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第472回高知市議会定例会市長説明要旨(令和元年9月11日)
第472回高知市議会定例会市長説明要旨
令和元年9月11日
第472回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。
議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。
1 市政の取組
まず最初に,今任期中の最後の市議会定例会となりますので,市長として就任させていただいた以降の市政の歩みについて申し上げることをお許しいただきたいと存じます。
高知市の発展と躍進が期待されていた重要な時期に市長という重責をいただいて以来,4期16年間,市民の皆様の「一人ひとりの幸せと生命を守る」ことを強く意識しながら,市勢発展に向けて全力で取り組んでまいりました。
平成15年当時の市長就任直後に直面していた厳しい財政状況につきましては,市議会や市民の皆様の多大なるご理解とご協力をいただき,職員一丸となって徹底した行財政改革に取り組むことにより財政再建を果たすとともに,任期2期目からは尾崎正直高知県知事とともに県市連携を強化しながら,喫緊の課題である「南海トラフ地震対策の加速化」と,人口減少問題の克服に向けた「地方創生の推進」という二本柱を軸に,「あんしん・あんぜんのまちづくり」を全力で進めております。
平成27年からの4期目では,これまでの潮江西部地区,高知駅周辺地区,弥右衛門地区の各区画整理事業で形成した都市基盤整備に加えて,旭駅周辺地区の市街地整備や街路整備などの都市機能のさらなる強化を図るとともに,南海トラフ地震対策として津波避難センター及び避難タワーの整備,新しい総合庁舎の建設,中央消防署をはじめとする消防署所・消防屯所の再編整備,学校や保育所施設の耐震化など,市民の皆様の生命を守るための事業に最優先で取り組んでまいりました。
併せて,全国初の県市合築による新図書館等複合施設「オーテピア」の完成,中学校給食の完全実施に向けた給食センターの整備,すべての小中学校等への空調設備の設置,産業活性化のための新産業団地整備などを着実に実現してまいりました。
ソフト面の施策では,子ども医療費助成の小学6年生までの拡大,全国に先駆けた幼児教育・保育における同時入所第2子の無償化,生活困窮者の自立支援,中山間地域等でのデマンド型乗合タクシーの開始など,市民の皆様の暮らしをサポートする施策を積極的に進めています。
さらには,鏡村,土佐山村,春野町との合併により誕生した「中山間地域,田園地域,都市部」のバランスのとれた新高知市を中心市とする県内34市町村で構成する「れんけいこうち広域都市圏」を形成し,高知県の支援の下,県全体をけん引する役割を担ってまいりました。
これらの様々な政策を市議会の皆様とともに実施する中で,実現できなかった道の駅構想や仁井田産業団地の整備,また,事業の推進手法をめぐり再検討となった新図書館西敷地の利活用事業などもありますので,反省すべき点につきましては真摯に受け止め,市議会や市民の皆様方に丁寧な説明と対応を図りながら,事業の実現に向けた合意形成に努めてまいります。
令和という新時代を迎えるに当たり,これまで積み上げてきた実績を次の世代に着実につなげながら,市民の皆様が安心して暮らしていける,ともに支え合いながら生きる「高知市型共生社会」の実現を図るため,地域において気軽に相談できる窓口の設置など地域力のさらなる強化を図り,市民の皆様の「生命と暮らしを守る」という強い思いを持ち,全力で取り組む決意を新たにしております。
今後さらに,具体的なマニフェスト案をまとめ上げまして,支援者や議員の皆様からのご意見をいただき,高知市型共生社会の実現を目指すビジョンとして公表してまいります。
2 国政・経済・地方財政の動向
次に,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。
今月9日に内閣府が発表した本年4月から6月期の国内総生産の2次速報値では,先月公表された1次速報値から民間設備投資が下方修正となり,実質成長率は前期比0.3パーセント増,年率換算で1.3パーセント増と下方修正されましたが,3四半期連続のプラス成長となりました。
また,先月30日に発表された月例経済報告では,景気の基調判断において2か月連続で据え置き,「景気は,輸出を中心に弱さが続いているものの,緩やかに回復している」とされ,今後の先行きについては,当面,弱さが残るものの,雇用・所得環境の改善が続く中で,各種政策の効果もあり,緩やかな回復が続くことが期待されるとの見方が示されています。
