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第446回高知市議会定例会市長説明要旨(平成26年9月9日)
第446回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。
議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。
1 災害関連
まず最初に,今年の夏は全国各地で記録的な豪雨が相次いで発生しており,先月20日未明には,広島市において大規模な土石流災害が起こり,甚大な被害をもたらすとともに,70人を超える尊い命が奪われました。
犠牲になられました皆様のご冥福を心からお祈りいたしますとともに,各地域において被災されました皆様方にお見舞いを申し上げます。
本市におきましても,8月初旬の台風12号に伴う豪雨では,平成10年の「'98高知豪雨」や「昭和51年台風17号」に次ぐ史上第3位の降水量を記録し,1時間最大降水量74ミリ,8月1日から10日までの台風12号・11号の総雨量は1,208ミリとなっており,10日間で年間降水量の半分近い雨量を記録する豪雨となりました。
8月3日には台風12号に伴う豪雨により土砂災害の発生や,各河川の氾濫の危険性が高まったため,午前10時に市内全域に避難勧告を発令するなど,昭和51年当時に坂本市長が非常事態宣言を発令して以来の厳しい事態となりました。
今回の豪雨による被害件数は,8月末時点で住家,非住家合わせまして,一部損壊53件,床上浸水361件,床下浸水485件,崖崩れや道路の損壊が177件の計1,076件にのぼるなど多数の被害が発生しています。
被害額については,8月末時点の概算で,市所管施設等の市有財産関係が約1億8,400万円,民間保育所や農作物などの民有財産関係が約1億7,300万円,道路・橋梁・河川・農道等の公共土木及び農業用施設関係が約10億7,300万円で,総額約14億3,000万円の被害となっています。
今回の一連の台風によって,被害を受けられました住民の皆様方には一日も早く日常の生活を取り戻していただけるように,本市としても全力を尽くしてまいります。
特に,鏡・土佐山地域では,山腹崩壊により住家に被害が及ぶ恐れがあるため,鏡的(まと)渕(ぶち)地区の12世帯34人,土佐山菖蒲(しょうぶ)地区1世帯5人の住民の皆様に対しまして,現在も継続して避難指示を発令しており,関係する方々は今なお不自由な避難生活を余儀なくされておられます。
本市では県と連携して,先月19日に鏡地域の避難世帯の皆様に今後の山腹崩壊対策や,そのスケジュール等をご説明するとともに,避難生活に関する個別のご要望を伺っております。
避難生活を余儀なくされている方々を支援するため,8月21日に両副市長をトップとする関係部局長等による「鏡・土佐山地域山腹崩壊に伴う避難指示による住民生活支援プロジェクトチーム」を立ち上げて,住宅支援や生活支援策等を取りまとめ,26日に鏡地域の避難世帯の皆様に支援策を具体的に提示させていただき,土佐山菖蒲地区の避難世帯につきましても同様の支援策をご説明させていただきました。
現在は,避難世帯の方々の一時居住先である公営住宅等への転居先もほぼ決まってきておりますので,今後とも,きめ細かな支援を継続してまいります。
2 国政・経済・地方財政の動向
次に,国政及び経済の動向について申し上げます。
昨日8日に内閣府が発表しました本年4月から6月期の国内総生産の成長率の2次速報では,個人消費の大幅な減少に加えて,設備投資と住宅建設も減少したことから,前期比1.8パーセント減,年率換算では7.1パーセントの減となり,2期ぶりのマイナス成長となりました。
また,先月26日に内閣府が発表しました月例経済報告では,消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動により,個人消費や設備投資等に一部弱さが残るものの,7月以降は持ち直しの動きがみられていることから,「景気は緩やかな回復基調が続いており,消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある」との判断が示されています。
しかしながら一方では,8月の台風12号・11号による豪雨や,その後も続いた天候不順により,観光客の宿泊キャンセルや夏物衣服等の売上不振,野菜価格の高騰などが続いており,景気回復が遅れていることによる地域経済への影響が懸念されているところです。
国においては,9月3日に第二次安倍改造内閣が発足し,高市早苗・総務大臣や石破茂・地方創生担当大臣など新しい閣僚が決まりました。
