向けた準備などを進めております。

また,慶応3年9月頃に撮影された龍馬最後の写真と言われる映像を基にした,龍馬の等身大の座像を龍馬の生まれたまち記念館に設置し,全国で初めての「龍馬の座像」ということもあり,記念館へお越しの観光客の人気の記念撮影スポットとなっております。

「龍馬伝」の放送を契機に積極的な取組を行いましたことが多くの観光客誘致につながったものと考えておりますが,「龍馬伝」も11月末をもちまして全48話が完結いたしました。

日本での放送は終了いたしましたが,「龍馬伝」は11月から台湾で放送が開始されており,来年1月からは韓国,2月からタイでの放送が決定しております。

また,中国や香港,ベトナムの放送局とも交渉が進められているとお聞きしており,アジア圏を中心として世界各地で龍馬ブームが起こりそうな気配もしており,海外観光客の受入体制の強化も図ってまいらなければならないと考えております。

この「龍馬伝」効果を一過性に終わらせず,継続的な誘客を図るため,来年3月5日から「志国高知・龍馬ふるさと博」を開催することを決定しております。

「歴史,食,花,体験」を大きなテーマとして,県下全域で龍馬を育んだ土佐の風土をまるごと体感していただく博覧会として準備を進めており,来年夏頃には大河ドラマ「龍馬伝」の生家セットと,幕末の志士を中心とした土佐の偉人を紹介するパビリオンがJR高知駅前のとさてらす西側に併設される予定となっています。

本市としましても,「龍馬の生まれたまち歩きから土佐っ歩から」のコース拡充など,まち歩きのブラッシュアップを図ってまいりますとともに,「龍馬伝」でスポットが当たりました志士や長宗我部氏関連の情報発信,また,高知城花回廊や龍馬まつりなどのイベントの充実,龍馬伝サミット関連自治体との連携などに取り組み,県と連携して「志国高知・龍馬ふるさと博」を盛り上げ,ポスト龍馬伝の観光振興に積極的に取り組んでまいります。

9 医療制度改革

次に,後期高齢者医療制度廃止後の新しい高齢者医療制度の検討状況について申し上げます。

国の高齢者医療制度改革会議において「中間とりまとめ」が8月に行われ,現在,今月末の「最終とりまとめ」に向けた詰めの論議が進められております。

新たな制度の内容としましては,現在の後期高齢者医療制度の被保険者約1,400万人のうち,被用者保険加入資格者の方々約200万人は健康保険組合などの被用者保険に移り,残りの1,200万人の方々は市町村国保に加入することとなります。

また,市町村国保に加入する75歳以上の被保険者の保険に係る財政運営については都道府県単位で行うこと,75歳以上の高齢者の方々の保険料負担は医療費の1割とすることなどが予定されています。

併せて,今後の市町村国保の財政運営については,重要な第2段階のスケジュールとして,国保の被保険者の全年齢の方々を対象として都道府県単位の運営に移行することなど,国保の広域化を推進する方向性が確認されており,その実施時期については厚生労働省が来年の通常国会に提出する法案の中で明示する方針を示されております。

国民皆保険制度の最後の砦である市町村国保は,被保険者数の少ない小規模市町村の存在や保険料の格差など,その運営には様々な課題を抱えており,国保の都道府県単位の広域化は避けて通れない課題であります。

都道府県を国保の運営主体とすることに当初から反対の立場を表明しております全国知事会では,運営主体となるための5つの条件を示すなど態度を変化させてきており,国保の広域化に向けた流れを一層強めていかなければならないものと考えております。

今後,政府では,これまでの論議の経過を踏まえ,年内に「最終とりまとめ」を行い,年明けの通常国会へ新たな制度改革の法案提出を目指しておりますが,最終とりまとめに当たっては,これまでも主張してまいりましたとおり,国民皆保険制度の最後の砦としての広域国保の安定的な運営に向けて,国庫負担の引上げなど,国において十分な財政支援を行い,地方や被保険者の方々の負担をできるだけ抑えること,また,新たな制度や国保の広域化に当たっては,都道府県がしっかりと責任を持つ制度とすることなどを強く求めてまいります。

