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第483回高知市議会定例会市長説明要旨(令和3年3月5日)

第483回高知市議会定例会市長説明要旨

 

令和3年3月5日

 

第483回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

 最初に,東北地方を中心に未曽有の被害をもたらしました東日本大震災の発生から,今月11日で10年という節目の年を迎えます。

 この間,平成28年の熊本地震や平成30年の大阪府北部地震,昨年7月には九州地方に甚大な被害を及ぼした令和2年7月豪雨など,今なお日本各地で大規模な自然災害が発生し,多くの人々の尊い命が失われています。

 また,先月13日には,東日本大震災の余震である福島県沖を震源地とする最大震度6強の大きな地震があり,多くの建物が倒壊したほか,火災や土砂崩れなどの被害が発生し,現地では現在も懸命に復旧作業が進められています。

 各地で犠牲になられました方々のご冥福を衷心よりお祈り申し上げますとともに,被災されました皆様に対しまして,心からお見舞いを申し上げます。

 本市では,各地で発生する自然災害を貴重な教訓として学びながら,コロナ下における南海トラフ地震対策や台風などの豪雨災害に備えるため,全庁を挙げて防災対策に取り組んでまいります。

1 新型コロナウイルス対策

 次に,直近の新型コロナウイルス対策について申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の収束に向けて効果が期待されるワクチン接種につきましては,厚生労働省が先月14日にファイザー社製のワクチンを薬事承認し,県内でも2月19日から市内2か所の公的医療機関で先行接種が始まっています。

 一方,ワクチンの供給量が世界的に不足している影響で,65歳以上の高齢者への接種については,数量を限定して開始する方針が政府から示されており,4月19日の週までに県内全体に供給されるワクチンの量は,約1万1千人の2回接種分にとどまるなど,県内への本格的なワクチンの安定供給は4月下旬以降になる見込みとなりました。

 そのため本市では,今月下旬に予定していた市内約9万7千人の65歳以上の高齢者の皆様に対する接種券の発送を一旦見合わせ,国からワクチンが安定的に供給される時期に合わせて接種券を発送し,ワクチン接種の予約を開始することといたしました。

 このワクチン接種の予約につきましては,お手元に届いた接種券の2次元バーコードを読み取ることで,インターネット予約ができる仕組みとなっており,当初はシステムの運用を4月1日から開始する予定でしたが,接種券の発送時期に合わせ,運用開始することとします。

 なお,インターネット操作に不慣れな高齢者等の方々に対しましては,今月1日から開設したコールセンターにおいて,フリーダイヤルによる電話予約が可能となる体制を設けるとともに,接種に関する一般的なご相談にも対応しています。

 接種場所の確保につきましては,医師会をはじめ医療機関や薬品卸事業者等のご協力をいただき,ファイザー社のワクチン保管に必要な超低温冷凍庫を設置する基本型接種施設等から,ワクチンを小分けにして接種に必要な針やシリンジとともに,サテライト型接種施設の医療機関に配送する体制整備を図り,可能な限り市民の皆様が身近なかかりつけ医で接種できるように,今後のワクチン接種の進捗状況等を見極めながら,的確に対応してまいります。

 今後も,ワクチンの輸入量によって地方の準備作業も大きく変わってきますので,国の情報に十分留意しながら,県や高知市医師会等の関係機関との連携の下,安心してワクチン接種ができるように,体制の確保を進め,メディア等への情報提供など多様な伝達手段を通じ,スケジュールや接種場所等について丁寧に周知を図り,円滑なワクチン接種に向けて取り組んでまいります。

2 国政・経済の動向

 次に,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症により,幅広い分野の産業が深刻な打撃を受けている中で,先月15日に内閣府が公表した昨年10月から12月期の国内総生産の実質成長率は,個人消費や設備投資などの回復が寄与し,前期比3.0パーセント増,年率換算では12.7パーセント増と2四半期連続のプラス成長となりましたが,GDP水準は依然として新型コロナウイルス感染拡大以前のレベルには届いておらず,2020年の通年では対前年比4.8パーセント減と11年ぶりのマイナス成長となりました。

 県内では,1月22日に日本銀行高知支店が公表した高知県金融経済概況において,「全体では持ち直しの動きが続いている」との判断がなされた一方で,今後の先行きについては,「新型コロナウイルス感染症の動向が県内の企業収益や雇用・所得等に与える影響について注視していく必要がある」とされていますので,金融機関をはじめとする関係団体とも連携し,県市協調して中小企業等の事業継続に向けた支援に積極的に取り組んでまいります。

3 財政健全化への取組

 政府では,1月28日に成立した令和2年度第3次補正予算と現在審議中の令和3年度当初予算を合わせて,「15か月予算」として編成し,切れ目のない財政出動で景気回復に注力することとし,第3次補正予算では,新型コロナウイルスワクチン接種体制整備の経費や,第3次新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金,防災・減災国土強靱化の推進など,喫緊の感染予防対策と経済対策,防災対策等の経費が盛り込まれています。

