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第439回高知市議会定例会市長説明要旨(平成25年9月10日)
第439回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。
議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。
1 国政・経済・地方財政の動向
まず,国政及び経済の動向について申し上げます。
去る8月15日に内閣府が発表しました月例経済報告では,企業収益が製造業を中心に改善されたことや,それに伴う雇用情勢も上昇したことなどから,「景気は着実に持ち直しており,自律的回復に向けた動きも見られる」とされています。
民間最終消費支出,設備投資,公共投資,輸出などが増加したことから,9月9日に発表された内閣府による本年4月から6月期の国内総生産の成長率に関する2次速報では,前期比0.9パーセント増,年率換算では3.8パーセント増となり,昨年10月から12月に引き続き3四半期連続のプラス成長となっています。
本県経済では,公共事業の請負金額や新設住宅着工戸数が平成25年5月現在において,前年度比率を上回っていることや,全国的な動きと同様に有効求人倍率が上昇していることから,全体として景気は持ち直しの兆しがみられています。
国においては,こうした経済状況の中,6月14日にデフレ脱却・経済再生に向けた「経済財政運営と改革の基本方針」を閣議決定いたしました。
基本方針の骨子として,「持続的な経済成長と財政健全化の両立」が掲げられており,財政健全化達成に向けた消費税増税について,税率引き上げが経済成長に与える影響を最終検証するために,有識者60人による「集中点検会合」が8月26日から6日間行われました。
私も国保中央会会長として,5日目の国民生活・社会保障のテーマの日に本会合に参加し,意見を述べてまいりました。
国民健康保険は,国民一人ひとりが無差別平等に診療を受けることができる世界に誇る制度であり,医療の最後の砦であります。
国保が崩壊することは医療が完全に崩壊することを意味し,そうした状況に陥らないためにも,平成26年度から消費税率が引き上げられたときには,低所得者の負担軽減のために国保に2,200億円を投入すること,また,国保の加入者には60歳以上の高齢者が多いことから,保険財政安定のために,さらなる国費の拡充を図ること,高額療養費の軽減を検討することなどを陳述してまいりました。
併せて,低所得者の方々に対する,きめ細やかな社会保障制度をさらに充実させるためにも,消費税率の引き上げは必要である旨も申し上げております。
消費税率引き上げに関する安倍総理の最終判断は10月2日になるとの報道もあり,仮に消費税率が予定どおり26年4月から8パーセントに引き上げられますと,地方消費税が増収となる一方で,市民生活にとっては一定のご負担が生じますので,国に対して安定的な社会保障制度の充実を強く求めるとともに,低所得者の方々のご負担を低く抑えるための措置についても併せて要請してまいります。
次に,高知市の財政収支見通しですが,本市における平成25年度普通交付税の7月算定につきましては,前年度との当初算定比較で交付税額は約3億6千万円余り減少しております。
また,臨時財政対策債を含む実質的な交付税額では,政府から地方公務員の給与削減要請があり,地方交付税の一方的な減額が行われたことから,市税収入が減少しているにもかかわらず交付税は伸びておらず,総額で,ほぼ前年度並の369億3千万円余りとなっています。
先月末に締め切られた平成26年度の国の概算予算要求において,総務省は,平成26年度の交付税について中期財政計画の試算に基づき,1.8パーセント減の16兆8千億円で概算要求しておりますが,消費税率引き上げの有無など不確定な要素が多いことから,今後の国の動向によっては,地方の財政運営に大きな影響が生じる懸念があります。
消費税率引き上げに関連する社会保障制度改革の動向や,今後の地方交付税の攻防などを注視していくとともに,全国市長会や全国市議会議長会とも連携して,地方財源の充実確保を強く訴えてまいります。
