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第465回高知市議会定例会市長説明要旨(平成30年9月5日)

 第465回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

1 平成30年7月豪雨時の幹部職員の対応

 まず最初に,西日本の各地に多くの被害をもたらした平成30年7月豪雨に多くの方々が対応している最中に,教育長をはじめとする本市幹部職員7名が県外へ旅行し,不在であったことについて,市議会や市民の皆様から厳しい批判を受け,本市の信用を失墜させていることに関しまして,誠に遺憾であり,深くお詫びいたします。

 我々公務員は,市民の皆様からの付託を受けて公共サービスを円滑に提供するとともに,市民の皆様の生命と財産を守る責務があり,特に災害への対応は,行政としての真価が問われる重要な場面であり,災害に対する重要案件を協議・決定する災害対策本部の本部員が本部員会議を欠席したことは,市民の皆様の信頼を著しく損ない,市政の信用を失墜させるものです。

 市議会の皆様からは,先月1日付けで,「災害対応時における管理職員の行動についての申入れ」があり,議会の総意として,「災害対策本部長である市長及び本部要員に,市民の気持ちに寄り添い,緊張感と危機意識をもった判断・行動により市民の生命と財産を守ることを強く認識するよう猛省を促す」とともに,「本部員会議の欠席については,理由等を明確にし,届出の義務を課すこと」,「管理職員の私事のための県外旅行についても,届出の義務を課すこと」,「特別職の職員は,自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に意識して行動しなければならないとの本市条例にある倫理原則に沿った行動をとるよう任命権者として指導の徹底を図ること」の3項目の具体的な申入れをいただきました。

 今般,このような庁内外から厳しく批判される幹部職員の行動があったことは,庁内における管理職に対する信頼をも大きく損ねたこととなり,責任を痛感しています。

 この事案の発生後,横田教育長からは,今回の行動を深く反省する気持ちを表明され,市政を混乱させた責任を取って7月末日をもって引責辞任いたしました。

 本件に関しては,教育長の任命責任と組織を預かる市長として責任は重いと判断し,給与減額処分と併せまして,総務部を管理監督する吉岡副市長の給与を減額する特例の条例議案をお諮りしております。

 また,災害対策本部の重責を担う総務部長については,本部員会議に出席する義務を果たしておらず,その責任を問うべきものと判断し,厳しい処分と併せて,総務部長の職を解く更迭人事を行い,その他の職員に関しても,それぞれの責任の度合いに応じて,訓告又は口頭厳重注意といたしました。

 今回の事案の反省に立ち,高知市議会からの3項目の申入れを踏まえ,今後,二度とこのような事態を引き起こさないように関係規程や体制の整備等を図るとともに,今一度,市民の皆様から信託を受けた公務員としての原点に立ち返り,特に幹部職員は率先して模範的な行動を示していくことを徹底し,組織一丸となって市政に対する信頼回復に全力で取り組んでまいります。

2 国政・経済・地方財政の動向

 次に,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。

 先月10日に内閣府が発表しました本年4月から6月期の国内総生産の実質成長率は,個人消費の持ち直しや,民間の設備投資の伸びなどにより,前期比0.5パーセント増,年率換算では1.9パーセント増の見込みとなり,2四半期ぶりのプラス成長となりました。

 また,先月29日に発表された月例経済報告では,景気の基調判断を8か月連続で据え置き,「景気は,緩やかに回復している。」とされ,今後の先行きについては,雇用・所得環境の改善が続く中で,緩やかな回復が続くことが期待されるとの見方を示す一方,米国の通商問題の動向が世界経済に与える影響や不確実性,金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があるとされています。

 こうした経済状況の下,7月10日の閣議で了解された国の平成31年度予算概算要求基準では,「経済財政運営と改革の基本方針2018」の骨太方針で示された「新経済・財政再生計画」の枠組みを基本に,年金・医療等に係る経費については,前年度当初予算額に高齢化等に伴う自然増として6千億円を加算した額の範囲内で予算を要求することとされています。