 また,同月29日に国会へ提出された令和3年度地方財政計画では,地域社会のデジタル化を集中的に推進するため,「地域デジタル社会推進費」が創設されるとともに,新型コロナウイルス感染症への保健所の恒常的な人員体制を強化するため,2年間で約900名の保健師が増員されるなど,交付団体ベースの一般財源総額は,前年度を2,414億円上回る61兆9,932億円が確保されています。

 このうち,地方交付税は,対前年度比8,503億円増の17兆4,385億円となったものの,地方交付税の代替措置である臨時財政対策債は,国税及び地方税の大幅な減収を受け,対前年度74.5パーセント増の5兆4,796億円となり,借入金への依存度が高まっています。

 こうした厳しい財政状況の下,新年度からは高知市総合計画後期基本計画に基づく,令和3年度から5年度までの第1次実施計画がスタートします。

 この後期基本計画では,ウィズコロナ・アフターコロナの対策や,デジタル社会への対応などの社会情勢を踏まえ,南海トラフ地震や少子高齢化・人口減少問題への対策を強化するとともに,持続可能な社会を目指す国際目標であるSDGsに向けた活動にも取り組むこととし,「誰一人取り残さない」という理念を重視しながら,高知市型共生社会の実現に取り組みます。

 第1次実施計画の初年度となる令和3年度高知市一般会計当初予算では,「新型コロナウイルス対策」,「高知市型共生社会の実現」,「南海トラフ地震対策」を3本柱に掲げ,着実に計画登載事業を推進し,「支え合いと絆で希望を紡ぐ高知市型共生社会」を目指します。

 新年度当初予算の財政構造では,個人市民税及び法人市民税の急激な落ち込みなどにより,歳入の柱である市税全体で18億円の減収となりましたので,臨時財政対策債の発行を25億円増やして,市税の減収をカバーすることとしています。

 併せて,高齢化の進展等による社会保障関係費の伸びなどから,必要となる一般財源が増加しますので,財政調整基金や減債基金を財源充当して収支の均衡を図っています。

 今後の財政収支見通しでは,「高知市財政健全化プラン」の計画期間である令和4年度までの5か年において,令和元年度決算の実質収支の黒字が確定したことなどにより,収支不足額は44億円となり,昨年の当初予算編成時点からは,9億円の収支改善が図れる見通しとなっています。

 しかしながら,新型コロナウイルスの影響により,市税が大幅な減収となるなど,今後の見通しについては景気の大幅な変動により,特に歳入面での見込みが悪化することから,適宜,収支見通しを注視しながら,「高知市財政健全化プラン」に基づく歳入確保策の徹底や事務事業の見直し,投資事業の平準化・先送りによる公債費の低減などに着実に取り組んでまいります。

 コロナ禍における地方税の減収見込みについては,令和3年度の地方財政計画に一定反映されましたが,新年度に入り,さらに想定を超える厳しい財政状況となった場合には,国において臨時特例的に創設された「猶予特例債」や「減収補てん債への対象税目の追加」など,それぞれの影響に応じた地方財政措置の拡充について,全国市長会等を通じ国に強く訴えてまいりますので,ご支援賜りますようお願いいたします。

4 地域共生社会の実現に向けた取組

 次に,地域共生社会の実現に向けた取組について申し上げます。

 本年4月から施行される改正社会福祉法で新設された,介護・障害・子育て・生活困窮の各分野における「断らない相談支援」や「参加支援」,「地域づくり」に向けた支援等を一体的に実施する「重層的支援体制整備事業」の令和4年度からの実施に向けて,現在,庁内関係各課のほか,高知市社会福祉協議会をはじめとする関係機関との協議を精力的に進めています。

 令和元年11月から地域の薬局や社会福祉法人等にご協力をいただき,市内5地区28か所で開設している「ほおっちょけん相談窓口」は,地域の皆様からの困りごとをいったん受け止め,適切な支援につなぐ大切な役割を果たしていただいておりますので,この窓口の拡充をはじめ支援を強化するため,高知市社会福祉協議会の地域福祉コーディネーターを,現在の15名から2名増員し,支え合いのあるまちづくりを進めます。

 次に,旭地区の重要な活動拠点である「木村会館」につきましては,開館から40年が経過し,施設の老朽化に加え,令和元年度に実施した耐震診断で,Is値が基準値を大幅に下回るなど,建物の耐震性が課題となっています。

 木村会館は昭和53年の改築以来,年間約10万人が利用し,地域の皆様が愛着と親しみを持った施設であるとともに,長期浸水エリア外にあることなどを踏まえ,避難機能を有する重要なコミュニティセンターとして位置付け,快適かつ安全・安心な利用ができるように耐震補強及び大規模修繕工事を行うこととし,昨年10月から実施設計作業を進めています。