一方で,通商問題を巡る緊張の増大が世界経済に与える影響に留意するとともに,中国経済の先行きや,海外経済の動向などの不確実性,金融資本市場の変動の影響を注視していく必要があるとされています。
高知県内では,今月9日に発表された日本銀行高知支店の金融経済概況において,緩やかに増加している公共投資や高水準で推移している設備投資などを背景に,「高知県の景気は回復している」と21か月連続で据置きの判断がされました。
こうした経済状況の下,7月31日の臨時閣議で了解された令和2年度予算概算要求基準では,本年の「骨太の方針」を踏まえ,引き続き,「新経済・財政再生計画」の枠組みの下,本格的な歳出改革に取り組む方針が示されています。
年々増加する社会保障関係経費については,2020年度に向けて「実質的な増加を高齢化による増加分に相当する伸びにおさめる」方針の下,令和2年度の年金・医療等に係る経費については,前年度当初予算額に高齢化等に伴う自然増として5,300億円を加算した額の範囲内で予算要求することとされています。
また,地方交付税交付金等については,「新経済・財政再生計画」との整合性に留意しつつ要求することとされ,検討事項として消費税率引上げ前後の需要変動の平準化を図り,経済の回復基調に影響を及ぼさないよう万全を期す観点から,適切な規模の「臨時・特別の措置」を講ずることなどが盛り込まれました。
これらの方針を踏まえ,先月30日に総務省が発表した来年度の地方財政収支の仮試算では,地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額については,本年度の地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとして,1兆3千億円増の64兆円を見込んでいます。
今後の国の負担の在り方を注視している会計年度任用職員制度につきましては,必要な歳出を予算編成過程で検討するとして先送りされ,不透明な内容のままとなっています。
加えて,一般財源化される幼児教育・保育の無償化に伴う経費の普通交付税への適切な算入方法など,今後の国の動向を十分に注視していくとともに,四国市長会の会長として,地方財源のさらなる拡充を強く働きかけてまいります。
次に,本市における本年度の財政収支見通しですが,普通交付税の7月算定では,算定基礎となる基準財政需要額において,社会福祉費や生活保護費,高齢者保健福祉費が増加するなどにより,臨時財政対策債を含めた実質的な普通交付税の総額は279億円余りとなり,当初予算比較で8億円余りの増加となりました。
一方,令和元年度の当初予算編成では,財政調整基金から20億3千万円,減債基金から8億5千万円と多額の基金繰入金により収支の均衡を図っている状況に加え,今後必要な補正財源の確保など依然として厳しい財政状況に変わりはなく,消費税率の引上げに伴う経済への影響等による歳入の動向に十分留意しながら,高知市財政健全化プランの基本方針に基づき,的確な財政運営を図ってまいります。
3 県市連携会議
次に,先月28日に開催しました県市連携会議について申し上げます。
今回の会議では,「地方創生」,「行政サービスのデジタル化」,「災害対策」,「健康福祉」の4つのテーマについて,尾崎高知県知事と具体的な協議を行いました。
まず,「地方創生」では,移住・定住の促進について,次期「移住・定住促進計画」の策定も踏まえ,二段階移住の促進に向けて新たなPR動画を作成するなど,県市連携で積極的にプロモーションを展開するほか,「生涯活躍のまち」にかかわるアクティブシニアの移住促進に取り組み,活躍の場づくりを官民連携で行うこととしています。
本年2月からスタートした「リョーマの休日~自然&体験キャンペーン~」については,「高知光のフェスタ」の実施などナイトタイムエコノミーの促進によるさらなる誘客につなげてまいります。
次に,「行政サービスのデジタル化」では,マイナンバーカードを活用した住民サービスの拡充に向けて,令和3年3月から本格運用を開始する予定の健康保険証としての利用を含め,メリットを分かりやすく広報するなど,県との協力体制でマイナンバーカードの普及促進に取り組みます。
次に,「災害対策」では,南海トラフ地震臨時情報に対する住民の皆様の理解を深めるため,県と県内市町村が連携して周知啓発に取り組むことや,災害時要配慮者対策として,避難行動要支援者名簿の提供,また,遅れている個別計画の策定について,個別ケースによっては,ケアマネージャー等との連携も図りながら進めてまいります。