 地方の命運にかかわる地方交付税交付金等については,「新経済・財政再生計画」との整合性に留意しつつ要求することとされており,来年10月の消費税率引上げ時から予定されている教育負担の軽減や子育て層支援,介護人材の確保等の財源については,予算編成過程で検討するとされ,先送りされています。

 先月末に公表された平成31年度総務省の概算要求では,地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額については,平成30年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとして62兆7千億円を見込み,地方交付税については制度本来の役割が適切に発揮されるよう総額を確保することとし,対前年734億円減の15兆9,350億円を要求するとともに,交付税率の引上げを事項要求としています。

 一方で,国の歳出予算の約3分の1を占める社会保障関係費が毎年着実に伸びていることに加え,今後の幼児教育・保育の無償化については,「新しい経済政策パッケージ」に基づき実施する予定であることから,国の責任において早期に制度設計を確立するとともに,地方に新たな財政負担を求めない財政措置が不可欠でありますので,全国市長会を通じ,地方一般財源総額の拡充とともに,地方交付税の増額につきまして国に強く働きかけてまいります。

 次に,本市の財政収支見通しですが,平成30年度普通交付税の7月算定では,算定基礎となる基準財政需要額において,元利償還金に算入される事業費補正や包括算定経費の減少,合併算定替の縮減などによりまして,臨時財政対策債を含めた普通交付税の総額は276億円余りとなり,前年度当初算定と比べ3億円余りの減少となっています。

 景気の回復などにより税収は増加傾向にありますが,米国における保護主義による貿易摩擦や,平成30年7月豪雨,さらには来年10月予定の消費税率引上げによる経済への影響など不透明な要素も多く,本年度策定する新たな財政健全化計画につきましては,これらの動向などにも十分に留意しながら,財政構造を的確に分析し,検討を進めてまいります。

3 災害関連対応

 次に,災害対策について順次申し上げます。

 まず,大阪府北部を震源とする地震について申し上げます。

 この地震は6月18日朝に発生したもので,マグニチュード6.1,最大震度は大阪市北区や高槻市などで6弱を観測し,ブロック塀の崩落や家具等の下敷きなどが原因で,大阪府内で5人の方がお亡くなりになり,近隣府県では435人の方々が負傷されており,住家被害については全壊12棟,半壊及び一部損壊は合わせて約42,000棟で,火災が7件発生しています。

 特に,高槻市立小学校においてプール沿いのブロック塀が倒れ込み,登校途中の小学生が犠牲になったことは,非常に残念であり,心からご冥福をお祈りいたします。

 この倒壊したブロック塀は,建築基準法施行令により定められた高さの2.2メートルをはるかに超えていた上に,設置が求められている控え壁がなかったこともあり,文部科学省からは翌日付けで全国の学校設置者に対して,学校敷地内のブロック塀を緊急点検するよう通知が出されています。

 高知市立小中学校等のブロック塀等につきましては,平成30年度から3か年計画で,18校のブロック塀等について改修工事の実施計画を策定し,本年度から着手することとしておりましたが,今回の震災事故を受けて,小学校39校,中学校17校,義務教育学校2校,特別支援学校1校のすべてのブロック塀等について改めて調査を実施し,危険な塀や建築基準法施行令に適合していないブロック塀等を新たに確認しましたので,改修等が必要な塀を追加するとともに,事業計画全体を前倒しながら整備を進めてまいります。

 また,学校施設以外の市立公共施設のブロック塀等につきましても先月上旬までに調査を行い,改修等の緊急性が高いものについては,今議会におきまして補正予算を計上していますので,よろしくお願いいたします。

 次に,平成30年7月豪雨災害について申し上げます。

 広島県や岡山県,愛媛県等を中心に西日本各地で甚大な被害をもたらした7月豪雨災害では,221人の方がお亡くなりになられ,未だに行方不明となられている方々もおられ,ご冥福とお見舞いを申し上げます。

 県内では,宿毛市,大月町に初めて「大雨特別警報」が発表されるなど,甚大な被害が発生したことを踏まえ,政府では被災者の皆様の権利や利益の保全を図るため,地震以外で初めてとなる「特定非常災害」に指定し,5月20日以降の各地の大雨被害を「激甚災害」に指定しました。