2 職員給与減額
次に,地方交付税カットに伴う本市職員の給与削減について申し上げます。
本来,地方公務員の給与水準については,各地域の実情に応じて条例で決定すべきものであり,国と地方との十分な協議がないまま一方的に地方交付税を削減したことは遺憾であります。
一方では,7月に算定しました普通交付税を分析したところ,普通交付税の実額ベースで職員給与分として約1億8千万円の交付税が減額されており,このことによって市民サービスに影響があってはならないと考えます。
新たな給与の減額が職員のモチベーションや地域経済に与える影響などを危惧する一方で,他都市の実施状況や本年度が財政再建期間中の最終年度に当たること,また,今後懸念される国の指導などを総合的に判断した上で,現在継続中の勤勉手当約5千万円の独自減額分を除く約1億3千万円について,職員給与を減額する方向で苦渋のお願いをしたところです。
今般,職員の理解と協力を得ることができましたので,若年層を除きまして1.5パーセントから5パーセントの範囲内で,給料月額の独自減額を10月から今年度末まで実施しようとするものです。
また,現在,特別職の給料月額については,市長は20パーセント,副市長は15パーセント,教育長,常勤監査委員,水道事業管理者につきましては10パーセントの独自減額を行っておりますが,職員と同様に今年度末まで,さらに5パーセントを上乗せして減額を行うものです。
3 南海地震対策
次に,南海地震対策について申し上げます。
国におきましては,昨年6月の災害対策基本法の一部改正に引き続き,第2弾として本年6月に再び同法の一部改正を行いました。
今般の一部改正法では,「大規模広域な災害に対する即応力の強化」や「住民等の円滑かつ安全な避難の確保」,「被災者保護対策の改善」,「平素からの防災への取組の強化」などの内容が新たに追加されています。
特に,高齢者・障害者等の災害時の避難に配慮を要する方々の名簿や,被災者支援の状況を集約した被災者台帳等の作成に関して,必要な個人情報を利用することができることとされました。
本市におきましても,この一部改正の内容を現在修正中の地域防災計画に反映させるとともに,ワーキンググループを設置し,要援護者名簿や被災者支援台帳の作成を順次進めてまいります。
また,地域や事業所の防災力の拡充を図るため,引き続き防災人づくり塾を開催するとともに,NPO法人日本防災士機構が認定します防災士の資格取得にチャレンジしていただきました。
本年度前期開催の防災人づくり塾では,146人の方が課程を修了され,これまでの防災リーダーの総数は1,363人となっており,また,防災士につきましては,8月25日に前期日程の試験があり,143人の方が受験し,その結果138人の方が見事合格され,約96.5パーセントという非常に高い合格率となっています。
さらに,採用3年目と8年・9年目の職員と教職員を対象にした,防災士の資格取得試験は53人全員が合格し,職員の防災力の向上につながっております。
なお,後期日程の防災人づくり塾は10月11日から開始し,防災士資格取得試験日は12月8日となっておりますので,本年度はさらに高知市防災リーダー及び防災士が増える見込みとなることから,こうした取組を継続的に実施していくことで,より一層の地域防災力の向上につなげてまいります。
次に,津波避難路や避難場所のハード整備につきましては,9月5日現在で,三里・御畳瀬地区等で工事中が12路線,五台山・春野地区等で48路線が設計委託中となっております。
また,大津・五台山地区などで12路線の設計委託が完了しましたので,順次整備工事に着手してまいります。
津波避難困難地域への津波避難タワー等の整備につきましては,種崎地区に続いて春野地区で地元協議が整い,津波避難タワーを4基設置する計画となっています。
津波から命を守るためには,地域の皆様が地震発生後に少しでも早く避難場所に逃げることができるように,避難訓練を継続して実施していただくことが大切です。
先月末には浦戸地区で4か所目の避難路が浦戸小学校の裏山に完成し,今月2日の始業式の日には浦戸小学校の児童が,その避難路を利用して避難訓練を実施しております。