 今般の新型コロナウイルス感染症の長期化など課題もありましたが,実施設計が本年6月末に完了する予定ですので,概算事業費が確定いたしましたら,関連経費を補正予算として計上しまして,令和3年度内に工事に着手し,令和5年度中の完成を目指します。

5 南海トラフ地震対策

 次に,南海トラフ地震対策について順次申し上げます。

 まず,守った命をつなぐための避難所における環境対策について申し上げます。

 南海トラフ地震などの大規模災害時には,トイレ環境が十分整備されていない避難所等では,日常の排せつを我慢し水分を控えることにより,血栓症などの命に関わる疾患を招く危険性が高くなることから,避難所におけるトイレ確保の対策を進めていく必要があります。

 平成29年1月に庁内に設置した「高知市災害時トイレ対策検討プロジェクトチーム」からの報告では,発生頻度の高いレベル1の地震発生時に,発災4日目から1か月程度の期間におけるトイレ確保対策として,津波浸水想定区域外の主要な避難所39施設に,貯留型マンホールトイレの整備が必要だとされています。

 これらの検討結果を踏まえ,令和3年度には8か所の避難所へマンホールトイレを整備することとし,令和7年度までの5か年で39か所の避難所で整備完了を目指します。

 次に,避難行動要支援者対策について申し上げます。

本市では,高齢者や障がいのある方々など,災害時に自ら避難することが困難な方々が安全に避難するための個別計画作成の取組を推進しています。

 今年度は,沿岸地域に位置する「春野 御畳瀬 横浜 十津 三里」の5地区で個別計画作成のモデル事業を進めていただき,地域の支援者の方々に加えて,日頃から要支援者ご本人と関わりのあるケアマネジャーなどの介護・福祉事業者のご協力や,社会福祉協議会,地域包括支援センターとの連携による個別計画の作成が順調に進められ,地域の皆様からは「顔の見える関係づくりにつながった」とのお声もいただいております。

 これらのモデル地区には,お一人で避難ができ,心身ともにお元気な方も多くおられますので,令和3年度からは,ご自身で個別計画を作成していただく「マイプラン方式」を導入し,自助力を高めていただくとともに,計画を地域の支援者の皆様と共有することにより,共助による地域防災力の向上と支え合いのあるまちづくりを目指します。

 次に,支援物資配送に係る資機材整備について申し上げます。

 南海トラフ地震発生時には,大量の支援物資が国等から配送されることから,本市の物資拠点である春野総合運動公園及び東部総合運動公園から各避難所まで速やかに支援物資を配送するため,令和元年度に「高知市物資配送計画」を策定し,今年度は全国ネットの配送組織がある大手運送会社と物資配送に関する協定を締結いたしました。

 この計画では,市の物資拠点において支援物資の荷下ろしや積込み,仕分け等を迅速に行うために,フォークリフトを使用することを想定し,昨年11月に高知県と春野総合運動公園で実施した物資配送訓練においても,フォークリフトの必要性を再認識したところです。

 フォークリフトについては,運送事業者等から調達することを基本としていますが,被災直後の状況によっては調達が困難になることが想定され,本市の2か所の物資拠点に高知県と連携しながら必要なフォークリフト等の資機材整備を進め,令和3年度には東部総合運動公園にフォークリフト等の保管倉庫を整備し,発災後の速やかな物資配送につなげてまいります。

 次に,旭駅周辺市街地整備について申し上げます。

 下島土地区画整理事業では,関連事業として令和元年10月に着手した下島町都市再生住宅新築工事が昨年12月に完成し,本年2月に行われた換地処分の公告により確定した清算金の徴収及び交付事務を本年7月から開始する予定です。

 中須賀土地区画整理事業では,令和3年度中に権利者へ整備が完了した仮換地の引き渡しを実施するほか,街路等の整備や建物移転補償を進め,引き続き,地元住民の皆様のご協力をいただきながら,「あんしん・あんぜん」のまちづくりに向けて計画的な事業進捗を目指します。

6 デジタル化の推進

 次に,デジタル化の推進に関する取組について申し上げます。

 今般の新型コロナウイルス対策では,行政におけるデジタル化の遅れが課題になったことなどを受けて,昨年12月25日に総務省から全自治体に対して,AI(人工知能)・RPA(定型的業務のソフトウェアロボットによる自動化)の利用推進や,情報システムの標準化・共通化,行政手続のオンライン化などを重点項目とする「自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進計画」が示されました。

 本市では,こうした国の急速なデジタル化の動きに迅速に対応できるように,2月1日付けで,市長を本部長とする「高知市DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進本部」を立ち上げ,今後,デジタル技術やデータを活用した行政サービスの利便性の向上や,内部事務の効率化に全庁一丸となって戦略的に取り組んでいくための体制整備を図ったところです。