特に新設ポストの石破担当大臣が所管する,地方創生と人口減少克服のための「まち・ひと・しごと創生本部」では,50年後も日本の人口1億人を維持するための「長期ビジョン」策定と併せて,2020年を目標年次とする「総合戦略」を年内にも取りまとめることとなっております。
若者を中心とした人口の流出と出生率の低迷による人口減少が今後も続けば,地域の活力が大きく衰退し,地域社会の維持が困難になる恐れがあることから,人口減少は本市にとっても看過することのできない重要課題です。
全国市長会では,「少子化対策・子育て支援に関する研究会」を新たに設置し,私も委員として参画しておりますので,全国市長会等を通じまして,地方からの積極的な政策提言を行ってまいります。
次に,高知市の財政収支見通しですが,7月末に閣議了解された国の平成27年度概算要求基準では,地方交付税交付金をはじめとする地方一般財源総額については,中期財政計画における国の財政再建目標との整合性に留意しつつ,平成25年度・26年度の地方財政計画の水準を下回らないよう確保することとされています。
一方では,来年10月からの消費税率引き上げ方針や法人実効税率引き下げに対する代替財源確保に関する結論は本年末まで持ち越されており,地方一般財源に関する見通しについては不透明な面もあることから,今後の国の動向によっては,地方の財政運営に大きな影響が生じる懸念があります。
今後も消費税率引き上げに関連する社会保障制度改革の動向や,地方一般財源総額の見通しなどについて注視していくとともに,全国市長会や全国市議会議長会とも連携して,地方財源の充実確保を国に強く訴えてまいります。
3 南海トラフ地震対策
次に,南海トラフ地震対策の取組状況について申し上げます。
まず,本市の職員初動活動マニュアルにつきましては,平成13年度に一部改訂を行って以来の改訂になりますが,東日本大震災の教訓や今回の台風12号・11号における初動活動状況の検証結果等を反映させるとともに,風水害を含む一般対策編と地震・津波対策編の2編構成に改めるなど,災害発生時の初動期に職員が迅速かつ的確に活動できるように全面改訂を行います。
次に,津波避難施設の整備状況について申し上げます。
今後整備を予定しております津波避難タワー8か所と津波避難センター2か所のうち,9か所分の用地取得が完了し,残る津波避難タワー1か所の用地につきましても,現在,地権者の方と交渉を行っております。
種崎地区における津波避難センター2か所につきましては,先月末に設計が完了しましたので,建設着手に向けて今議会に補正予算の審議をお諮りしておりますので,よろしくお願いいたします。
また,用地取得が完了しました7か所の津波避難タワーにつきましては,7月末に設計が終了したものが2か所,現在設計中のものが3か所,地質調査など設計に向けて準備を進めているものが2か所となっており,今年度末までに津波避難タワー3か所の完成を見込んでおりまして,残る施設につきましても地元のご協力をいただきながら,平成27年度末までの完成を目指してまいります。
4 県市連携会議
次に,先月26日に開催しました県市連携会議について申し上げます。
今回の会議のテーマとして,「地震・風水害対策」「産業振興」「公共交通再構築」「中心市街地活性化」「学力向上対策」「少子化対策」の6つの議題につきまして,尾崎高知県知事と具体的な協議を行いました。
まず,地震・風水害対策につきましては,先月の台風12号・11号の影響による本市の被害状況を報告した上で,未だに避難生活を余儀なくされている住民の皆様の生活を支援するため,庁内にプロジェクトチームを立ち上げ,きめ細かな支援を行っていることを申し上げ,尾崎知事からは,県としても避難生活解消のために県営住宅等を提供するなどの支援があることや,高知本山線などの幹線道路の早期復旧を図っていくことなどを確認いたしました。
併せて,高知県とともにモデル調査団体に選定されている国土強靭化地域計画の策定に向けて,県・市の関係会議に双方の関係者が出席するなど,積極的に取り組んでいくとともに,重要課題である広域避難の在り方や住宅耐震化の促進に向けて,取組を加速化させることを確認したところです。
産業振興では,生産から販売までの各工程に応じた県市の支援策を強化しながら外商成果を高めていくとともに,移住・定住の促進では,よさこい移住プロジェクトをはじめ,土佐山小中一貫教育校「土佐山学舎」の開校に併せて,子育て世帯向けの特定目的住宅を整備することや,鏡地域での移住体験施設の整備計画など,本市独自の取組を紹介し,今後もより一層連携を図っていくこととしました。
公共交通の再構築では,中心部におけるバスターミナル構想に向けて本格的に調査に入る旨を申し上げ,尾崎知事からは,今後,県市連携の下で協議していくとの発言がありました。