 6月28日から7月8日までの県内の降水量では,馬路村魚梁瀬が1,852.5ミリで全国トップになるなど,期間降水量の全国上位5地点のうち,4地点を県内が占めるという異常な降雨となりました。

 高知市内でも,この間655.5ミリの降水量となりましたが,これまでの度重なる台風などの浸水被害の経験から,県の河川改修と連携して,26か所の雨水ポンプ場と110台のポンプを整備し,1時間当たり降雨強度77ミリを整備水準とする浸水対策に積極的に取り組んできたことや,今回の豪雨が総降雨量は多かったものの,短時間降雨量が比較的少なかったことなどから,市内の浸水被害を回避することができました。

 一方で,この豪雨の影響で高知自動車道上り線の立川橋が山腹からの流出土砂に押しつぶされる形で崩落し,今後,本格的な復旧には少なくとも1年ほどかかる見通しとなり,高知自動車道は下り線の一部を利用した対面通行が続いています。

 本県にとって高知自動車道は,災害時における「命の道」でもあり,この道路が寸断されたことは,南海トラフ地震が迫る中で,危機管理上の深刻な懸念要素の一つとなりますので,早期の全面復旧につきまして,全国市長会からも国に強く要請しております。

 また,鏡・土佐山地区を中心に,道路や農道,林道などの路肩崩壊や法面の土砂流出,倒木などの多数の被害が発生し,特に,農道災害では行川地区の重要な生姜予冷庫に通じる農道の路側が被災したことから,現在も大型車の通行が困難な状況にあり,生姜の出荷に支障が生じております。

 今議会には,これらの被災した施設等の早期復旧に向けまして,災害復旧に係る補正予算を計上したところです。

 観光面の影響では,高速道路やJRが長期間不通となったことや,宿泊及び宴会が集中する週末にかけて豪雨となったことから,高知市内の旅館・ホテルでは多くのキャンセルが発生し,高知市旅館ホテル協同組合に加盟する市内35施設だけでも,7月5日から15日までの間に,宿泊で9,141人,宴会で2,965人のキャンセルが発生し,被害総額は8,700万円余りとなっています。

 さらに,組合に加盟していないビジネスホテルなどの施設分を合わせると,被害額はさらに拡大すると想定されます。

 今般,国において豪雨被災地域の観光復興に対する支援策が創設されましたので,宿泊者数の回復に向けた取組を積極的に進めてまいります。

 次に,豪雨災害に伴います被災地への本市職員の派遣につきましては,職種や派遣期間など被災地のニーズに応じた支援を行い,先月末で100名を超える市職員の派遣を行ってまいりました。

 具体的には,発災直後に消防職員14名が県内の各消防本部に出向いて救助活動等を実施したのを皮切りに,上下水道局からは宇和島市,大洲市,広島県呉市に応急給水や復旧活動のため29名を派遣しました。

 また,岡山県倉敷市には,厚生労働省から避難所における保健活動についての要請があり,先月下旬までに保健師等を1週間交代で派遣し,8班24名で継続的な支援に取り組むとともに,別途,中核市市長会における派遣協定に基づき,社会福祉士等を8名派遣し,避難所運営等を支援しております。

 環境省からは,大洲市における災害廃棄物の収集運搬への応援要請があり,パッカー車等5台と28名の職員を集中的に投入し,被災地の復旧支援を行いました。

 今後は,長期的な復興対策にニーズが移ってきますので,宿毛市へ技術職員を今月から年度末まで派遣するなど,全国市長会等とも連携しながら,被災地の復興支援を行ってまいります。

 このように多くの本市職員が懸命に災害対応に当たる中,複数の幹部職員に緊張感を欠く行動があり,そのことを深く反省するとともに,市議会からの申入れを踏まえ,この度,災害対策本部の運用を見直すことといたしました。

 具体的には,災害対策本部員会議を欠席する場合の届出等の義務化や,管理職の私的な宿泊を伴う県外旅行についても,突発的な災害対応を含め,組織的に対応するため,事前の報告を求めることといたしました。