次に,津波避難ビルの指定につきましては,8月末日現在で168か所の指定となっており,特に高須地区では地域の自主防災組織の積極的な活動によりまして,本年4月以降わずか4か月余りの間に従前5施設だった津波避難ビルが42施設にまで急速に増やすことができており,ご協力いただいております各地域の皆様に厚く感謝申し上げます。
4 新図書館等複合施設整備
次に,新図書館等複合施設整備の取組状況について申し上げます。
本事業につきましては,閉校となりました追手前小学校の解体工事が先月末に完了しましたので,引き続き埋蔵文化財の発掘調査に取り組んでおり,年内には調査を終える見込みです。
また,本体工事に係る実施設計につきましても,先月末に完了しましたので,今議会におきまして高知市から高知県への工事の委託契約締結議案等をお諮りしております。
関連します議案について,ご承認をいただきましたら,県において10月には工事の発注業務に入り,年内には工事請負契約を締結する予定となっています。
建築工事に関しては,来年1月から工事着工し,約20か月の工期を経て建物が竣工しました後,開館準備を整え,平成27年度中の開館を目指してまいります。
本事業は,県立図書館と市民図書館本館を一体的に整備する国内初の施設となり,また点字図書館及び(仮称)こども科学館を併設しますので,全国有数の施設規模を誇る生涯学習施設となります。
今後とも,議会をはじめ関係者の皆様方のご支援をいただきながら,県市連携の下,事業の円滑な推進を図ってまいります。
5 新庁舎整備
次に,新庁舎整備の取組について申し上げます。
新庁舎整備につきましては,現在,「新庁舎建設基本計画」の策定に取り組んでおります。
昨年10月に策定しました「高知市新庁舎建設基本構想」で掲げた基本理念をより具体化させるものであり,「新庁舎のあるべき姿と基本的な機能」「新庁舎の施設計画・運用管理計画」「新庁舎建設に向けた事業計画」などについて取りまとめ,今後の設計に向けた基本的な指針としてまいります。
この基本計画の策定に当たり,5月に実施した市民アンケートでは,「災害対応拠点機能の確保・充実」「行政サービスの分散化の解消」が新庁舎建設における重要項目となっており,市民アンケートの結果なども参考にしながら具体的な検討を進めています。
本年10月には市民の皆様に「基本計画(案)」をお示しして,パブリックコメントを募集し,さらなるご意見をいただくとともに,引き続き外部有識者による「専門委員会」でのご意見や,市議会からのご意見・ご提案などをお聞きしながら,最終案を取りまとめてまいります。
6 県市連携会議
次に,先月26日に行いました県市連携会議について申し上げます。
今回の会議では,「南海地震対策」「消防署の体制強化」「産業振興」「教育改革」「健康長寿県づくり」の5つの議題につきまして,尾崎高知県知事と具体的な協議を行い,併せて本市独自の取組などにつきましても提案しております。
まず,消防署の体制強化につきましては,長年の重要課題となっています北消防署の整備を推進するため,県土地開発公社が所有するイオン高知の東隣接地を立地場所として,具体的な協議を進めたい旨を申し上げ,尾崎知事からは,広域的な災害拠点病院やDMAT指定医療機関としての重要な役割を担う高知赤十字病院の移転改築と併せて,具体的な協議を進めたいとの回答がありました。
北消防署の整備については,敷地面積や施設レイアウトの協議,周辺環境の整備など検討すべき課題がありますが,北部地域における消防・防災拠点はもちろんのこと,県外からの消防応援隊を受け入れる受援拠点施設としての機能を兼ね備えた施設整備を想定しており,今後,市議会の皆様や地元の皆様のご意見もお伺いしながら,県市連携の下で着実に整備を進めていくことを確認しております。
南海地震対策では,国において継続審議となっています「南海トラフ地震対策特別措置法案」の早期成立に向けて,全国知事会や全国市長会等を通じ,国に強く要望していくとともに,津波避難対策や要援護者対策等について具体的な取組を加速させてまいります。