学力向上対策では,先月公表されました全国学力・学習状況調査の結果を報告した上で,今後は,これまでの取組を検証しながら,さらに質的な向上を図っていくこととし,少子化対策では,国への政策提言に向けて全国知事会と全国市長会との間で意見交換等を行いながら,積極的な政策提言を行っていくことを確認したところです。
5 公共交通再構築
次に,中央地域公共交通再構築の取組について申し上げます。
土佐電気鉄道株式会社と高知県交通株式会社の経営統合につきましては,取引金融機関の債権放棄や株主総会における経営統合に関する議案の承認,自治体からの新会社設立に対する10億円の出資がそれぞれ決定し,10月1日に向けた新会社設立の条件がすべて整いました。
こうした状況を踏まえ,事業者では,新会社設立に向けて7月16日に「新会社設立委員会」を立ち上げ,新会社の定款,取締役・監査役の人事に関する事項や組織体制などの重要事項を審議・決定することとしており,本市からは吉岡副市長がメンバーとして参画しております。
先月13日には,新会社名が「とさでん交通株式会社」に決定し,今後重要事項につきましても,設立委員会において順次審議し,決定されていく予定です。
本市としても,県民市民の公共交通の利便性の向上を図ることに加えて,中心市街地の活性化やコンパクトシティーの推進など,まちづくりの観点からも市中心部における路線バスターミナルの必要性を認識しております。
バスターミナルの整備に向けましては,用地確保等の課題も含め,今後,新会社による路線再編のスケジュール等も見極めながら,具体的に検討してまいります。
6 観光振興
次に,観光振興の取組について申し上げます。
先月開催されました第61回よさこい祭りは,8月9日から10日の朝にかけて本県に上陸した台風11号による大雨や強風等の影響で開催が大変危惧され,多くの市民や観光客の皆様をはじめ,全国各地の踊り子やよさこい関係者の方々などにご心配をおかけしました。
前夜祭は残念ながら中止となりましたが,8月10日からの本祭は無事に開催され,県外60チームを含む192チーム,約18,000人の踊り子が参加し,また,12日の第16回よさこい全国大会には,県外43チームと本祭入賞22チームの計65チームによる競演が晴天の下で繰り広げられました。
参加予定チームの中には,参加を断念せざるを得なかったチームもありましたが,開催前の大雨による浸水被害を受けながら参加された県内チームや,台風接近の最中に遠路はるばる参加していただいた県外チームなどもあり,全国各地の踊り子達の熱い思いに心から感謝を申し上げます。
一方で,相次ぐ台風の接近や天候不良等の影響により,8月7日から17日にかけての期間中,桂浜の駐車場の入込台数は前年比34パーセントの減,高知城の入場者数は前年比23パーセント減少となっており,市内旅館ホテルでは宿泊客のキャンセルも多く発生するなど,観光面で大きな影響が出ています。
これから秋の観光シーズンを迎え,10月4日から中央公園で開催される「土佐の豊穣祭」をはじめ,11月の龍馬月間の観光誘客など,県や関係者の皆様とも連携し,秋口以降の積極的な誘致に向けた取組を図ってまいります。
昨年ほぼ全編高知ロケで撮影が行われました映画「0.5ミリ」の製作を契機に高知に移住された,映画監督の安藤桃子氏に依頼して,本市では初めてとなります観光プロモーション映像を作成いたしました。
プロモーションのコンセプトにもなっております,「人の面白さ」,「食文化」,「自然と調和した街」という高知の魅力が伝わる内容に仕上がっており,先月下旬に開催された原宿スーパーよさこい会場の表参道などで放映するとともに,本市のホームページやユーチューブからも全国に情報発信してまいります。
7 子ども・子育て支援新制度
次に,子ども・子育て支援新制度について申し上げます。
平成27年4月からの子ども・子育て支援新制度の施行に向けて,国からは公定価格の仮単価や利用者負担の概要が地方自治体や事業者の方々に示されるとともに,保育の必要性の認定や利用定員に係る確認の手続なども示されたところです。
一方,保育料の限度額や給付における加算の適用条件,各種事業の実施要件などの重要な情報が未だに国から示されていないなど不確定な要素もあり,秋から始まる平成27年度分の入所・入園手続などへの影響が懸念されていますので,国の動向を注視し,要望等を行ってまいります。
本市では,新制度の本格実施に向けて,「高知市子ども・子育て支援事業計画」の策定作業を進めており,平成27年度から31年度までの幼児期の教育・保育並びに地域子ども・子育て支援事業の量の見込みに対する確保方策についての素案を取りまとめ,今月中には県に対して中間報告を行う予定となっています。
幼児期の教育・保育の確保方策の検討に当たって,幼稚園や民間保育所などの事業者に対し,新制度への移行に関する意向調査を本年6月から7月にかけて実施しております。