 特に,今年は台風の発生が続いておりますので,災害対策本部をはじめとする全職員が一丸となり,常に緊張感をもって防災活動に従事することを徹底してまいります。

 次に,夏場の猛暑について申し上げます。

 今年の夏は,例年に比べ勢力の強い太平洋高気圧が日本列島を覆ったことから,7月中旬以降,気温の高い日が続き,7月23日には,埼玉県熊谷市で観測史上最高となる41.1度の異常な高温を記録しました。

 こうした猛暑の影響を踏まえ,市立小中学校への空調設備の設置につきましては,これまでは学力の向上を図る観点から,集中して勉学に取り組めるよう,まずは中学校からの設置を検討してまいりましたが,7月に愛知県豊田市の小学校で校外学習を行った児童が,重度の熱中症である熱射病で死亡する事故が発生し,公立学校における熱中症予防対策としてのエアコン設置の必要性が高まってきています。

 国における公立小中学校の空調整備については,本年7月の定例記者会見において,菅(すが)官房長官から「政府として責任を持って対応したい。」との発言があり,文部科学省では来年度予算の概算要求として,公立学校の空調設備やブロック塀の改修等の施設整備に向けて,今年度予算の3.6倍の2,432億円余りの予算を要求しており,一部前倒しして,今秋の臨時国会における国の補正予算への計上も考えられますので,新たな支援施策に十分留意しながら,市立小中学校のエアコン設置に向けた具体的な整備計画を検討してまいります。

4 県市連携会議

 次に,先月28日に開催した県市連携会議について申し上げます。

 今回の会議では,「地方創生」「災害対策」「健康福祉」「市街地整備」「森林・林業政策」の5つのテーマについて,尾崎知事と具体的な政策協議を行いました。

 まず,「地方創生」では,れんけいこうち広域都市圏の取組推進として,二段階移住について,来月から特設のインターネットサイトを本格的にオープンし,PR動画やSNSを活用したプロモーションをスタートさせるとともに,人気の高い移住関連雑誌への特集記事の掲載や,雑誌とコラボしたハンドブックを完成させる予定であり,これらのツールを十分に活用しながら,県市連携で積極的にプロモーションを展開し,県全体の移住者数の底上げを図ることとしております。

 外国客船の寄港などにより好調なインバウンド観光では,「ひろめ市場」に近い帯屋町二丁目に新たな観光案内所を設置し,外国人観光客等が県内で周遊していただくことなどにより,外国人の宿泊者数の拡大につなげることとしました。

 ポスト幕末維新博では,来年2月からスタートする自然・体験型観光キャンペーンについて,本市が得意とする「歴史」「食」「自然」の観光資源を最大限に活用し,県をはじめ県内市町村の取組との相乗効果を発揮しながら,さらなる誘客を図ることとしました。

 また,国内外でよさこいの振興を図りながら,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開閉会式でのよさこい演舞の実現に向けて引き続き取り組んでいくことや,昨年7月に県市の共同申請によりトンガとのホストタウン登録を行ったラグビーワールドカップ2019等の開催に備えて,今後も県市が協力して,スポーツ合宿の誘致等に取り組むこととしています。

 次に,「災害対策」では長期浸水対策について,津波避難ビル指定の促進や,津波避難シミュレーションの結果を踏まえた救助・救出計画の策定を進めるとともに,避難対策としてブロック塀の安全対策の強化や,避難行動要支援者名簿を活用した避難支援等について,引き続き県の支援をいただくこととしました。

 次に,「健康福祉」では,地域包括ケアシステムの構築に向けて,県市が一体となって介護人材の確保・育成に取り組むとともに,単身高齢者をはじめとする住宅確保要配慮者の住まいの確保に向けて,県市で連携して具体的な支援策を検討していくこととしています。

 次に,「市街地整備」では,県議会6月定例会において工事再開が決定された都市計画道路はりまや町一宮線について,風情と活気あるまちづくりにつなげていくため,県市が連携して取り組むことを確認いたしました。