次に,「健康福祉」では,少子化対策の強化として,保育ニーズの高い地域における利用定員の拡大や保育士等の人材確保など,待機児童対策にさらに取り組むことや,児童虐待防止対策の強化に向けて,本市における「子ども家庭総合支援拠点」の早期設置を目指します。
また,地域包括ケアシステムの構築に向けた取組として,医療介護連携の一環である「入退院引継ぎルール」のスムーズな運用に県市で課題を共有しながら取り組むことを確認しています。
4 市長と語ろう会
次に,平成29年度から実施している「市長と語ろう会」について申し上げます。
平成29年度は「南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策」について,また,平成30年度は「若者とともに考える地方創生」をテーマに実施いたしました。
本年度は,子育て世代を対象に,子育てしやすいまちをテーマとして,杉の子幼稚園,旭保育園,ちより保育園の3会場で,7月から8月にかけて延べ35名の保護者の皆様にご参加いただき,意見交換を行いました。
日頃直接お会いする機会が少ない,子育て真っ最中のお父さんやお母さんから,子育てで苦労していることや高知市で子育てして良かったことなど,多くのご提案やご意見をいただくことができ感謝しております。
その一部をご紹介しますと,県外及び市外のご出身の保護者の方々からは,高知市へ転入するに当たっては,保育園や幼稚園,小学校の特色などに関する情報が重要になることから,これらの情報にアクセスしやすい仕組みが欲しいとのご意見をいただいています。
こうした市民の皆様が求める情報を的確に提供していくことが重要であることから,現在構築中の地域福祉に関する情報を提供する新システムの活用を含め,市民ニーズに沿った様々な情報提供の仕組みづくりを進めてまいります。
5 幼児教育・保育の無償化
次に,幼児教育・保育の無償化について申し上げます。
来月から実施予定の満3歳以上児の幼児教育・保育の無償化に伴い,2号認定の子どもさんの副食費が保育料から切り離され,施設側において実費徴収することとなります。
副食費については,教育を希望する1号認定の子どもさんが新たに減免対象になり,その対象範囲については年収約360万円未満の相当世帯まで拡大され,多子軽減については,従来の保育料と同様に第3子以降が免除されることとなりました。
一方で,本市が平成26年度から単独事業で実施してきた同時入所第2子の保育料無償化については,多子世帯の経済的な負担軽減を図るため,市の単独事業として,同時入所第2子の副食費については月額4,500円を上限に減免することとし,その適用範囲を1号認定の子どもさんにも拡充することといたしました。
今回の副食費に関する補正予算では,減免等に要する経費とともに,公立保育園の副食費実費徴収額については,国が公定価格の中で積算し目安としている一人当たり月額4,500円で歳入予算に計上しております。
6 新庁舎の整備状況と今後のスケジュール
次に,新庁舎の整備状況と今後のスケジュールについて申し上げます。
現在,総合庁舎として整備を進めている新庁舎は,分散化による市民サービスや業務効率の低下といった旧庁舎の課題の解決と併せて,近い将来必ず発生する南海トラフ地震に備え,想定される最大級の地震や津波に十分耐えることができる強固な構造体としています。
加えて,発災直後から一定期間,防災拠点としての庁舎機能を維持するため,停電に備えた非常用電源設備と72時間分の燃料を備蓄するとともに,下水道の破断時には排水経路を地下にある緊急排水槽に切り替えることなどの対策を講じています。
建設工事の進捗状況としては,建物本体の躯体工事や配管工事が概ね完了し,現在,内外装の仕上げや各種設備機器の取付けを行うとともに,外部足場を解体して建物周囲の外構工事に着手し,本年11月末の完成に向けて順調に作業を進めています。
新庁舎への移転スケジュールについては,12月頃から什器備品の搬入・組立てなどの開庁準備に取り掛かり,来年1月中旬から順次引越し作業を進め,2月末頃までの移転完了を予定しています。
また,本年12月28日には新庁舎の落成式を開催するとともに,市民の皆様に新庁舎のご理解を深めていただく市民見学会を開催する予定です。
新庁舎の供用開始まで,市民の皆様や議会の皆様にはご不便をおかけいたしますが,ご理解・ご協力を賜りますようお願いいたします。
7 要配慮者支援対策
次に,災害時における要配慮者支援対策について申し上げます。
要配慮者支援対策については,本市の避難行動要支援者は本年3月末で37,516人となっており,このうち,民生委員,自主防災組織,町内会,地区社会福祉協議会などの避難支援等関係者に対して,名簿情報を提供するご同意が得られた方は約3分の2に当たる24,642人となりました。