10 教育行政

次に,学校教育について申し上げます。

本市では,県からの重点的な支援も受けながら県市連携の下で様々な学力向上の施策に積極的に取り組んでおります。

本年8月に開催されました県市連携会議では,重点的な取組として,小・中9年間を見通した一貫した学力対策を協議しております。

この取組は,中学校の教員が小学校へ出向いて授業を行ったり,小中合同の研修会を行うなど,小学校と中学校が連携して9か年継続して子どもたちの学びを保障していくものであります。

現在,各校において進めている「授業改革」や「中学校学習習慣確立プログラム推進事業」とともに,この小中一貫学力対策を充実させることで,中学生の学力や学習習慣の定着状況がさらに改善していくものと考えております。

また,中学校の数学教員の指導力向上を目指した「数学塾」を9月10日から11月25日まで,平日の夜に2時間,全部で10回開講したところ,夜間に行われる自主的な研修にも関わらず,延べ172人の教員が参加して有意義な研修を行うことができました。

引き続き,自主的な研修を月1回継続していくほか,小学校教員対象の「算数塾」も開講しており,こうした学力向上に向けた自主的な取組に強く期待をしております。

次に,野球場夜間照明設備の設置について申し上げます。

高知市営野球場への夜間照明設備の設置につきましては,8月24日の県市連携会議において尾崎知事との合意が整い,本年9月議会において基本設計に係る予算を計上したところでありますが,この度,国の補正予算による社会資本整備総合交付金を活用した整備が可能となる見通しとなりましたので,整備に係る予算を今議会に計上することといたしました。

現在,先進地視察等を行い,工法や工期の検討等を進めているところでありますが,SKワイバーンスやオリックスバファローズのキャンプへの影響を最小限にとどめることを念頭に置きながら,県市連携の下で平成23年度中の完成に向けて取り組んでまいります。

11 補正予算

以下,議案についてご説明を申し上げます。

今回提出いたしました議案は,予算議案10件,条例議案3件,その他議案6件です。

今回の補正予算は,去る11月24日の市議会臨時会において可決いただきました給与改定に伴う予算減額調整や新陳代謝等による人件費補正及び国の補正予算への対応や,扶助費の伸びによる補正などであります。

これらのうち,人件費補正では,全会計の職員給与費で約11億6千万円の減額となりまして,平成20年度当初予算を基準とする対比では30億円を超える人件費の削減となっています。

また,国の補正予算関連では,上町2丁目南城山線の街路整備,弥右衛門公園などの公共事業のほか,子宮頸がん予防ワクチン,ヒブワクチン,小児用肺炎球菌ワクチン接種に係る予算などを計上いたしました。

このほか,一般会計及び住宅新築資金等貸付事業特別会計では,平成19年度から平成21年度まで実施されました高金利の政府資金の補償金免除繰上償還が本年度から平成24年度までの3年間再度実施されることとなりましたので,本年度分の繰上償還及びその財源としての借換債の発行について補正いたしました。

以上,申し上げました内容によりまして,提案いたしております今回の補正規模は,

 一般会計   17億6,800万円

 特別会計   1億 518万6千円 のそれぞれ増額,

 水道事業会計 2億 156万円   の減額であり,

補正後の予算規模は,全会計の純計で2,358億1,166万8千円となります。

この補正財源として,特定財源では国・県支出金,市債等を充当し,一般財源については繰越金を充当いたしました。

12 予算外議案

次に,予算外議案について申し上げます。

条例議案は,国の省令改正に関するものなど3件です。

このうち,市第128号議案は,点字ボランティア活動の支援や点字図書館事業の振興のためにいただいた寄附金を原資にして基金を設置するための条例を制定するものです。

また,市第129号議案は,本市からの暴力団の排除について必要な事項を定めることにより,市民の皆様方の安全で安心な生活を守り,社会経済活動の健全な発展に寄与することを目的として,県下全ての市町村で足並みを揃えて暴力団排除条例を制定しようとするものであります。

その他の議案は,指定管理者の指定に関する議案など6件です。

報告1件につきましては,法令所定の手続によりご報告するものです。

以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。