 「森林・林業政策」では,来年4月1日から施行される新たな森林経営管理制度に対応するため,今後の地域林業の活性化を担う人材の育成に向けて,県立林業大学校の講座の拡充を県にお願いするとともに,制度の円滑な活用を目指して,県市が連携して準備を進めることとしています。

5 新図書館等複合施設及び学校給食センター

 次に,新図書館等複合施設オーテピア及び学校給食センターについて申し上げます。

 完成までに8年の歳月を要したオーテピアは,7月24日の開館直後から,乳幼児から高齢者の方々まで幅広い年代層の皆様に利用されており,先月末日で館全体の来館者数が16万人を突破いたしました。

 「高知みらい科学館」では,年間入館者数の目標9万人に対して先月末日で既に8万人を突破しており,「オーテピア高知声と点字の図書館」では来館者が2万2千人を超えるなど,順調に利用者数を伸ばしています。

 図書館における新規登録者数がこの1か月で5千人を超え,これまで図書館を利用されていなかった方々が多数登録していただいており,今後も多様なサービスを提供し,市民の皆様の生涯学習や文化活動を積極的に支援してまいります。

 また,平成28年度から整備を進めてきました針木,長浜の2か所の学校給食センターが完成し,7月31日には市議会の皆様にもご参列を賜り,両給食センターで開所式を行い,念願の「すべての市立中学校での完全給食の実施」が実現することとなりました。

 両給食センターの開設に伴い,中学生に見合った栄養バランスと食事量を摂取できるように,安全安心でおいしい給食の提供を目指すとともに,給食を生きた教材として活用する食育についても,積極的に取り組んでまいります。

 両給食センターには,本市の喫緊の課題であります南海トラフ地震への備えとして,防災拠点としての機能を持たせており,大規模災害時には炊き出しが行えるよう,炊飯室には連続炊飯機とともに回転釜を設置するなど,当センターで作った食事を避難所に配送することが可能な施設としています。

 今後は,調理業務などの詳細なシミュレーションや模擬給食を行いながら,今月25日からの給食開始に向けて万全の準備を進めてまいります。

6 観光振興

 次に,観光振興について申し上げます。

 先月9日の高知市納涼花火大会を皮切りに,10日から12日にかけて開催された「第65回よさこい祭り」,「第20回よさこい全国大会」では,多くの企業や団体の皆様にご協賛をいただき,その運営には警察当局や競演場・演舞場の方々など,多くの関係者の方々にご尽力を賜りましたことに感謝を申し上げます。

 開催期間中は天候にも恵まれ,よさこい祭り本番では県外からの68チームを含む総勢206チーム,約1万8千人の踊り子による躍動感あふれる踊りが披露され,海外チームでは,12か国の踊り子で結成された「桜(さくら)舞(まい)ポーランド国際チーム」が初参加し,また,台湾からは,昨年11月に,高知市役所踊り子隊が,高雄市にある漢(かん)神(しん)アリーナショッピングプラザで開催された四国物産展で正調鳴子踊りを披露したことがきっかけとなり,漢(かん)神(しん)百貨の社員や高雄市民,総勢32名が高知市役所踊り子隊に合流し,初めてよさこい祭り本番で踊りを披露いたしました。

 今後は,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開閉会式でのよさこい演舞の実現を目指し,よさこいが日本を代表する祭りとして世界的にも認知されるよう,県市連携の下,「2020よさこいで応援プロジェクト実行委員会」等を通じて,さらなる情報発信を図ってまいります。

7 新図書館西敷地の利活用

 次に,新図書館西敷地の利活用について申し上げます。

 新図書館西敷地につきましては,これまで事業内容や事業計画,資金計画などの実現性や妥当性について「新図書館西敷地利活用事業基本協定締結に係る妥当性検討委員会」で検討を重ね,7月11日に報告を受け,現在,その報告内容等を踏まえ,優先交渉権者との具体的な協議を進めているところですので,今後の方針を整理した後,市議会の皆様にご意見を賜ってまいりたいと考えます。

8 新食肉センター

 次に,新食肉センターについて申し上げます。

 新たな食肉センターの整備につきましては,本年2月に,県やJAグループなどをメンバーとするワーキンググループが設立され,新センターの運営を担う新会社の設立や,施設整備に向けた議論が重ねられております。