ご同意をいただきました名簿情報につきましては,個別計画策定などの具体的な支援に取り組んでいただいている地域の自主防災組織や町内会の皆様に,情報の取扱いや名簿を活用した地域での取組事項を定めた協定を締結した上で,本年3月末で2,151人分の情報を提供し,1,010人分の個別計画を策定していただきました。
また,各地域の避難支援等の関係者とは別に,本市の民生委員児童委員協議会連合会,社会福祉協議会,町内会連合会,消防局及び消防団,高知県警にも,同意された方の名簿情報を昨年7月に提供しております。
避難行動要支援者対策の取組は,地域での体制づくりや制度の周知等が不可欠であり,個別計画の策定に際してはご本人との面会が必要で,介助や障害への配慮等において地域の方々が苦慮されることもあるとお聞きしています。
このため,行政としての支援を強化していくため,先月には,防災対策部・健康福祉部・市民協働部に高知市社会福祉協議会を加えたプロジェクトチームを結成し,関係部局による緊密な連携の下,スピード感を持って取組を進めてまいりますので,ご支援をお願いいたします。
8 観光振興
次に,観光振興について申し上げます。
先月9日から12日までの間に開催された高知市納涼花火大会やよさこい祭り,そしてよさこい全国大会の実施や運営において,協賛をいただきました皆様をはじめ,ご尽力を賜りました多くの関係者の皆様方に御礼を申し上げます。
こうした中,8月9日に開催された高知市納涼花火大会において,打ち上げ花火が地上で爆発し,発射筒の一部が飛散したことにより,花火を見に来られた方1名が負傷する事故が発生いたしました。
負傷者の方は翌日には退院されていますが,被害に遭われました方,並びに関係者の皆様に心よりお詫び申し上げますとともに,現在,事故の原因を警察が調査していますので,原因が究明され次第,関係機関と協議を行い,再発防止に向けた対策を講じてまいります。
次に,先月10日から2日間にわたり開催された「第66回よさこい祭り」は,天候にも恵まれ,県外72チームを含む207チーム,約18,000人の踊り子には,エネルギッシュな踊りを披露していただきました。
また,台湾高雄市からも,昨年に引き続き,漢(かん)神(しん)デパートの社員や高雄市民,総勢28名が高知市役所踊り子隊に合流し,正調鳴子踊りを披露するなど,よさこいを通じた交流の輪が年々,広がりを見せています。
新たな取組として,同9日には,高知城演舞場において,市内の大学生主体の実行委員会が企画・運営する「土佐学生よさこい大会」が初めて開催され,県内外の大学生6チームによる若さあふれる演舞で,祭り本番を盛り上げていただきました。
課題となっています競演場・演舞場が抱える人手不足への支援策として,昨年度に菜園場競演場をモデルに作成した「運営の手引き」を活用し,「土佐学生よさこい大会」の中心メンバーに,同競演場においてボランティアでの給水所を運営していただき,今後は,このモデルケースを検証しながら,各競演場の抱える課題解決に向けて,関係者の皆様とともに取組を進めてまいります。
9 ラグビーワールドカップ2019トンガ王国代表受入れ
次に,ラグビーワールドカップ2019のトンガ王国代表事前キャンプについて申し上げます。
本市では,今月20日から開幕する「ラグビーワールドカップ2019」に出場するトンガ代表チームが,今月9日から13日までの日程で,春野総合運動公園において事前キャンプを実施しています。
私もキャンプ初日の9日の晩にはウエルカムパーティーに参加させていただき,屈強なトンガ代表のラガーマンたちと親しく交流させていただきました。
明日12日には,代表選手の皆さんが練習の合間に市内の小学校を訪問し,トンガ文化の紹介やラグビー教室を行っていただくとともに,市民や県民の皆様とも積極的な交流を図っていただく予定となっています。
今回の事前キャンプにつきましては,県や県ラグビーフットボール協会とともに,本市職員も大使館を訪問するなどの積極的な誘致活動を行い,トンガの廃棄物問題解決の一助として,本市のパッカー車を外務省を通じて寄贈するなどの取組が実り,実現したものです。
現在,中心市街地のアーケードにはトンガ代表を歓迎するフラッグがはためき,街中が「トンガレッド」に彩られており,市民・県民を挙げてワールドカップでのトンガ代表チームの応援をお願いしますとともに,大会後もラグビーを通じた交流や環境問題など様々な協力を通じて,トンガ王国と高知の絆を深めてまいります。
10 新図書館西敷地の利活用