 このDX(デジタル・トランスフォーメーション)の取組の一つとして,これまで職員が手作業で行っていた定型的な事務処理を補強・代替することができるデジタル技術のAIやRPAを活用することとしており,令和3年度には,まず会議の音声記録からAIによる議事録作成ツールを導入し,各種会議において活用を図るほか,令和2年度に導入検証を行ったRPAシステムの規模を拡大し,高い効果が見込まれる業務から順次行政事務の自動化を進めてまいります。

7 コンビニでの住民票等交付の開始

 次に,コンビニでの住民票等の交付サービスについて申し上げます。

 住民票等のコンビニ交付につきましては,全国に5万店舗以上ありますコンビニエンスストアのマルチコピー機を利用し,マイナンバーカードにより住民票の写しや印鑑証明書の交付サービスを行うもので,マイナンバーカードをお持ちの方は,お近くのコンビニエンスストアで申請書に記載することなく,ご自身の住民票の写しと印鑑証明書が取得できるようになります。

 このサービスにより,市民の皆様の利便性が格段に向上するとともに,窓口での混雑緩和につながりますので,県内でも今年度から7市町村がサービスを開始するなど,全国的にもサービスが拡大しており,中核市60市の中で実施していないのは本市を含め4市のみという状況です。

 コンビニ交付に向けて令和3年度中にシステム導入を行う場合には,新しい生活様式を踏まえた非接触型対応の推進施策として,地方創生臨時交付金の活用が可能になりますので,本市におきましても,令和4年3月からのサービス開始を目指し,準備を進めてまいります。

 このサービスが始まりますと,現在,地域窓口センターで行っている業務の大半を占める住民票の写しと印鑑証明書の交付がコンビニエンスストアでできることとなります。

 そのため,地域窓口センターでのサービス内容や,その運営の在り方について,見直しをしていく必要がありますので,議会の皆様からのご意見を賜りながら,再編に向けた検討を順次進めてまいります。

8 れんけいこうち広域都市圏事業

 次に,れんけいこうち広域都市圏の取組について申し上げます。

 今年度の取組につきましては,コロナ禍の中で,オンライン化等の活用により迅速に事業を進め,行政による全国に先駆けたウェブサイト「TSUNAGU(つなぐ)」の開設や臨時マーケットを開催し,「事業者と消費者等をつなぐ」新たな取組を展開したほか,見本市等への共同出展による販路拡大,大手通販雑誌に当圏域の伝統産品カタログを同梱し,高知県の伝統的工芸品等の知名度向上と販売促進につなげる取組を進めています。

 令和3年度の新たな連携事業では,観光推進事業として,映像等による仁淀川エリアの魅力をPRするデジタルコンテンツを作成し,全国プロモーションを行う取組を圏域市町村からの提案事業として展開するほか,各事業のオンライン開催やウェブサイトでの積極的な情報発信など,コロナ禍における新しい生活様式に対応する取組を進めます。

9 産業振興

 次に,中小企業等の事業継続に向けた支援について順次申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の中で,事業の継続に向け,新たな業態による経営に取り組む事業者の皆様を対象に,今年度に「テイクアウト・デリバリー等業態変更支援事業費補助金」を創設しましたが,新年度には,補助内容を一部リニューアルして,飲食事業者が新たな分野へ業態転換する場合の補助対象範囲を拡大し,1事業者当たり60万円を上限として,飲食事業者の皆様が自ら活路を見出す業態転換に係る経費を支援します。

 令和2年度に実施しました「ECサイト等利用促進支援事業費補助金」は,申請受付開始3日目で予算枠を消化し,受付終了後も補助金についての多くのお問い合わせがあるなど,ECサイト等を活用した販路拡大へのニーズが高いことから,引き続き新しい生活様式に対応した販路拡大の手法として,新たにインターネットを活用した商品の販路開拓・拡大を目指す取組に助成し,事業者の売上確保を支援します。

 また,店内にお客様が滞在する来店型店舗を営む事業者の皆様に対し,新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインに対応するために必要な飛沫防止用のパーテーション設置や,非接触型の体温計の購入,換気設備の設置などに必要となる経費に対し,60万円を上限に助成することで,店舗における衛生管理の徹底や事業継続の支援を図ります。

 さらに,お客様や経営者,従業員が感染者となり,営業自粛を余儀なくされた事業者の皆様に対し,感染対策として実施する店内消毒等に要する経費や休業期間1日につき2万円,最大10日間の支援金を支給し,事業の継続を図ってまいります。

 次に,第68回よさこい祭りについて申し上げます。

 昨年のよさこい祭りは,残念ながら史上初めて中止となり,祭りを楽しみにしていた市民の皆様や観光客の方々,そして踊り子の皆様も大変残念な思いをされました。

 多くの人々が待ち望んでいる第68回大会の開催にこぎつけていくためには,新型コロナウイルスの感染防止対策について,踊り子や観客等における各課題を順次クリアしていく必要があります。