 さらに,新センターの整備に係る具体的な議論を本格化させるため,新会社の運営にかかわる県やJAグループなどが中心となり,新会社設立に向けた準備業務の実施主体として,「高知県新食肉センター整備推進協議会」が7月18日に設置され,この協議会において,具体的な事業計画の関係者間の合意形成や,詳細な事業内容などについて,センター運営のシミュレーションに反映させるなどの検討を行っております。

 今後,施設整備の基礎となる地質調査を現地で実施し,本年度中には基本設計に着手される予定だと伺っており,来年度には実施設計の策定や新会社の設立が予定されていることから,その動向を注視しながら,適宜組合議会等にご報告を行ってまいります。

9 下島土地区画整理事業

 次に,下島土地区画整理事業について申し上げます。

 下島土地区画整理事業は,「下島町地区まちづくり協議会」などが主体となり,地権者の方々との合意形成にもご尽力をいただき,平成26年3月10日に事業計画の決定を行いました。

 その後,地権者等の皆様のご意見をお伺いしながら,昨年5月に仮換地の指定を行い,地区全体の3.2ヘクタールのうち1.5ヘクタールの第1ブロックについて,昨年11月から道路や宅地造成工事を進めております。

 本年7月末には予定どおり第1ブロックの工事が完了し,先月には,地権者の方々と仮換地の引渡しのための現地立会いを実施し,今月1日付けで仮換地の使用が開始されましたので,今後は仮換地先での建築が進み,災害に強い街並みが順次形成されることを期待しています。

 残ります第2ブロック及び第3ブロックにつきましても,順次造成工事等を進め,平成31年度末には工事が概成する予定となっています。

 中須賀土地区画整理事業では,本年度末の仮換地の指定を目指して,事業計画の変更及び仮換地計画案の縦覧に向けた準備等を進め,平成31年度から本格的な建物移転や工事に着手する予定であり,電車通りの国道33号整備促進事業につきましても,本年度末までに国道33号の未整備区間約1.5キロメートルの土地境界確認業務の完了が見込まれますので,今後,国に対する国道整備の実現に向けて積極的に働きかけを行ってまいります。

10 こうち志議会

 次に,こうち志議会について申し上げます。

 先月20日に開催されました「こうち志議会」は,高知市立中学校,義務教育学校,高知商業高校の総勢23名の生徒さんに議員を務めていただきました。

 本年度も,生徒の皆さんが学校生活をはじめ様々な生活面で身近に感じている,防災や地域の安全対策,環境問題,教育に関する現状や課題等を基に,生徒さんならではの視点による具体的な質問やご提言を23問いただきました。

 特に,高知商業高校の生徒さんからは,AI時代到来に備えた新しいビジネスの必要性や,地域と高校生が企画した商品を観光資源とする地域活性化の取組について,具体的なご提言をいただきました。

 一連の質疑応答の後,生徒の皆さんによって作成された「こうち志議会宣言」が全会一致で採択され,宣言の最後には,「市の魅力をもっと発信したい,課題をたくさん解決したいという強い思いを抱きました。そのためには,私たち若者がさらに高い志をもって,毎日を大切に暮らしていくことが大事だと思いました。」という文言があり,大変心強く感じるとともに,生徒の皆さんの将来のために,ご質問やご提言に対する答弁内容については,着実に進捗管理を行いながら今後の市政に反映してまいります。

11 学力向上対策

 次に,学力向上対策について申し上げます。

 本年4月に実施されました「平成30年度全国学力・学習状況調査」の結果概要が7月31日に公表されましたので,今般,初めて教育版の県市連携会議を知事,市長ともに出席して開催いたしました。

 まず,本市の小学6年生の平均正答率は,算数は全国平均を上回り,国語と3年ぶりに実施されました理科については,わずかに全国平均を下回る結果となり,ここ数年の結果を見ますと,特に国語において伸び悩んでいる傾向が伺えますが,小学校は全国平均レベルを維持していると考えます。 