次に,新図書館西敷地利活用事業について申し上げます。
新図書館西敷地利活用事業について,現在,意見交換会等を実施しており,7月24日には,高知市町内会連合会の理事会の開催に合わせて32名の理事の皆様にご参加をいただきました。
ご参加いただきました皆様からは,多くの機能を有した施設整備や,広場や憩いの場,隣接するひろめ市場のような施設整備などの具体的なご提案のほか,本市の課題でもあります若者の県外流出に歯止めをかけるための拠点となる施設など様々なご提案をいただきますとともに,貸付期間について50年は長すぎるのではないかなど,多くのご意見等を賜りました。
また,先月29日には中心商店街の各振興組合の代表者などで構成される株式会社中心街再開発協議会の皆様14名にご参加いただき意見交換会を開催いたしました。
参加された皆様からは,西敷地の立地特性を踏まえた複合的な施設整備のご提案などをいただくとともに,商店主の皆様からの西敷地利活用事業に関する多くのご意見をご紹介していただくなど,様々なニーズをお聞きすることができた有意義な意見交換会となりました。
今後,高知青年会議所の皆様や,中心市街地で学生生活を送られている高知県立大学,高知工科大学,高知追手前高等学校,土佐女子高等学校,高知丸の内高等学校の各学生・生徒の皆様を対象に意見交換会を実施する予定です。
また,高知商工会議所の皆様とは開催日程等の調整がつかなかったことから,高知商工会議所の全会員である約3,000人を対象としたアンケート調査にご協力いただくこととなっており,併せて,昨年事業化しました「高知市市民ウェブモニター制度」にご登録いただいています121名の市民の皆様を対象としたアンケート調査も実施することとしております。
これらの意見交換会やアンケート調査でいただきましたご提案やご意見等を踏まえ,市議会の皆様方からもご意見をいただきながら,再公募の実施に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。
11 こうち志議会の開催
次に,「こうち志議会」について申し上げます。
先月22日に開催された「こうち志議会」は,高知市立中・義務教育学校及び高知商業高校の総勢24名の生徒の皆さんに議員,議長及び副議長を務めていただきました。
本年度も生徒の皆さんには,学校生活のみならず,安全対策,防災,環境問題,教育など生活の様々な場面における身近な課題に関するご質問やご提言を計22問いただきました。
高知商業高校の3名の生徒さんからは,「高校生の意見やアイデアを市政に活かす取組」,「地元高知の特産品の魅力発信の取組」,「高校生が主体となった地域活性化の取組」について,それぞれ多くの資料やデータを基に具体的なご提言をいただきました。
生徒の皆さんから提出された内容をとりまとめ作成された「こうち志議会宣言」の結びでは「高知市とともに生きていくため,私たち自身が持続的に発展する存在にならなくてはいけません。チーム高知市の一人として,高知市の未来をもっともっと輝かせることを目指し,これからも高知や日本,世界について学び行動することをここに宣言します。」とあり,心強く感じるとともに,今回ご質問いただきました内容について,各部局で十分協議し,今後の市政に反映してまいります。
12 学力向上対策等
次に,学力向上対策等の取組について申し上げます。
本市では,平成29年度から4年間の「学力向上アクティブ・プラン」の取組を推進しており,「学力向上推進室」を中心に教員の資質・指導力の向上や授業改善等の取組を進め,子どもたちの学力向上を図っています。
7月31日には,本年4月に実施された「全国学力・学習状況調査」の結果概要が公表され,本市の小学校では,算数は全国平均を上回りましたが,国語がわずかに下回り,全国レベルを維持しているものの,ここ数年は下降傾向が続いています。
中学校については,国語,数学に加えて,本年度に初めて実施された英語のすべてで全国平均を下回る結果となり,依然として課題があることが分かりました。
一方で,「学力向上推進室」を中心として,学校への訪問指導を積極的に活用し,主体的・組織的に授業改善に取り組むことで成果が表れている学校もあり,規模の大きな学校でも全国平均を大きく上回っている成果を挙げている事例も見受けられます。
今後は,こうした成果が見られる学力向上の取組を基に,学校と教育委員会が一体となり,各校の状況分析とさらなる改善策等をともに考え,子どもたちの学力向上の取組を一層推進してまいります。
13 参議院議員通常選挙の結果等
次に,参議院議員通常選挙の結果等について申し上げます。