 現在,ウィズコロナ下での開催に向けた課題の抽出や,その対応策を検討するため,主催者であるよさこい祭振興会を中心に,よさこい祭り参加チームへのアンケートの実施や,よさこい祭り競演場連合会からもご意見をいただくなど,意見集約を行っており,これらの内容を踏まえながら,感染拡大防止のためのガイドラインの作成に向けて,全国の事例も参考に関係者間で協議が進められることとなっています。

 第68回大会の開催に向けて,ウィズコロナ下における開催方法の在り方など,祭りの開催には感染予防対策が必須の条件となりますので,競演場・演舞場における感染症対策経費への補助金を増額するなど,開催に向けた支援を行ってまいります。

 次に,桂浜公園再整備について申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の影響により屋外観光のニーズが高まっており,桂浜公園では,昨年11月に前年を超える来場者数があったことなどから,令和4年度以降に予定していたトイレや観光案内所等の施設整備を先行して進めています。

 公園整備では,新しい生活様式に対応したトイレの洋式化や手洗いの自動水栓化,観光案内所やバス待合所の換気機能の向上など,新型コロナウイルス感染症対策を進めるとともに,桂浜の魅力を向上させるため,本浜休憩所を展望台を兼ねた施設として再整備し,太平洋をゆっくり眺めてもらうスポットにリニューアルするほか,Wi-Fiエリアを拡充し,展望台から「映える」写真をSNSに掲載してもらう環境整備を進めてまいります。

 さらに,桂浜公園の北側岸壁には,高知県が施工する観光遊覧船の船着き場の整備が先月24日に完成しましたので,観光遊覧船で海上から龍馬像を眺めることができる人気のスポットとして,新たな観光プランの造成も期待できます。

 これらの整備に引き続き,令和4年度からは新たに選定する指定管理者によって,土産物店などの商業施設がリノベーションされることとなっており,桂浜公園のさらなる魅力向上を図ってまいります。

10 新図書館西敷地の利活用

 次に,新図書館西敷地利活用事業について申し上げます。

 これまで,民間事業者の公募に向けて,具体的な事業条件等を定めた実施方針や事業者公募に係る募集要領等を作成するに当たり,幅広いご意見やご提案を民間事業者の皆様から広く求めるため,サウンディング型市場調査を実施し,現在,調査結果の取りまとめを行っています。

 令和3年度は,サウンディング型市場調査の結果を踏まえ,事業実施方針案を作成した後,パブリックコメントを実施し,市民の皆様からのご意見をいただくとともに,議会の皆様ともご相談しながら,事業実施方針を固めまして,公募型プロポーザルによります実施事業者の募集を本年秋以降に開始する予定としています。

 この取組を通じまして,新たな中心市街地の魅力や滞留拠点などを創出し,来街者数の増加や回遊性を向上させ,中心市街地の活性化に向けて,中心市街地活性化基本計画の計画期間である令和4年度中の工事着工を目指し,事業を進めてまいりたいと考えております。

11 子ども・子育て支援

 次に,北部地区への子育て支援拠点整備について申し上げます。

 本市の地域子育て支援センターは,子育て家庭の孤立感や不安感,負担感を軽減すること等を目的に,子育て家庭の交流の場や情報提供,育児相談等を実施し,市内15か所で延べ約10万人の親子が利用しています。

 また,子育て世代包括支援センターは,保健師や母子保健コーディネーターの専門職を配置する妊娠,出産,乳幼児に関する総合相談窓口であり,母子健康手帳交付時の面談等を通じて,妊娠期から子育て期への切れ目のない支援を行っています。

 市内でも就学前児童の人口割合が高い北部地域の子育て支援拠点を,塩田町の保健福祉センターに新たに整備することとし,令和3年度に改修工事に着手するとともに,4月1日からは母子健康手帳の交付を子育て世代包括支援センターに集約することで,すべての妊婦さんへの手帳交付時での面談がスタートしますので,妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を推進してまいります。

 次に,多胎家庭支援事業について申し上げます。

 双子や三つ子などの多胎家庭では,育児負担や外出困難による孤立感などからストレスが多くなりますので,育児サポーターを派遣し,日常の育児・家事に関する介助や,外出時の補助を行う多胎家庭支援事業を創設します。

 この事業は,1歳未満の多胎児のいる家庭を対象に,授乳・沐浴の介助や買物代行,家事を行う間の見守りなどの「育児・家事支援」のほか,予防接種や健診受診時の付添い介助等の「外出支援」や,日常生活における不安や孤立感などに対応する「相談支援」等を行うもので,利用料は無料としますので,多胎家庭の経済的負担や孤立感の軽減を図り,安心して子育てができる環境整備を進めます。

12 第8期介護保険事業計画

 次に,「ちいきぐるみの支え合いづくり」を基本理念とする,令和3年度からの3か年計画となる「第8期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」について申し上げます。