また,周辺自治体との連携による広域避難を進めていくため,県下をブロック毎に区分して避難者対策をさらに協議していくことや,国及び関係機関も交えた「長期浸水対策連絡会」を設置することなどについて確認したところです。
産業振興では,これまで以上に県市で連携した取組を進めるとともに,本市からは,移住促進に向けた取組を本格化していくため,中山間地域において住宅整備等を行うことや,県外のよさこい関係者をターゲットとした,よさこい移住プロジェクトを進めていくことなどを提案しております。
教育改革では,着実に成果が現れている学力向上対策をさらに進めていくため,基礎・基本の学力定着に加えて,活用力を伸ばしていくための取組をさらに進めます。
健康長寿県づくりでは,少年非行対策や全国最下位レベルにある乳幼児健診の受診率の向上を図っていくとともに,本年3月に策定した地域福祉活動計画の推進や,来年4月からスタートする介護支援ボランティアポイント制度の取組状況など,本市独自の取組について提案したところです。
7 観光振興
次に,観光振興の取組について申し上げます。
先月開催されました第60回記念よさこい祭りは,県外69チームを含む史上最多の214チーム,約2万人の踊り子が参加し,また第15回記念を迎えたよさこい全国大会には,県外43チームと本祭入賞22チームの計65チームによる熱い競演が繰り広げられました。
第60回記念大会では,帯屋町商店街アーケードでの記念パレードや,よさこい60年の歴史を振り返る五流派による正調鳴子踊りの演舞,人気ボーカルグループGReeeeNの楽曲による新しい総踊りの誕生,また,すべてのチームが追手筋本部競演場で踊れるように昼のスタート時刻を1時間早めて実施するなど,史上最高の猛暑の中で,60回の節目にふさわしい素晴らしい大会を開催することができ,関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
また,今年4月にオープンしました「高知よさこい情報交流館」では,よさこい祭り期間中の4日間に,踊り子や観光客の方々など,約9,500人の方々にご来館をいただき,9月1日までの入館者数累計は,40,001人となりました。
交流館では,今後,第60回記念大会の写真コンクール入賞作品の展示や,新たな3D映像の制作・放映を行うこととしており,はりまや橋商店街での毎週末のよさこい鳴子踊り披露などと併せて,さらなる本家よさこいの情報発信を進めてまいります。
8 ねんりんピック開催
次に,ねんりんピックについて申し上げます。
本年10月26日から29日に開催されます「第26回全国健康福祉祭こうち大会・ねんりんピックよさこい高知2013」まで約1か月半となり,今月7日には中央公園において,開幕50日前イベントが盛大に開催されました。
さらに,今月28日には,ひろめ市場前のよさこい広場におきまして, 「1か月前イベント」の開催を予定しており,協賛していただける企業や団体の表彰,ボランティア団体,開催9種目の紹介等を行い,大会の機運を盛り上げてまいります。
参加選手の受付も終了し,高知市で開催する9種目の競技には全国から4千人を超える選手・監督の参加申し込みがあり,現在,各種目の団体の方々にもご協力をいただき,競技の組み合わせなど,プログラム作成等の最終段階に入っています。
また,この大会の運営に当たりまして,多くのボランティアの方々の協力が不可欠ですので,市民の皆様に登録をお願いしましたところ,一般の方約600人,高校生630人程度の申し込みをいただいており,心から感謝申し上げます。
高知市内では,開催期間中に選手・監督・関係者の方々約1万人の皆様が宿泊される予定となっており,この機会を通じて,「おもてなし」の心をもって土佐の歴史や自然,祭りや食など,高知の魅力を積極的にPRし,さらなる高知ファンの拡大や観光客誘致を図ってまいります。
9 学力向上対策 等
次に,本市の学力向上対策について申し上げます。
本年度の「全国学力・学習状況調査」の結果が先月27日に公表されましたが,高知県における学力は向上しており,特に小学生の躍進が全国的にも注目され,下村博文文部科学大臣からも「高知県は成果が現れたと思う。この取組は他地域の参考になるかもしれない」と高く評価されています。