平成27年度には,市内の5施設が幼保連携型認定こども園への移行を予定しているほか,地方裁量型認定こども園を含む認可外保育施設については,15施設が給付の対象となる施設に移行する予定となっていますので,本年10月から,これらの施設等の認可・確認事務が円滑にスタートできるよう準備作業を進めているところです。
また,地域子ども・子育て支援事業のうち,放課後児童クラブの確保方策については,1人当たりの面積や1クラブの児童数には経過措置を設けながら,小学校1年生から3年生までの低学年については,待機児童解消の取組を今後とも継続していくとともに,新たに事業の対象となる小学校4年生から6年生までの高学年については,希望される児童の方々が利用できる体制を順次確保してまいりたいと考えております。
また,利用を希望する児童をすべて受け入れるためには,児童クラブの増設が必要となり,その際には,民間事業者の新たな参入や放課後子ども教室との一体的な実施なども方策として考えられますので,高知市放課後児童等対策事業推進委員会でのご意見などを参考にしながら検討してまいります。
新制度の本格実施まで残すところ半年余りとなりましたので,10月の広報あかるいまちに新制度に関する特集記事を掲載するなど,市民の皆様や事業者の方々に対する制度の周知を丁寧に行ってまいります。
8 障害福祉サービス
次に,障害福祉サービスについて申し上げます。
平成22年の障害者自立支援法の一部改正により,障害福祉サービスの支給決定プロセスが全面的に見直され,来年4月から完全実施となります障害福祉サービスについては,支給決定を行うときには,利用計画の作成が必須条件となります。
利用計画は,国が定めた基準に基づいて指定を受けた「指定計画相談支援事業所」に所属する「相談支援専門員」が作成することとなっていますが,本市では相談支援事業所及び相談支援専門員が少ない現状にあります。
来年4月からの完全実施を迎えるに当たり,現在市内にある6か所の相談支援事業所だけでは,現在サービスを受けておられます約3,000人の障害者の方々の利用計画を作成することができない恐れもありますので,今後,相談支援事業所や相談支援専門員の数を増やしていただくために,今回の補正予算案をお諮りするものであります。
9 学力向上対策 等
次に,本市の学力向上対策について申し上げます。
8月25日に公表された本年度の「全国学力・学習状況調査」の結果では,小学校については,本年度においても全国平均あるいは,それを上回る学力状況にあります。
中学校におきましては,平成19年度から改善傾向にはありますが,全国との差において依然厳しい状況があることが明らかになっています。
これまでの成果として,質問調査において,小・中学校ともに学校の授業以外に勉強をしている時間が30分未満である子どもの割合が全国の割合を下回っていることや,放課後を利用した補充的な学習サポートを実施している学校の割合が全国の割合を大きく上回っていることが学力を押し上げる要因の一つになっているものと思われます。
一方,課題として,国語において「読む能力」領域や,算数における「図形」領域に躓(つまづ)きがみられ,これらの課題を改善するため,これまでも取り組んできている授業改善などについて,この調査結果をもとにさらに丁寧な検証を行い,組織的に改善を図っていく必要があります。
本市の小・中学校における今後の学力の目標として,小学校を全国トップレベルに,中学校を全国平均レベルにまで到達させたいと考えておりますので,これまでの学力対策に係る取組を総括的に検証し,その質的向上をさらに図りながら,学力対策を講じてまいります。
次に,「いじめ問題」への対応について申し上げます。
昨年6月に制定された,いじめ防止対策推進法に基づき,本年6月に「高知市いじめ防止基本方針」を策定いたしました。
現在,高知市いじめ防止等対策委員会を開催し,いじめ防止等の施策について具体的な検討を進めるとともに,今年度内に設置を予定している高知市いじめ問題対策連絡協議会において,各関係機関や団体との連携を強化してまいります。
いじめ問題は,人権に関わる重大な問題であるとともに,子どもの生命に関わる深刻な課題であり,この問題解決のために教育委員会や学校,家庭,地域が連携し社会総がかりで,いじめ防止等の対策を推進していく必要があります。
学力対策をはじめ,いじめ・不登校対策においても,その基盤となるのは学級経営だと考えており,子どもや保護者の方々との信頼関係を築き,安心できる学級づくりを目指すために,教員の資質・指導力の向上を図ってまいります。
10 全国都市問題会議
次に,全国都市問題会議について申し上げます。