 新たな第8期計画における介護施設等の整備計画では,高齢者の皆様が住み慣れた地域で,できるだけ自立した生活ができるように,グループホームや小規模多機能型居宅介護など地域密着型サービスの整備を進めるとともに,介護保険の指定を受けた特定施設を最大で160床整備する予定です。

 本市の要介護高齢者数は,高齢化の進展により,これからの3年間で1,400人余り増加し,3年後には約21,300人になる見込みです。

 こうした状況を踏まえ,第8期の介護保険料につきましては,第7期の介護保険の給付見込額908億円から約68億円増加となる976億円の給付額を見込みましたので,介護保険料の引上げが必要となりますが,引上げ幅を抑制する調整財源として,3か年で介護保険事業運営基金を15億円取り崩すこととし,第7期の基準月額5,680円に対して,第8期の基準月額は256円増となる5,936円とし,引上げ幅を抑えています。

13 人権尊重のまちづくり

 次に,人権尊重のまちづくりの取組について申し上げます。

 本市では,「すべての人の人権が尊重される社会の実現」という基本理念を踏まえ,昨年11月24日に,性の多様性に関する理解を深め,すべての人の性的指向・性自認(SOGI)に配慮した取組を積極的に推進していくことを表明する「高知市にじいろのまち宣言」を行いました。

 宣言後の翌12月には,市職員がSOGIに関する理解を深め,適切な対応がとれるように,職員向けのハンドブックを作成し,本年1月には,管理職を対象とした研修を実施したところです。

 また,令和元年12月の市議会定例会において請願が採択されたパートナーシップ制度では,先月1日から「高知市パートナーシップ登録制度」をスタートさせ,現在,既に4組の方々が登録され,「これまで見えない存在として暮らしてきたが,少しずつ理解されるようになりうれしい」といった声もいただいています。

 令和3年度は,引き続きSOGIに関する研修やパートナーシップ登録制度の周知に取り組んでいくとともに,啓発用の動画作成や事業者等の皆様に向けた広報・啓発活動を推進し,性的マイノリティが抱える様々な困難に対する社会的な理解を深めてまいります。

14 教育のICT化に向けた取組

 次に,教育のICT化に向けた取組について申し上げます。

 高知市立学校では,「GIGAスクール構想」に基づき,児童生徒1人1台のタブレットや電子黒板,指導者用デジタル教科書等の整備を進めており,小中高すべての児童生徒に対するタブレット端末の配置が令和3年度早期に完了します。

 今後の教育現場では,ICTを効果的に活用した教育活動が,児童生徒1人1人に最適化された学びをもたらす大切なものとなりますので,昨年7月に「高知市立学校ICT活用推進協議会」を設置し,ICTを効果的に活用するための事例提供や提案,研修等の実施など,各学校への支援を進めています。

 令和3年度では,学校現場におけるICT機器に関する疑問やトラブルに迅速に対応し,教育活動に支障を生じることがないように,教職員向けのコールセンターを設置するとともに,ICTの活用に長けた教員を教育研究所に追加配置するなど,学校現場に対する支援の充実を図ってまいります。

15 令和3年度当初予算

 次に,令和3年度当初予算について申し上げます。

 令和3年度は,「支え合いと絆で希望を紡ぐ高知市型共生社会を目指して」をテーマに,「新型コロナウイルス対策」,「高知市型共生社会の実現」,「南海トラフ地震対策」を3本柱として,総合計画後期基本計画に基づく第1次実施計画に掲げる施策を着実に推進する予算として編成しましたので,以下,総合計画の施策の大綱で掲げたそれぞれの「環」の施策体系ごとに,新年度予算について順次申し上げます。

 「共生の環」では,まず,地域活動に対する市税1パーセント還元に向けた仕組みづくりについて申し上げます。

 地域共生社会を実現していくためには,「支え合いの地域づくり」を進める必要がありますが,地域活動を支えていただいている方々の高齢化や固定化などにより,担い手の確保や若い世代の方々の地域活動への参加が大きな課題になっています。

 本市では,これらの課題を解消し,地域活動を活性化させるため,市税1パーセント還元に向けた検討を進めていますが,本年度はコロナ禍の影響で,地域で活動する各団体の皆様からのご意見をお伺いすることができなかったため,制度の本格実施には至りませんでした。

 このため,令和3年度では,地域共生社会づくりに向けて,地域活動の中核となる町内会や地域内連携協議会が行う特に課題が多い担い手の確保等の新たな取組みに対する財政支援を予算計上し,その活用状況も踏まえながら,令和4年度以降の市税1パーセント還元に向けた基盤づくりを進めてまいります。

 次に,集落活動センター整備事業について申し上げます。

 本市での集落活動センターは,中山間地域に2か所開設されており,その1つである鏡地域の「集落活動センター梅の木」は,市立梅ノ木公民館を拠点に令和元年11月に開所し,地元の方々を中心に活発な活動を続けています。