中でも本市の小学生の平均正答率は,国語・算数ともに全国平均・県平均を上回っており,特に国語のA問題で全国平均を5.6ポイント上回り,全国4位相当となるなど,過去最高の結果となっています。
中学生も国語・数学ともに全国平均には達していないものの,本年度も改善傾向が継続しておりまして,特に国語で改善が進み,文部科学省が定めた全国水準の枠に入るなど,全国平均との差がさらに縮まっており,これまでの学力向上対策の成果が着実に現れています。
小・中学校とも,学校の授業以外での学習時間の増加や計画的な学習ができるようになるなど,学習習慣が身についた子どもたちが増えており,学力向上や学習習慣の定着に伴って,子どもたちの自己肯定感や規範意識等が向上しております。
課題としては,学力の二極化を解消し,標準的な学力分布に近づける必要があること,また,主に活用力を問う問題であるB問題に課題がみられることから,特に算数・数学において,さらなる活用力の向上に向けた取組が必要になります。
本市の小・中学校における今後の学力の目標として,小学校を全国トップレベルに,中学校を早期に全国平均に引き上げていきたいと考えており,これまでの学力対策を検証し,その質的向上を図りながら,安定した学力対策を進めてまいります。
10 放課後児童クラブ保護者負担金
次に,放課後児童クラブにおける保護者負担金の改定について申し上げます。
放課後児童クラブ保護者負担金につきましては,平成13年度に月額6,300円から現行の月額7,300円に改定して以来,13年間据え置いてまいりました。
この間,児童クラブの数も飛躍的に増加し,お預かりしております児童数も2倍近くに増えていますので,人件費など全体的な運営経費が多額に及んでおり,平成26年4月から月額8,100円に改定することをお願いするものです。
放課後児童クラブは,保護者の方々の就労状況の多様化や,子どもの放課後の安全安心な過ごし方への期待の高まりなどから,入会希望が増加し続け,待機児童解消が大きな課題となっていました。
本市におきましては,待機児童ゼロに向けた取組を積極的に進め,児童クラブの新設・増設等によりまして,平成19年度には71人おりました待機児童数が,昨年度はゼロ,本年度当初においても3人になるなど,ほぼ解消されているところです。
児童クラブにおける国の運営費負担の考え方は,「運営費の概ね2分の1を保護者負担で賄うこと」となっておりますが,近年は市費の負担割合が増大してきています。
また,春野地区におきましては,平成20年の合併の経過を踏まえ,平成22年度から月額6,300円に改定していますが,一市二制度は好ましい状況ではありません。
今回,春野地区の放課後児童クラブにつきましても同額の8,100円に改定させていただきたいと考えており,激変緩和のために3年間の段階的な負担調整期間を設けて,引き上げについてのご理解を賜りたいと考えております。
11 土電関連
次に,土佐電気鉄道株式会社に関して申し上げます。
一連の問題が報道された後,本年4月に同社から内部調査報告を受けましたが,事実関係の調査範囲が限定的であり,評価に至る際の根拠についても不十分な内容であったことから,県とも協議しながら同社に対して外部の視点を入れた追加調査の要請を行いました。
同社では,5月16日に弁護士・公認会計士・行政関係者・学識経験者からなる外部調査委員会を立ち上げ,外部調査を行い,7月30日に外部調査報告書が公表されました。
この外部調査報告では,土電グループ各社の取締役・従業員及び関係者42人から52回に及ぶヒアリング,パソコン等の内蔵データ解析,グループ各社全社員661人に対し実施したアンケート調査結果の分析,経理関係書類等の閲覧や照合等,グループ会社も含めた取引など広範囲な調査を行い,元会長及び元社長の発言に関する事実確認や本件問題に関する行為の法的評価など,専門的な見地からの分析・検証がなされ,高知県暴力団排除条例には違反しないと結論付けられております。
