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第445回高知市議会臨時会市長説明要旨(平成26年7月7日)
第445回高知市議会臨時会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。
今回提出いたしました議案は予算議案1件であります。
この補正予算は,中央地域における持続可能な公共交通の構築を目指し,本年10月1日に設立予定の中央地域公共交通新会社に対して出資を行うものであります。
本年4月28日に開催されました第6回中央公共交通再構築検討会におきまして,「土佐電気鉄道株式会社」及び「高知県交通株式会社」両社の厳しい財政状況が明らかになり,路線バス事業等公共交通を取り巻く現況を勘案し,中央地域において将来にわたり持続可能な公共交通を構築するため,私的整理による既存会社の特別清算を行い,会社分割により新会社の設立を目指す「公共交通再構築スキーム案」が示されました。
このスキーム案は,事業者に対する経営責任と株主責任の明確化,取引金融機関に対しては約26億円から28億円の債権放棄を求めること,高知県及び中央地域の関係12市町村に対しては,総額10億円の出資割当を求めるものとなっています。
関係自治体に求められました10億円の出資額につきましては,持続可能な公共交通を目指す新会社設立において,実質的な債務超過の解消や安定した経営基盤の確立,設備投資資金の確保という観点から必要であると判断し,本市としましても,中央地域において年間1千万人の利用者があること,今後より一層高齢者人口が増加すること,さらには地域経済への影響等に鑑み,県民市民のための公共交通の重要性を考慮して,高知県や関係12市町村とも協議連携の下,去る5月27日に出資の意思決定を行ったところであります。
本市の出資割合につきましては,利用状況に応じた人口割及び公共交通運行割に基づき,出資要請額の約35パーセントとなる3億4,970万円となっております。
平成25年11月に成立しました交通政策基本法では,「国民の日常生活等に必要不可欠な交通手段の確保等を自治体が積極的に行っていくこと」が求められており,さらに,今年5月に改正された地域公共交通の活性化及び再生法においても,「地方公共団体が先頭に立って,まちづくりと連携した持続可能な地域公共交通ネットワークサービスの形成を推進する」と定められているように,公共交通維持のために行政の果たすべき責務は大きいものとなっております。
去る6月27日に開催された「土佐電気鉄道株式会社」及び「高知県交通株式会社」両社のそれぞれの株主総会におきまして,「金融機関の債権放棄」及び「行政からの出資」を前提とした両社の経営統合に関する議案が承認されたことから,今回の臨時議会において出資にかかる補正予算をお諮りするものであります。
その他,報告1件は,法令所定の手続きにより,ご報告申し上げるものです。
以上,提出いたしました議案につきまして,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議のうえ,適切なご決定をお願いいたします。