 令和2年度に実施した耐震診断の結果,梅ノ木公民館の耐震化が必要となりましたので,令和3年度では,既存の公民館を一部解体するとともに,公民館機能と併せて,地域の農産物加工などの機能を備えた新施設の建て替えに向けた設計等を進め,継続的な集落維持活動を支援してまいります。

 次に,公共下水道の雨水整備及び地震対策について申し上げます。

 下水道施設の雨水整備・地震対策では,下知ポンプ場の改築事業を引き続き進めてまいります。

 下知ポンプ場は,下知南部地区における排水を担う重要な基幹施設であり,改築により,南海トラフ地震発生時の耐震・耐津波性能を確保するとともに,雨水排水能力の向上を図ります。

 新しいポンプ場が完成しますと,南海トラフ地震の発生時には,国や県が進める三重防護による護岸の耐震化の効果と合わせ,長期浸水の早期解消に大きく寄与するほか,ポンプ能力を増強することにより,下知南部地区における浸水被害の軽減が期待できますので,令和8年度の供用開始を目指し,計画的に整備を進めます。

 次に,一宮市民会館等複合施設整備について申し上げます。

 現在,設計を進めております一宮市民会館,一宮児童館及び一宮老人福祉センターの整備事業につきましては,本年6月頃から工事に着手し,令和3年度末には,市民会館と児童館の機能を併せ持つ新たな一宮市民会館を完成させ,令和4年度には,老人福祉センターの長寿命化工事と駐車場,公園施設等の整備を進めます。

 次に,「安心の環」では,生活困窮者自立支援事業について申し上げます。

 本市では,平成25年11月に「高知市生活支援相談センター」を全国に先駆けて開設し,生活困窮者の様々な困りごとを総合的に受け付け,家計改善支援や就労準備支援等の各種事業につなげています。

 令和3年度は,新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う厳しい社会経済情勢の中で,生活に困窮しておられる多くの方々に対し,それぞれの世帯の課題や特性に応じて,家計改善や就労支援等を行い,必要に応じてアウトリーチによる支援を行うことなど,早期の課題解決を目指すとともに,特に住居を失うおそれのある方々には「住居確保給付金」の支給による家賃支援など,伴走型の支援を実施してまいります。

 次に,「育みの環」では,秦中央保育園改築事業について申し上げます。

 地域の皆様が期待されている秦中央保育園の改築は,隣接する秦ふれあいセンターの改修も考慮しながら,継続費による2か年事業として令和2年10月に工事に着手し,本年秋頃の完成を目指し整備を進めており,この工事が完成しますと,高知市立保育園の耐震化が完了することとなり,来年1月から新園舎での保育を開始する予定です。

 秦地域は,市内でも人口に占める児童の割合が高く,コミュニティ活動が活発な地域ですので,秦中央保育園と秦ふれあいセンターが,地域の皆様や子どもさん,子育て家庭などによる多世代の交流拠点として,地域コミュニティのモデルとなることを期待しています。

 次に,「地産の環」では,まず,シェアオフィス拠点施設運営事業費補助金について申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症を契機とした「都会から地方へ」という流れを県内に呼び込むため,受け皿となるシェアオフィスを整備運営する事業者を高知県が令和2年度に公募により選定しており,事業者の施設運営に係る費用の一部を補助し,安定した運営を支援してまいります。

 このシェアオフィスは,高知市の中心部にコワーキングスペースやスモールオフィス,イベントも可能なオープンスペースを備え,スモールオフィスに関しましては,本市や県内へ本格的に進出する前に,ビジネス展開の可能性や人材確保の可能性を探り,県内各地への立地やテレワークにつなげる「2段階立地」の役割を担うことで,地方分散型への転換を加速させ,新しいビジネス創造や雇用創出など,地域経済の活性化につながることを期待しています。

 次に,仁ノ地区排水路整備事業について申し上げます。

 仁ノ地区では,平成28年度から仁ノ第二排水機場と排水路整備を進めており,仁ノ第二排水機場につきましては,令和元年度にすべての施設整備が完了し供用を開始しており,排水路整備では令和元年度から下流部の工事に着手し,今年度にすべての用地取得が完了しましたので,令和3年度は順次整備工事を進め,早期の全線完成を目指します。

 次に,「まちの環」では,まず,未就学児移動経路安全対策事業について申し上げます。

 令和元年5月に滋賀県大津市において,移動中の園児が交通事故により亡くなられるという大変痛ましい事故が発生したことを受けて,同年6月,国から,未就学児が日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検及び安全対策を講じる要請がありました。

 本市では,令和元年8月から9月にかけて,道路管理者,警察,保育園,幼稚園等の関係者が連携し,未就学児が散歩等で日常的に集団移動する経路の緊急合同安全点検を実施しております。

 この点検結果等を踏まえ,安全対策が必要と判断された危険箇所では,防護柵やカーブミラー,区画線等の交通安全施設の整備を順次行い,未就学児の移動経路の安全確保を図ってまいります。