一方では,本件問題が発生した要因を分析する中で,コンプライアンスやコーポレートガバナンスに関する組織の在り方や,経営体制上の問題点が厳しく指摘されており,再発防止に向けた経営改革委員会やコンプライアンス諮問委員会の設置,関係諸機関で構成する継続的な指導・監視のための協議機関の設置など,新たな提言がなされています。
本市では,高知県とも継続的に協議しながら,この提言に基づく同社の経営改革等が確実に実行されることを見極めていくこととし,補助金などの予算執行を留保した上で,市議会でのご意見もお伺いしながら,同社に対する平成25年度予算執行の対応を検討してまいります。
提言の中にあります,行政や金融機関等を含めた協議機関につきましては,県とも連携を図り,今月中旬を目処に,県・高知市・南国市・いの町,金融機関等で構成する「(仮称)中央地域公共交通再構築検討会」を設置し,公共交通機関に対する指導・提言や,公共交通の再構築に向けた検討を行ってまいります。
12 補正予算・予算外議案
以下,議案についてご説明を申し上げます。
今回提出いたしました議案は,予算議案7件,条例議案5件,その他議案11件です。
まず,今回の補正予算は一般会計で,施設整備関連として,介護関連施設の整備や備品等の整備助成,小学校6棟・中学校4棟の耐震補強設計の前倒し実施,南ケ丘放課後児童クラブ棟の増築経費を補正するとともに,民間保育所が実施する耐震補強工事や高台移転検討調査の支援に要する経費を計上いたしました。
さらに,公園関連では,国の内示に伴いまして4公園の整備経費,公園施設長寿命化計画の策定や老朽化遊具の更新経費を補正しました。
そのほか,長年の懸案事項であります北消防署の整備に関して,イオン周辺の交通量調査等の基礎調査経費,平成27年度中に分譲を目指す(仮称)高知一宮団地までの上水道布設工事に係る実施設計,また,高知県中央猟友会鏡支部が行うイノシシ等の処理加工施設整備の支援などについて補正するとともに,新たな学校給食調理業務委託の開始や子ども・子育て支援新制度移行に向けたシステム構築のための債務負担行為を設定するものです。
特別会計では,平成24年度の決算確定に伴い収益事業,駐車場事業,国民宿舎運営事業の各特別会計の繰上充用金の精算,また,国民宿舎運営事業では桂浜荘の空調設備改修に伴う補正,住宅新築資金等貸付事業では決算剰余金を活用し繰上償還を行うものなどです。
以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,
一般会計 9億9,800万円の増額
特別会計 1億 374万2千円の減額
であり,補正後の予算規模は全会計の純計で2,431億937万6千円となっており,この補正財源としては,普通交付税及び繰越金を一般財源として充当いたしました。
次に,予算外議案について申し上げます。
条例議案は,法令の改正に伴うものなど5件です。
市第95号議案は,地方税法の改正に伴い,地方自治法の規定に基づき延滞金の利率等について見直しを行うため,関係4条例の一部を改正するものです。
市第96号議案は,本年6月に財団法人土佐婦人会からいただきました寄附金を原資として,「土佐婦人会子ども奨励基金」を新たに設置するものです。
その他の議案は,土佐山小中学校統合整備及び北部汚水幹線管渠築造工事(25-1)の請負契約締結議案,新図書館等複合施設整備業務の委託契約締結議案,消防ポンプ自動車などの購入契約締結議案,決算の認定議案など11件です。
このうち,市第100号議案は,平成27年度中の開館を目指しております新図書館等複合施設の整備業務について,高知県を相手方として51億9,929万5千円で契約を締結しようとするものです。
また,決算の認定議案につきましては,新たに今年の3月に解散いたしました中央広域市町村圏事務組合を加えた4件ですが,この後,それを除いた3件の決算認定議案につきまして水道事業管理者及び財務部長より概要のご説明を申し上げます。
報告7件につきましては,財政健全化法関連数値の報告や,継続費の精算報告など,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。
以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。