 一方,中学3年生につきましては,国語と理科において改善の傾向が見られるものの,全教科について全国平均に達しておらず,特に数学は全国平均を大きく下回る結果となっており,中学校における学力には依然として課題が多いことが分かりました。

 本市では,平成29年度から4年間の「学力向上アクティブ・プラン」の取組を推進しているところであり,県からの支援を受けて,本年度から教育委員会に設置された「学力向上推進室」の学力向上推進員や指導主事を中心に,教員の資質・指導力の向上や授業改善等についての指導・助言を積極的に行い,子どもたちの学力向上を図ってまいります。

12 高知市立商業高等学校

 次に,高知市立商業高等学校について申し上げます。

 市立高知商業高校は,今年,全日制創立120周年,定時制創立100周年,野球部創部100周年の節目の年となっており,先月5日に開幕された第100回全国高校野球選手権記念大会において,12年ぶり23回目の甲子園出場を果たしました。

 甲子園での白熱した試合では,高知商業らしいプレーが随所に見られ,最後まであきらめず全力を出し切って白球を追う選手たちのひたむきな姿に心打たれるものがあり,古豪,高知商業野球部の復活が,県内の小中学生球児や観戦する市民,県民に大きな感動と喜びを与えていただいたことに感謝いたします。

 高知商業野球部は甲子園での活躍が高く評価され,今月末から開催される「福井国体2018」の高校野球大会にも選抜出場する予定であり,特に3年生は最後の試合になりますので,福井国体での活躍を期待しています。

13 補正予算・予算外議案

 以下,議案についてご説明を申し上げます。

 今回提出しました議案は,予算議案5件,条例議案11件,その他議案9件です。

 まず,今回の補正予算は,大阪府北部地震によるブロック塀の倒壊を踏まえ,安全性が確保できていない小中学校をはじめとする公共施設のブロック塀の改修経費や,7月豪雨等により被災した市道や農道,林道,河川などの災害復旧費を計上しています。

 国費の内示等に伴う補正予算としては,中須賀土地区画整理事業において,密集市街地の解消に向けた換地設計や建物移転を進める経費を計上するとともに,狭あい道路整備事業では,春野町5号線ほかで,幅員4メートル未満の道路の拡幅工事を行う経費などを計上しています。

 また,来年4月に予定されています高知県議会議員選挙及び高知市議会議員選挙に向けて準備経費を計上するとともに,債務負担行為の設定を行います。

 特別会計の補正では,平成29年度の決算確定に伴う繰上充用金の精算のほか,卸売市場事業では決算剰余金の減債基金への積立て,国民健康保険事業における給付費の確定に伴う国や県の負担金等の超過受入額を返還するものです。

 以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,

 一般会計 7億7百万円の増額

 特別会計 9,791万5千円の増額

であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で2,670億4,491万4千円となり,この補正予算財源として,特定財源では,国庫支出金や市債等を充当し,一般財源では繰越金を充当いたしました。

 次に,予算外議案について申し上げます。

 条例議案は,法令の改正に伴うものなど11件です。

 このうち,市第98号議案の高知市長等の給与,旅費等に関する条例の特例に関する条例制定議案は,前段申し上げました平成30年7月豪雨時の本市幹部職員の不適切な行動に対する管理監督責任を踏まえ,市長及び吉岡副市長の給料月額の減額を行うものであります。

 市第99号議案の高知市公共調達条例の一部を改正する条例議案では,労働報酬下限額の対象となる労働者の範囲の明確化を図るとともに,下限額を定める際に勘案する事項に市内の労働者の賃金の実態等を追加するものです。

 その他の議案は,嶺北広域行政事務組合から,し尿及び浄化槽汚泥の処理に係る事務を受託するための議案や,高知市清掃工場の長寿命化に向けた中央監視制御装置の更新工事請負契約締結議案など9件となっています。

 また,決算の認定議案等につきましては,この後,上下水道事業管理者及び財務部長より概要のご説明を申し上げます。

 報告10件につきましては,財政健全化法関連数値の報告や,継続費の精算報告など,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。

 以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。