 次に,中心市街地都市公園整備事業について申し上げます。

 中心市街地の西エリアに位置する丸ノ内緑地及び藤並公園については,高知城や高知城歴史博物館などの観光スポットに隣接する絶好の立地特性を持ちながら,開設以来,大規模な改修を行っていないため,老朽化が進んでおり,早急な整備が必要な状況になっています。

 このため,丸ノ内緑地については,令和2年度から現況木製の通路橋の架替工事に着手し,公園整備と併せて令和4年度の完成を目指して取組を進めるとともに,藤並公園についても令和3年度から整備工事に着手いたします。

 このほか,横堀公園については,高知県が施行するはりまや町一宮線の街路整備に併せて,令和3年度に実施設計に着手します。

 次に,消防指令システム共同運用整備事業について申し上げます。

 経年による老朽化に伴う次期システムへの更新に当たり,多様化する災害への対応に向けた強靭な消防体制の確保と広域的な災害への対応強化を図る観点から,消防救急デジタル無線基地局を共同運用している土佐市と消防指令システムを共同で整備・運用することとし,本年1月に協定を結び,「消防指令業務共同運用協議会」を設置し,令和5年秋頃からの新たな消防指令システムの共同運用開始に向けて準備を進めます。

 次に,「自立の環」では,長浜・御畳瀬・浦戸地域振興計画の推進について申し上げます。

 市内でも特に人口減少が進んでいる長浜・御畳瀬・浦戸地域では,令和2年3月に策定した「長浜・御畳瀬・浦戸地域振興計画」に基づき,昨年10月に地域内外から多様な人財を発掘し,地域内で自発的な活動を促す仕組みづくりとして,旧御畳瀬小学校を拠点に地域おこし学校「こうちみませ楽舎」をプレ開校いたしました。

 先月28日には,長浜若宮八幡宮参道で地元の皆様とともに,地域特産のユリをテーマとしたイベント「こじゃんと!ゆり海道」を初めて開催し,多くの人々で賑わいました。

 令和3年度は,みませ楽舎を本格開校させ,地域活性化に取り組む人財・組織を育成していくとともに,活性化アイデアなどのテストマーケティングの場として,地域との協働による「こうち南フェス」を実施するなど,振興計画に登載した6方策15事業を戦略的に進めていきます。

 併せて,令和4年度からの地域おこし協力隊受入れに向けた制度設計やPR,体験プログラム等を実施し,新たな地域づくりの担い手の発掘・育成に取り組みます。

 以上,主要施策についてご説明を申し上げましたが,令和3年度一般会計の当初予算規模は,新型コロナウイルスワクチン接種事業や,地域からのご要望が強い道路改良・舗装,河川浚渫などの生活密着型事業について5,000万円増額する一方で,南海トラフ地震対策等のハード整備が着実に進捗したことなどにより投資的経費が減少したことから,対前年度当初比約14億6,000万円減の1,461億円となりました。

 全会計の予算規模は,国民健康保険事業特別会計で,保険給付費の伸びなどにより事業費が増加することに加え,収益事業特別会計では,新たに施設整備等協賛競輪を開催することにより事業費が増加するなど,純計で2,647億5,073万円余りとなり,対前年度当初比2.1パーセント増となっています。

16 補正予算・予算外議案

 以下,議案についてご説明を申し上げます。

 今回提出いたしました議案は,予算議案22件,条例議案35件,その他議案7件です。

 令和2年度3月補正予算は,国の第3次補正予算などを活用した前倒し補正として,小・中・特別支援学校の老朽化対策やトイレの洋式化等を行う大規模改造事業や,旭駅周辺市街地整備に係る経費を計上しています。

 また,国民宿舎桂浜荘については,今なお厳しい経営状況にありますことから,本議会において今年度下半期分の支援金に係る補正予算を計上するなど,補正総額は全会計純計で44億5,358万円余りとなっています。

 これらの補正財源は,国庫支出金等の特定財源のほか,一般財源として,今年度新型コロナウイルス対策として新設された猶予特例債や減収補てん債などを充当いたしました。

 次に,予算外議案について申し上げます。

 条例議案は,法令の改正によるものなど35件です。

 このうち,市第41号高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例議案は,国民健康保険料の賦課限度額の引上げなどを行うものであり,その他議案は,国民宿舎運営事業特別会計に係る経営健全化計画の一部変更や包括外部監査契約締結議案など7件です。

 市第69号指定管理者の指定の一部変更議案につきましては,龍馬の生まれたまち記念館について,令和3年度からの指定管理者を再公募により募集し,本年2月臨時会での議案提出を目指しましたが,要件を満たす応募者がなかったことから,現在の指定管理者との協議を行い,指定管理期間の1年間延長をお諮りするものです。

 報告2件につきましては,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。

 以上,議案を中心に概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。