7月21日には,令和初の国政選挙となる「第25回参議院議員通常選挙」が執行され,全国的にも投票率の低下が懸念される中,唯一高知県だけが前回よりも投票率が向上する結果となりましたが,一方で,合区先である徳島県は,全国で唯一40パーセント台を割り込み,全国最下位という残念な結果となりました。
高知市の投票状況では,投票率は41.35パーセントで前回比で1.06ポイント向上し,うち期日前投票者数は37,765人と前回比較で45パーセントの大幅増となり,全体投票者数の約11万4千人に対して,実に3割強の皆様が期日前投票所で投票されています。
本市では,今春の統一地方選挙から,利便性の向上を図るために期日前投票所の再編を行った結果,期日前投票者数は県議会議員選挙で28,309人,市議会議員選挙で28,766人,参議院議員選挙で37,765人と順調に増加しており,市民の皆様にも大変ご好評をいただいておりますことから,今後も商業施設等を中心とした期日前投票所のさらなる充実を目指してまいります。
14 職員の処分
次に,本市の市民協働部課長補佐級職員が部下職員に対してパワーハラスメント行為を行ったことについてご報告とお詫びを申し上げます。
今回の不祥事は,被害者からハラスメント苦情相談職員に相談があり,事実確認を行った結果,6月19日に当該職員が部下職員に対し,人前で長時間にわたり激しく叱責する,暴言を吐く等の行為を行い,精神的な苦痛を与えるハラスメント行為があったことを確認したものです。
職員の模範となるべき管理職の立場にある者がこうした行為を行ったことを重く受け止め,また,二度とこうした行為を行わないよう,先般,当該職員に対して減給10パーセント3か月の厳重な処分を行いました。
市民の皆様の安全・安心を守るべき本市職員がこのような事件を起こしたことは,市政に対する信頼を著しく損なうものであり,市民の皆様や市議会の皆様にお詫び申し上げます。
改めまして,職員一人ひとりが公務員としての自覚と強い使命感をもって,規律ある行動をとることを庁内に徹底し,組織一丸となって信頼回復に取り組んでまいります。
15 補正予算・予算外議案
以下,議案についてご説明を申し上げます。
今回提出しました議案は,予算議案4件,条例議案24件,その他議案9件です。
まず,今回の補正予算では,国費の内示等に伴いまして,6月議会に引き続き,愛宕町北久保線「愛宕町工区」をはじめとする3街路整備事業において,早期完成を目指し,移転補償費や用地購入費等の増額を行うとともに,申請件数の増加に対応するため,倒壊の危険性のある老朽住宅の除却や住宅塀の改修に向けた助成費の増額などを行います。
観光振興では,閑散期の誘客及びナイトタイムエコノミーの促進に向け,11月上旬から開催が予定されている「チームラボ高知城光の祭」に対し,高知県とともに費用の一部を負担することとしています。
特別会計の補正では,平成30年度の決算確定に伴う繰上充用金の精算のほか,産業立地推進事業では決算剰余金の減債基金への積立てを行います。
以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,
一般会計 6億5,800万円の増額
特別会計 673万9千円の増額
であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で2,594億8,089万8千円となり,この補正予算財源として,特定財源では,国庫支出金や市債等を充当し,一般財源では普通交付税や繰越金を充当いたしました。
次に,予算外議案について申し上げます。
条例議案は,法令の改正に伴うものなど24件です。
このうち,市第94号高知市職員給与条例等の一部を改正する条例議案など5件につきましては,地方公務員法において,職員の欠格条項から「成年被後見人又は被保佐人」が削除されることに伴い,関係規定の見直しを行うもので,市第107号高知市子ども・子育て支援法施行条例の一部を改正する条例議案など3件は,幼児教育・保育の無償化に伴い,過料や副食費等に関する規定を整備するものです。
その他の議案は,区画整理事業に伴う旭駅周辺地区都市再生住宅(第二期棟)新築工事の請負契約締結議案など9件となっており,このうち決算の認定議案等につきましては,この後,上下水道事業管理者及び財務部長から概要のご説明を申し上げます。
報告12件につきましては,継続費の精算報告や財政健全化法関連数値の報告など,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。
以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。