第76回を迎えます全国都市問題会議が,10月9日・10日の2日間の日程で,本市において開催されることとなりました。
本会議は,全国各地から市長や特別区長,市議会議長や議員をはじめ自治体関係者の皆様と学識経験者,研究者が一堂に会しまして,都市の課題や地方自治の在り方について討議する場であり,例年約2,000人の参加があります。
昭和2年に第1回会議が大阪市で開催され,その後,時代に応じた都市問題や都市行政の課題をテーマに選び,全国各地で開催されており,今大会のテーマは,「都市と新たなコミュニティ~地域・住民の多様性を活かしたまちづくり」としております。
初日は,作家の山本一力先生による基調講演の後,自治体や研究者の方からの先進事例報告を予定しており,各自治体における先進的な取組実践例や,研究者の成果に基づく最新の取組を広く知っていただける好機となっています。
当日は,私からは高知市の先進事例として高知市のコミュニティ施策について,こどもファンドなどの事例も交えて,現在の取組を「地域と人財」,「地域と防災」,「地域と福祉」として報告させていただく予定です。
また,2日目は,まちづくり,福祉,防災など,各分野でご活躍されております専門家や他都市の市長にパネリストとして登壇いただき,パネルディスカッションを開催します。
各市の取組事例や各分野の専門家のご意見を伺いながら,現在の地域コミュニティの抱える課題解決のために自治体が今求められていることなど,「都市とコミュニティの今後のあり方」,「地域・住民の力を活かしたまちづくり」について考察することによって,各都市が抱える共通課題の解決に向けた大会になることを期待しています。
11 補正予算・予算外議案
以下,議案についてご説明を申し上げます。
今回提出いたしました議案は,予算議案6件,条例議案10件,その他議案13件です。
まず,今回の補正予算は一般会計で,小学校11棟・中学校2棟の耐震補強整備の前倒し実施に係る経費を補正するとともに,社会福祉施設等のスプリンクラー設置に要する経費,民間保育所9園が実施する耐震補強工事等に要する経費を計上いたしました。
さらに,移住・定住促進関連では,移住希望者が中山間地域での生活を体験するための滞在用施設として,旧鏡村保健センターの改修経費を補正しました。
そのほか,先月1日に都市計画決定となりました高知駅秦南町線の整備に向けた用地測量や橋梁予備設計などの経費,平成29年4月の開署を目指す(仮称)北消防署の建設に係る地質調査や基本・実施設計経費,また,予防接種法施行令の改正に伴い,平成26年10月から新たに定期化される水痘予防接種及び高齢者肺炎球菌ワクチン接種に要する経費,小中学校の電子黒板の整備に要する経費などを計上いたしました。
さらには,平成27年4月に予定されています高知県議会及び高知市議会議員選挙に要する経費について補正するとともに,債務負担行為を設定しております。
以上,申し上げました内容等によりまして,提案しております今回の補正規模は,
一般会計 53億4,200万円の増額
特別会計 1億 6,730万9千円の減額
公共下水道事業会計 2億 3,640万円の増額
であり,9月補正予算における一般会計の規模としては,過去2番目に大きい額となっております。
補正後の予算規模は全会計の純計で2,675億1,514万2千円となっており,この補正財源としては,普通交付税及び繰越金を一般財源として充当しました。
次に,予算外議案について申し上げます。
条例議案は,法令の改正に伴うものなど10件です。
市第113号議案は,児童福祉法の改正に伴い,本市の放課後児童健全育成事業の基準を定めるもので,最低基準の目的,事業の一般原則,設備の基準等を定めるほか,放課後児童支援員の要件等に関する基準を定めるために条例の制定を行うものです。
その他の議案は,旭駅周辺地区都市再生住宅(第一期北棟)新築及び江陽小学校屋内運動場改築工事の請負契約締結議案,消防救急デジタル無線整備事業に伴う設備機器などの購入契約締結議案,新図書館等複合施設整備業務委託契約の一部変更議案,決算の認定議案など13件です。
このうち,市第126号議案は,新図書館等複合施設の整備業務について,電気・空調・衛生設備及び監理等委託の落札額確定に伴い,高知県を相手方として6,762万7千円減額の契約変更を行うものです。
また,決算の認定議案等につきましては,この後,上下水道事業管理者及び財務部長より概要のご説明を申し上げます。
報告7件につきましては,財政健全化法関連数値の報告や,継続費の精算報告など,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。
以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。